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【令和8年度】中小企業診断士1次試験「中小企業経営・政策」出題予想|2025年版中小企業白書から徹底分析

おはようございます。

中小企業診断士の山口晋です。

皆さんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。

本日は「【令和8年度】中小企業診断士1次試験「中小企業経営・政策」出題予想|2025年版中小企業白書から徹底分析」です。

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令和8年(2026年)8月に実施される中小企業診断士第1次試験の「中小企業経営・政策」科目は、2025年版中小企業白書・小規模企業白書の内容と、白書に掲載される令和7年度中小企業施策が出題のベースとなります。前年度版白書から出題されるのが定石であるため、令和8年度試験の対策では2025年版白書の精読が合否を分けます。

2025年版白書を貫くキーワードは「経営力」です。円安・物価高の継続、約30年ぶりに到来した「金利のある世界」、構造的な人手不足という三重苦のなかで、中小企業経営者が成長戦略をどう描き、政府がそれをどう支援するか。この問題意識が白書全体の構造に反映されており、出題論点もこの軸に沿って絞り込むことができます。

本記事では、過去5年間の出題傾向と2025年版白書の重点テーマを照合し、令和8年度試験で出題される可能性が高い論点を「中小企業経営」「中小企業政策」の両分野で網羅的に予想します。直前期の学習計画を立てる受験生の方はもちろん、中小企業診断士の知見を経営に活用したい経営者・実務家の方にも参考になります。

令和8年度試験の概要と出題ベース

中小企業診断士第1次試験は、毎年8月初旬の土日2日間で実施されます。「中小企業経営・政策」は2日目の最終科目に配置され、2科目を1つの科目として60分・100点満点で出題されます。出題比率は中小企業経営11問前後、中小企業政策11問前後で、合計22〜23問が定例です。

出題のベースとなる年度の特定は、受験対策の出発点です。令和8年度(2026年8月)試験では、2025年4月25日に閣議決定・同年7月に公表された「2025年版中小企業白書・小規模企業白書」が出題範囲となります。試験問題は前年度の秋から翌春にかけて作成されるため、試験年と同年版の白書ではなく、その前の版が使われるのが慣例です。

区分 内容
試験実施時期 令和8年(2026年)8月上旬の土日2日間
科目配置 2日目の最終科目(90分・100点)
出題ベース白書 2025年版中小企業白書・小規模企業白書
出題ベース施策 令和7年度中小企業施策
合格基準 1科目40点以上、かつ7科目平均60点以上

「中小企業経営・政策」は科目合格率が乱高下することで知られ、年度によって難化・易化の振れ幅が大きい科目です。これは出題ベースとなる白書の内容が毎年変わることが主因であり、過去問の数値そのものは令和8年度には通用しません。過去問は「論点」と「問われ方」を学ぶ教材として位置づけ、データの暗記には2025年版白書を直接参照する必要があります。

2025年版中小企業白書の全体構造と重点テーマ

2025年版白書は、中小企業白書・小規模企業白書ともに第1部を共通章立て、第2部以降を各白書独自の構成としています。試験対策の観点では、第1部の動向分析と各論の重点テーマを押さえることが最優先です。

白書全体の構造

区分 主要テーマ
第1部(共通) 第1章 中小企業・小規模事業者の業況、金利・為替・物価、雇用環境、労働生産性・設備投資・DX、価格転嫁、賃金・賃上げ、倒産・休廃業・事業承継
第1部(共通) 第2章 中小企業・小規模事業者に求められる共通価値(GX、サーキュラーエコノミー、経済安全保障、労働者の人権尊重、BCP)
第2部(中小企業白書) 第1章 中小企業の経営力(経営戦略・人材戦略の策定、経営者の成長意欲、経営の透明性・ガバナンス)
第2部(中小企業白書) 第2章 スケールアップへの挑戦(M&A、研究開発・イノベーション、海外展開)
第2部(小規模企業白書) 第1章 持続的発展に向けた経営力の向上(差別化戦略、経営計画の策定・運用、地域の社会課題解決事業)
第3部 令和6年度・7年度施策 5つの政策の柱(賃上げ・成長支援、経営環境対応、小規模事業者支援、事業承継・再編、地域課題解決)

