おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「平成30年度 事例Ⅲ 得点の下支えは戦略問題にある」です。
まずは、平成30年度 事例Ⅲの過去記事です。
「平成30年度 事例Ⅲ 情報量が多い時に動揺しない段取り」
8月も終わり勝負の9月
8月も終わりですね。通常であれば夏休みの宿題をまとめて取り掛かる時期。
今年はコロナの影響で夏休みが短くなっており、小中高の学生は先週から学校に通学しています。
とはいえ、8月が過ぎるとくそ暑い気候ではあるものの、夏の終わりを感じてならないです。
残り2カ月を切り9月に入ってくるといよいよこれから自分はどのように本試験に立ち向かうのか、何が足りないのかといった 焦燥感にさいなまれます。
各社の模試も先週今週で終えて落ち着きますので、自分自身の現在地を見極めて、
残りの期間で足りないことや不十分なことに特化して、限られた時間を有効活用して、レベルアップをしていきたいです。
夏のイベントに浸るのは今日までです。
夏休みの宿題
まとめて最後に取り掛かる。
事例Ⅲの戦略系の問題はまとめて解いて、
戦略系と生産系の問題は切り離して1題づつ進めていくイメージ。
第1問と第5問の戦略を志向する前半部分
与件文前半を読んでいきます。
マークの識別は以下の通りです。
暖色は強みと機会。
寒色は弱みと脅威。
黄土色はキーワード。
小刻みに段落が分かれているのが特徴です。
段落ごとに論点は変わりますので切り替えて読んでいきます。
【C 社の概要】
第1段落
①C 社は、「1974 年」の「創業」以来、<大手電気・電子部品メーカー数社を顧客(以下「顧客企業」>という)に、電気・電子部品のプラスチック射出成形加工を営む中小企業である。従業員数「60 名」、年商「約9 億円」、会社組織は<総務部>、<製造部>で構成されている。
→総務部と製造部だけ。ここは気になります。 営業部とか設計部とかがないです。
第2段落
②プラスチック射出成形加工(以下「成形加工」という)とは、プラスチックの材料を加熱溶融し、金型内に加圧注入して、固化させて成形を行う加工方法である。C 社では「創業当初」、<顧客企業>から金型の支給を受けて、成形加工を行っていた。
→創業当初の話し。顧客企業に依存していたというニュアンス。
第3段落
③C 社は、住工混在地域に立地していたが、「1980 年」、、C 社同様の立地環境にあった他の中小企業>とともに高度化資金を活用して工業団地に移転した。この工業団地には、「現在」、金属プレス加工、プラスチック加工、コネクター加工、プリント基板製作などの<電気・電子部品に関連する中小企業>が多く立地している。
→ 工業団地に移転。<電気・電子部品に関連する中小企業>
移転したことで連携を図ることができた。
第4段落
④C 社のプラスチック射出成形加工製品(以下「成形加工品」という)は、<顧客企業>で電気・電子部品に組み立てられ、その後、<家電メーカー>に納品されて家電製品の一部になる。主に量産する成形加工品を受注していたが、「1990 年代後半」から<顧客企業>の生産工場の海外移転に伴い量産品の国内生産は減少し、<主要顧客企業>からの受注量の減少が続いた。
→過去の外部環境の変化。顧客企業に依存体質だったため、海外移転で受注量が減少した。
生産工場の海外移転などの部分から第1問に対応します。
第5段落
⑤こうした<顧客企業>の動向に対応した方策として、C 社では<金型設計>と<金型製作部門>を新設し、製品図面によって注文を受け、金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築した。<また>、プラスチック成形や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、さらにOJT によってスキルアップを図るなど加工技術力の強化を推進してきた。このように金型設計・製作部門を持ち、技術力を強化したことによって、材料歩留り向上や成形速度の改善など、顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積することができた。
→C社の過去にやってきたS:強みの中心段落。
第1問に対応します。
第1問
<顧客企業>の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても、C 社の業績は維持されてきた。その理由を80 字以内で述べよ。
色々とやっているので、80字にまとめる編集力が問われます。
①金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築。
②プラスチック成形や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、さらにOJT によってスキルアップを図るなど加工技術力の強化を推進。