白書のメッセージの核心

2025年版白書のメッセージは、「コストカット戦略は限界を迎えている」という診断と、「経営力の3つの観点(個人特性・戦略策定・組織人材)からの成長転換」という処方箋に集約されます。中小企業の労働分配率は既に8割近くに達しており、賃上げ余力が乏しい状況下で、設備投資・デジタル化と適切な価格設定・価格転嫁による付加価値向上が不可欠との立論です。

この立論は試験問題にも色濃く反映されます。「金利のある世界」「価格転嫁」「賃上げ」「人手不足」「経営力」「スケールアップ」「ガバナンス」という7つのキーワードが、令和8年度試験の中小企業経営パートで頻出すると予想されます。

過去5年間の出題傾向と論点の安定性

白書の内容は毎年変わりますが、出題形式と論点の構造には一定の安定性があります。過去5年間の出題傾向を整理すると、以下の3つのパターンに収れんします。

パターン①:定番統計(毎年出題)

企業数・従業者数・付加価値額の規模別構成、開廃業率の推移、業種別構成比は、ほぼ毎年出題される定番論点です。データは経済センサスや法人企業統計年報を基に毎年更新されますが、傾向(中小企業の構成比、製造業・小売業・卸売業の規模特性)は大きく変わらないため、過去問で問われ方を学んでおく価値が高い領域です。

パターン②:時事性の高い論点(白書の重点テーマ)

各年版白書の特集テーマは必ず出題されます。2025年版で言えば「経営力」「スケールアップ」「金利のある世界」「価格転嫁」が重点テーマであり、これらに関する統計データや経営者の意識調査からの出題が確実視されます。

パターン③:政策の最新動向(中小企業政策)

令和7年度施策のうち、新設・拡充された制度や、ガイドライン・指針の改訂は出題されやすい論点です。「デジタル化・AI導入補助金」(IT導入補助金の後継)新事業進出補助金省力化投資補助金(一般型)中小M&Aガイドライン第3版パートナーシップ構築宣言の拡充などが、令和8年度試験で問われる可能性が高い新規論点です。

パターン 出題の安定性 対策の優先度
①定番統計 高い(毎年出題) 最優先(過去問で問われ方を学ぶ)
②時事性の高い論点 中(白書の重点テーマに依存) 高(2025年版白書の精読)
③政策の最新動向 低(毎年大きく入れ替わる) 中(新設制度を中心に整理)

【中小企業経営】出題予想10大テーマ

2025年版白書の章立てと過去の出題傾向を踏まえ、令和8年度試験で「中小企業経営」パートから出題が予想される10大テーマを示します。

テーマ①:中小企業の業況と業種別動向

業況DI、売上DI、収益DIの推移は定番論点です。2024年度を通じて中小企業の業況DIは弱含み傾向にあり、業種別では建設業・製造業・卸売業の動向が問われやすい領域です。「業況が改善している業種はどれか」「中小企業の収益DIの推移として正しいものはどれか」といった出題が予想されます。

テーマ②:金利・為替・物価と借入金利水準判断DI

2025年版白書の最重要トピックです。「金利のある世界」の到来により、中小企業の借入金利水準判断DIは2006〜2007年以来の高水準に上昇しました。輸入比率と借入金依存度が高い中小企業にとって、円安と金利上昇の二重コストが収益を圧迫しているという論点が、データと共に問われる可能性が高いと予想されます。

テーマ③:労働生産性・設備投資・DX

大企業と中小企業の労働生産性格差、設備投資額の推移、デジタル化・DXの取組状況は毎年出題される論点です。2025年版白書では「設備投資・デジタル化と価格転嫁の推進による付加価値向上」が処方箋として提示されており、設備投資意向や省力化投資の動機に関する統計が問われると予想されます。