①の説明金型設計・製作部門を持ち、技術力を強化
課題の達成:材料歩留り向上や成形速度の改善
③顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積できた。
また、第5問にも強みを活かして対応します。
第5問
わが国<中小製造業>の経営が厳しさを増す中で、C 社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として120 字以内で助言せよ。
経営資源は、C社の強みに対応。
第6段落
C 社が立地する<工業団地の中小企業>も<大手電気・電子部品メーカーを顧客>としていたため、C 社同様工業団地に移転後、<顧客企業>の工場の海外移転に伴い経営難に遭遇した企業が多い。そこで<工業団地組合>が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた。C 社は、この工業団地組合活動のリーダー的存在であった。
→<工業団地組合>とC社の関わり合い。
工業団地の中小企業と連携して経営難を乗り切ってきた。
技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い
工業団地組合活動のリーダー的存在
この段落も第1問と第5問の強みに対応します。
第5問の立地環境は、工業団地と対応。
第7段落
⑦「近年」、国内需要分の家電製品の生産が国内に戻る傾向があり、「以前」の国内生産品が戻りはじめた。それによって、C 社ではどうにか安定した受注量を確保できる状態になったが、<顧客企業>からの1 回の発注量が以前よりも少なく、受注量全体としては以前と同じレベルまでには戻っていない。
→外部環境変化が機会となっているものの、課題があるといった段落。
国内需要分の家電製品の生産が国内に戻る傾向、「以前」の国内生産品が戻りはじめた。外部環境の変化が機会となってはいる。
しかしながら、<顧客企業>からの1 回の発注量が以前よりも少なく、受注量全体としては以前と同じレベルまでには戻っていない。
課題が受注量の拡大と解釈できる。
第5問の経営が厳しさを増す中に対応する段落。
第8段落
⑧「最近」C 社は、成形加工の際に金属部品などを組み込んでしまう成形技術(インサート成形)を習得し、<古くから取引のある顧客企業の1 社>からの受注に成功している。それまで<他社>の金属加工品とC 社の成形加工品、そして<顧客企業>での両部品の組立という3 社で分担していた工程が、C 社の高度な成形技術によって金属加工品をC社の成形加工で組み込んで納品するため、<顧客企業>の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られることになる。
→C社の新たな強みの段落。課題も具体的にはっきりと明記されている。
新たな強み
成形技術(インサート成形)を習得、高度な成形技術によって金属加工品をC社の成形加工で組み込んで納品
成功体験
古くから取引のある顧客企業の1 社>からの受注に成功
課題
<顧客企業>の工程数の短縮、納期の短縮、コスト削減
インサート成型を活用して、他社にも対応していくと課題が達成される。
第5問の経営資源に対応する段落。
戦略系の問題は情報を整理して解答していけばいいので基礎点となります。
この戦略系と生産系を分割して、大きく2つの課題をこなしていくという感じが、
事例Ⅲを攻略するヒントになると思います。
以上、戦略系の前半部分でした。
平成30年度の事例Ⅲはいい問題だとしみじみ。
小刻みに文章が区切られているのが特徴。リズム感を感じます。
一段落づつは読みやすいのですが、メリハリをつけていかないと本質的な部分を検討するのに時間がかかってしまった気がします。
問題に対応した書籍紹介
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過去問
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本日のまとめ
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自分自身の現在地を見極めて、残りの期間で足りないことや不十分なことに特化して、限られた時間を有効活用して、レベルアップをしていきたい。
- 戦略系の問題は情報を整理して解答していけばいいので基礎点となる。
- 戦略系と生産系を分割して、大きく2つの課題をこなしていくという感じが、事例Ⅲの攻略法。
2次筆記試験まであと56日。
残り2カ月を切りました。
今は自分の現在地を知る時期です。
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