テーマ④:価格転嫁の実現状況

価格転嫁率、価格転嫁できた費目(原材料費・労務費・エネルギー費)、転嫁できない理由、業種別の転嫁状況は頻出論点です。「差別化や市場環境を意識した経営を行う企業ほど価格転嫁が進んでいる」という白書の主張に沿った設問が出題されると予想されます。

テーマ⑤:賃金・賃上げと労働分配率

2024年春季労使交渉で約30年ぶりの賃上げ率を達成した点、大企業との賃上げ率格差が拡大した点、中小企業の労働分配率が約8割に達している点は、いずれも出題候補です。「業績改善を伴わない賃上げの増加」という指摘も、人手不足対応の観点から問われる可能性があります。

テーマ⑥:雇用環境と人手不足の構造化

人手不足DI、業種別の不足感、外国人材の活用状況は定番論点です。技能実習制度から育成就労制度への移行(2027年4月施行予定)に関連する記述も、政策動向として出題される可能性があります。

テーマ⑦:倒産・休廃業・事業承継

倒産件数の推移、休廃業・解散企業の経営状況、事業承継の意向と後継者選定状況は毎年出題されます。2025年版白書では「黒字廃業」の問題提起と、第三者承継(M&A)の推進が前面に押し出されており、後継者不在率の業種別・地域別傾向が問われると予想されます。

テーマ⑧:経営力(個人特性・戦略策定・組織人材)

2025年版白書の特集テーマです。経営者の交流ネットワーク、リスキリング・学び直しへの取組、経営計画策定の有無と業績の関係、経営理念の共有が業績や人材確保に与える影響、社外取締役の登用状況などが、新規論点として出題される可能性が高いと予想されます。

テーマ⑨:スケールアップへの挑戦(M&A・研究開発・海外展開)

第2部第2章の特集テーマです。M&A実施企業の特徴、買い手・売り手の動機、研究開発投資と付加価値の関係、海外展開の進捗状況などが、企業規模別の壁との関連で出題されると予想されます。「売上高100億円以上では、経営者と共に支える経営人材やDX人材の確保が重要」という白書の指摘も論点です。

テーマ⑩:共通価値(GX・経済安全保障・人権尊重)

第1部第2章のテーマです。脱炭素化・GXの取組状況、サーキュラーエコノミーへの対応、経済安全保障の認識、サプライチェーンにおける人権尊重の取組状況、BCP策定状況が、それぞれ独立した設問として出題される可能性があります。


【中小企業政策】出題予想8大テーマ

中小企業政策パートは、白書第3部の令和7年度施策と、過去から継続する基本制度の両方から出題されます。令和8年度試験で出題が予想される8大テーマを優先順位順に示します。

テーマ①:中小企業基本法と中小企業者の定義

中小企業政策の最頻出論点です。資本金・従業員数による中小企業者・小規模企業者の定義、4つの基本理念(多様で活力ある成長発展、自助努力の助長、公正な競争条件の確保、地域経済の活力ある発展)は、令和8年度試験でも問われる可能性がきわめて高いと予想されます。

業種 中小企業者(資本金または従業員数) 小規模企業者(従業員数)
製造業・建設業・運輸業・その他 3億円以下 または 300人以下 20人以下
卸売業 1億円以下 または 100人以下 5人以下
サービス業 5,000万円以下 または 100人以下 5人以下
小売業 5,000万円以下 または 50人以下 5人以下

テーマ②:補助金制度の全体像

令和8年度試験で出題が予想される主要補助金は、新事業進出補助金ものづくり補助金省力化投資補助金(一般型・カタログ型)小規模事業者持続化補助金デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金の後継)、事業承継・引継ぎ補助金の6本柱です。各補助金の対象者・対象経費・補助率・上限額が問われます。

テーマ③:信用保証制度と経営者保証改革

信用保証制度の枠組み(一般保証・特別保証)、責任共有制度、セーフティネット保証は定番論点です。加えて、令和8年(2026年)3月に取り扱いが開始されたモニタリング強化型特別保証制度は新設制度として出題される可能性が高い論点です。経営者保証改革プログラムの3つの柱(金融機関対応、信用保証協会の保証メニュー拡充、経営者保証ガイドライン徹底)も合わせて押さえる必要があります。

テーマ④:経営革新計画・経営力向上計画

2つの計画認定制度の違い(根拠法、認定権者、要件、支援措置)は、組み合わせ問題として頻出します。中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画と、中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の混同を狙った出題が予想されます。経営強化税制(A類型〜D類型)の対象設備区分も合わせて整理しておく必要があります。

テーマ⑤:小規模企業共済・経営セーフティ共済

2つの共済制度は中小企業政策の超頻出論点です。加入対象、掛金、給付内容、税制優遇、貸付制度の違いが問われます。小規模企業共済は小規模企業者の退職金代わりの制度であり、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は連鎖倒産防止のための制度です。2024年10月の税制改正で、解約後2年以内の再加入は掛金損金算入不可となった点も新規論点として出題される可能性があります。

テーマ⑥:事業承継支援とM&A関連政策

事業承継・引継ぎ支援センター、事業承継税制(特例措置・一般措置)、中小M&Aガイドライン、中小PMIガイドラインが対象論点です。2025年版白書ではM&Aによるスケールアップが強調されており、買い手・売り手双方の支援メニューが組み合わせ問題として出題される可能性があります。

テーマ⑦:取引適正化とパートナーシップ構築宣言

下請代金支払遅延等防止法(下請法)、価格交渉促進月間、パートナーシップ構築宣言、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月施行)は、令和8年度試験での出題可能性が高い論点です。特にフリーランス保護新法は試験のタイミング的にも出題確率が高く、保護対象、義務内容、違反時の措置を整理しておく必要があります。

テーマ⑧:地域支援機関と中小企業活性化協議会

よろず支援拠点、商工会・商工会議所、中小企業活性化協議会、中小企業基盤整備機構の役割と支援内容は定番論点です。中小企業活性化協議会は、再生計画策定支援を担う機関として、収益力改善支援・再生支援・再チャレンジ支援の3層構造を理解しておく必要があります。


直前期の学習戦略と優先順位

「中小企業経営・政策」は試験直前期に集中学習するのが最も効率的な科目です。試験まで2〜3か月の段階から本格的に取り組み、以下の優先順位で学習を進めることを推奨します。

第1優先:2025年版白書の概要編精読

中小企業庁ホームページから無料でダウンロードできる「2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要」(PDF約60ページ)を最初に精読します。本文全体を読む必要はありません。概要編には白書のメッセージと主要グラフが凝縮されており、本試験で問われる論点の8割以上をカバーできます。

第2優先:過去問5年分による出題形式の習得

過去問のデータそのものは令和8年度試験では通用しませんが、「どの論点が、どのような形式で問われるか」を学ぶ教材としては最良です。令和2年度〜令和7年度の過去問を、解答ではなく問題文の構造に注目しながら通読します。中小企業経営パートでは「規模別比較」「業種別比較」「時系列比較」の3つの問われ方を、中小企業政策パートでは「対象者」「対象経費」「補助率・上限額」「実施主体」の4つの整理軸を意識します。

第3優先:令和7年度新設・拡充制度の整理

中小企業政策で得点を伸ばす鍵は、新設・拡充制度の整理です。令和8年度試験では、新事業進出補助金省力化投資補助金(一般型)モニタリング強化型特別保証制度フリーランス保護新法中小M&Aガイドライン第3版などが新規論点候補です。中小企業庁の「中小企業施策利用ガイドブック」最新版で、対象者・要件・申請窓口を一覧表にまとめて学習することが効果的です。

第4優先:定番暗記項目の最終固め

中小企業基本法の中小企業者・小規模企業者の定義、小規模企業共済と経営セーフティ共済の違い、信用保証制度の責任共有制度、経営革新計画と経営力向上計画の違いといった定番暗記項目は、試験前1週間で最終確認をします。これらは毎年形を変えて出題される「得点源」であり、ここを確実に取れるかが合否を分けます。

学習段階 取り組む内容 所要時間目安
試験3か月前 白書概要編精読+過去問通読 10〜15時間
試験2か月前 新設・拡充制度の整理 8〜12時間
試験1か月前 問題演習と弱点補強 10〜15時間
試験直前1週間 定番暗記項目の最終確認 5〜8時間

「中小企業経営・政策」は、暗記中心の科目であるがゆえに、取り組み方を間違えなければ短期間で60点以上に到達可能な科目です。逆に、出題ベース白書を取り違えたり、過去問の数値を覚え込もうとしたりすると、努力が空回りします。学習の方向性を正確に定めることが、この科目を制するうえで最も重要です。

まとめ|令和8年度「中小企業経営・政策」攻略の5つのポイント

令和8年度中小企業診断士1次試験「中小企業経営・政策」の対策で、押さえるべきポイントは以下の5つです。

  • ① 出題ベースは2025年版中小企業白書・小規模企業白書。試験年と同年版ではなく、その前年度に公表された白書が出題範囲となる。
  • ② 2025年版白書のキーワードは「経営力」。経営戦略・人材戦略・経営の透明性とガバナンスの3つの観点が特集されており、ここから経営パートの過半が出題される。
  • ③ 「金利のある世界」「価格転嫁」「賃上げ」「人手不足」「スケールアップ」が時事論点。これらのキーワードに関連する統計データを優先的に押さえる。
  • ④ 中小企業政策は新設・拡充制度を集中的に学習。新事業進出補助金、省力化投資補助金、モニタリング強化型特別保証制度、フリーランス保護新法は出題確率が高い。
  • ⑤ 過去問は「論点」と「問われ方」を学ぶ教材として活用。データの絶対値は令和8年度には通用しないため、暗記の対象は2025年版白書に切り替える。

試験本番では、知らない論点が必ず数問出題されます。それは想定内と捉え、定番論点と時事論点で確実に得点することが攻略の本質です。

Q&A|令和8年度「中小企業経営・政策」試験対策の疑問にお答えします

Q1.令和8年度試験の出題範囲となる白書はどれですか?

A1.2025年版中小企業白書・小規模企業白書です。2025年4月25日に閣議決定され、2025年7月に公表された版が出題ベースとなります。試験は令和8年(2026年)8月実施ですが、試験問題は前年度の秋から翌春にかけて作成されるため、その時点で確定している前年度版が使われます。2026年版白書は令和8年度試験には使われませんので、購入すべきは2025年版です。

Q2.中小企業白書の本文全体を読む必要はありますか?

A2.本文全体を読む必要はありません。中小企業庁ホームページから無料でダウンロードできる「概要編」(PDF約60ページ)が最も効率的な教材です。概要編には白書のメッセージと主要グラフが凝縮されており、出題論点の8割以上をカバーできます。それでも物足りない場合は、各章の冒頭にある「主要メッセージ」と図表のサブタイトルだけを通読する方法が効果的です。本文を逐語的に読み込むことは時間対効果が悪く、推奨しません。

Q3.過去問は何年分やればよいですか?

A3.直近5年分(令和3年度〜令和7年度)が目安です。それ以前の過去問は、制度や統計が現在と乖離している部分が多く、学習効率が低下します。重要なのは、過去問を「データを覚える教材」ではなく「論点と問われ方を学ぶ教材」として使うことです。中小企業経営パートでは規模別・業種別・時系列の3つの比較軸、中小企業政策パートでは対象者・対象経費・補助率・実施主体の4つの整理軸を意識して問題文を読みます。

Q4.中小企業経営と中小企業政策では、どちらに学習比重を置くべきですか?

A4.中小企業政策に比重を置くことを推奨します。中小企業政策は出題内容が比較的安定しており、暗記がそのまま得点に直結しやすい一方、中小企業経営は白書の内容が毎年変わるため、努力が報われにくい側面があります。標準的には政策6:経営4の時間配分が効率的です。ただし、中小企業経営でも定番統計(規模別構成比、開廃業率、業種別動向)は毎年出題されるため、これらは確実に押さえる必要があります。

Q5.フリーランス保護新法は本当に出題されますか?

A5.出題される可能性は高いと判断しています。2024年11月に施行された新法であり、2025年版白書でも取引適正化の文脈で言及されています。試験委員は新規制度を出題に取り入れる傾向があり、施行から試験まで1年9か月という時間的余裕があるため、出題タイミングとしても適合しています。保護対象(特定受託事業者)、発注者の義務(書面交付、報酬の支払期日、育児介護等への配慮など)、違反時の措置を整理しておくことを推奨します。

Q6.小規模企業共済と経営セーフティ共済の違いをわかりやすく教えてください。

A6.両者は加入対象と目的が根本的に異なります。小規模企業共済は小規模企業者個人(経営者・役員・個人事業主)が加入し、退職金や老後資金の積立を目的とする制度です。掛金は月額1,000円〜70,000円、所得控除の対象となります。一方、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は中小企業者本体が加入し、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことを目的とする制度です。掛金は月額5,000円〜200,000円、損金算入が可能です。両者の混同を狙った出題が頻出するため、加入対象(個人か法人か)と目的の違いをセットで覚えてください。

Q7.経営革新計画と経営力向上計画はどう違いますか?

A7.根拠法と要件が異なります。経営革新計画は中小企業等経営強化法(旧・中小企業新事業活動促進法)に基づく制度で、新事業活動による経営の相当程度の向上を目指す3〜5年の計画を策定します。要件として、付加価値額または1人当たり付加価値額の年率3%以上向上、経常利益の年率1%以上向上が課されます。一方、経営力向上計画は中小企業等経営強化法に基づく制度で、人材育成・コスト管理・設備投資等による経営力向上を目指す計画です。要件は経営革新計画ほど厳格ではなく、認定を受けると経営強化税制(即時償却または税額控除)の適用、金融支援、法的支援が受けられます。

Q8.「金利のある世界」とは具体的に何を指しますか?

A8.日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も追加利上げを実施したことを指します。2025年版白書では、中小企業の借入金利水準判断DIが2006年・2007年以来の高水準まで上昇したと記述されています。輸入比率と借入金依存度が高い中小企業にとって、円安と金利上昇の二重コストが収益を圧迫している状況を、白書は「コストカット戦略の限界」として位置づけています。試験では「中小企業の借入金利水準判断DIの推移」「金利上昇が中小企業財務に与える影響」といった形で問われると予想されます。

Q9.中小企業政策の最新動向はどこで確認できますか?

A9.3つの公的資料を併用することを推奨します。第一に、中小企業庁「中小企業施策利用ガイドブック」最新版(毎年4月頃公表、PDF無料)は、施策の一覧として最も網羅性が高い資料です。第二に、2025年版中小企業白書の第3部は、令和7年度施策の政策的位置づけと根拠が体系的に整理されています。第三に、中小企業庁ホームページの「ニュースリリース」では、2025年4月以降に新設・拡充された制度の最新情報が随時更新されます。試験対策としては、ガイドブックを軸に、白書第3部で背景を補完する学習が効率的です。

Q10.「中小企業経営・政策」で40点未満の足切りを回避するための最低限の学習は何ですか?

A10.足切り回避のためには、最低でも以下4点を押さえてください。第一に、中小企業基本法の中小企業者・小規模企業者の定義(業種別の資本金・従業員数)を完璧に暗記すること。第二に、小規模企業共済と経営セーフティ共済の違いを加入対象・掛金・税制の3軸で整理すること。第三に、主要補助金6本柱(新事業進出、ものづくり、省力化投資、持続化、デジタル化・AI導入、事業承継引継ぎ)の対象者と補助率を表で覚えること。第四に、2025年版白書の概要編を最低3回通読すること。これだけで40点は十分に到達可能です。

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