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令和8年度 事例Ⅰ(組織・人事)解答速報解説|地域卸売のA社グループが、老舗醤油メーカーX社を買収した事例

おはようございます。中小企業診断士の山口晋です。

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本日のテーマは
「令和8年度 事例Ⅰ(組織・人事)解答速報解説|地域卸売のA社グループが、老舗醤油メーカーX社を買収した事例」です。

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令和8年度 事例Ⅰ(組織・人事)解答速報解説|地域卸売のA社グループが、老舗醤油メーカーX社を買収した事例

この記事の要点

1令和8年度の中小企業診断士2次試験、事例Ⅰの解答速報解説です。今年の事例Ⅰは、地域の卸売企業のグループが、老舗の醤油メーカーを買収したあとの、組織の統合・人材の育成・グループの成長戦略を問う出題でした。

2この記事は、試験の直後にまとめた「速報版」です。まず今年の事例と過去問とのつながりを見て、そのあと設問ごとに、設問文の読み方・根拠の段落・引っかかりやすい点・解答の組み立て・模範解答例(第1弾)の順に進みます。

3大事なのは答えそのものより、そこにたどり着くまでの読み方です。

設問

4問

字数の合計

520字

段落

12段落

山場

第4問

各設問の最後に、第1弾の模範解答例を載せています。与件文の言葉をできるだけそのまま使った、初見で書く答案に近いものです。2次試験の答えは1つに決まりません。下線の色は、その言葉を持ってきた与件文の段落を表します(与件文の地図の札と同じ色)。再現答案が集まったあとの第2弾で、答案のデータをもとに見直します。設問文は、中小企業診断協会「令和8年度 中小企業診断士第2次試験」の問題用紙からの引用です(事例Ⅳの計算の条件と表は、根拠の欄で要約しています)。

01今年の事例Ⅰは、こういう事業者でした

問題用紙を開いてまず目に入るのは、4問・配点20・30・20・30点・字数の合計520字という、令和7年度とまったく同じ並びです。型に迷うことはなかったと思います。

一方で中身は、A社グループがX社を買収したあとの話です。与件には持株会社・A社・α社・X社の4つの組織が出てきますが、設問の主語は4問とも「A社グループ」です。誰の話を書いているのかが途中で混ざると、どの設問も崩れます。読みながら、段落ごとに「これはA社の話か、X社の話か、グループ全体の話か」を書き込んでおくのが、この事例のいちばんの備えでした。

もう1つは時点です。与件は「買収前」(第1〜6段落)と「買収後」(第7〜12段落)にはっきり分かれています。第1問は買収前、第2問以降は買収後の話なので、この切れ目に線を引いておくと、根拠を拾う場所を間違えません。

設問配点字数問われていること(要約)
第1問20点60字×2X社を買収するに至った背景にあるA社グループの課題((a)内部環境と(b)外部環境)
第2問30点150字買収後、グループ全体で業務プロセスの整備を進めてきた理由(組織運営の観点)
第3問20点100字消費者の動向を意識したビジネスに必要なスキルを持つ人材として、X社の従業員をどう育成するか
第4問30点150字地域卸売企業から脱皮するため、X社を生かしたグループ全体の成長戦略

令和8年度 事例Ⅰの設問別の配点の棒グラフ。第1問20点、第2問30点、第3問20点、第4問30点で、30点の第2問と第4問で配点の6割を占める。

02過去問から見た令和8年度:型は令和7年度、テーマは令和5年度

全体を過去問と並べると、「型は昨年、中身は数年前」という組み合わせでした。

項目令和5年度令和7年度令和8年度
テーマ経営統合新規事業を支える組織体制と企業理念買収後の組織統合・人材育成・成長戦略
第1問統合前の強みと弱み(30字×2つ)新規事業に進出した際のSWOT(30字×4つ)買収前の課題・内部と外部(60字×2つ)
設問・字数440字4問・520字4問・520字

事例Ⅰの字数の合計と設問の数の推移(令和4〜8年度)の棒グラフ。令和4年度450字、令和5・6年度440字、令和7・8年度520字で、設問の数は5つから4つになり、2年続けて同じ形。

買収・経営統合を扱った事例Ⅰは、当社のデータの範囲では、平成21年度・平成22年度・令和2年度・令和5年度にもあります。今年の第2問と令和2年度、第4問と令和5年度は、問い方が近い組み合わせです。

設問の数は、小問(設問1・設問2)を1つずつ数えています。

03与件文の流れ:12段落と設問の対応

段落は、問題用紙で行頭が1字下がっているところから、次の1字下がりまでを1つと数えています(全12段落。組織図は数えません)。

段落書かれていること主に使う設問
第1段落A社の概要。地域特産品の卸売、簡易加工、グループ経営(持株会社・α社)、49名。社長の「地域の雇用を守る」第4問(制約)
第2段落A社の足元。卸売は薄利、原材料費などの上昇、売れ筋の変化、評価の広がり、製造機能がない「業態の限界」第1問
第3段落長女(常務)の人物像と、社長の「伸びる事業をつくらなければ存続は不可能」。買収による製造分野への進出第1問
第4段落X社の紹介。木桶仕込みの評価は高いが、定番品が約7割で利益率が低い。受注は電話・メール、管理は表計算第2問・第4問
第5段落買収の打診と、グループ内の反対意見(市場の厳しさ、老朽設備、醸造の知見の少なさ、統合の負担)第1問
第6段落長女の整理(グループの販路・EC×X社の発酵技術・製造機能)と、買収の決定第4問
第7段落買収後の体制。社名・ブランド・雇用は維持、前社長が顧問、グループは62名(このあとに組織図)―
第8段落組織の統合。お互いへの不信、社長の毎週の訪問、長女の個別面談と月1回の合同ミーティング第2問
第9段落長女の方針。技術は残し、データはグループで共有。顧客接点にX社の商品をのせるための業務プロセスの整備第2問
第10段落人材面の課題。X社は役割・評価が曖昧、技能伝承、消費者に触れる機会が少ない。A社側も発酵への理解が乏しい第3問
第11段落成長戦略の手がかり(卓上瓶、海外の需要、A社の加工食品)と制約(定番品・雇用・既存事業を守る)第4問
第12段落翌年度に向けて。成長戦略と人材育成計画。「地域卸売企業から価値創造企業へ脱皮できるかの分岐点」第4問

与件の後半は、第8・9段落が組織の統合、第10段落が人材、第11・12段落が成長戦略の順に並んでいて、これがそのまま第2問〜第4問に対応しています。前半の第1〜6段落は、第1問の材料であると同時に、第4問の「強み」と「制約」の出どころにもなっています。

04図表の読み方:組織図

2ページには、X社を買収したあとのA社グループの組織図があります。箱は4つだけの簡単な図ですが、設問を解くうえで大事な情報が入っています。

X社買収後のA社グループ組織図(問題用紙の図を描き直したもの)

持株会社

A社社長と家族が株式全数保有

A社グループの統括

|
┌──────┼──────┐

A社

卸売・簡易加工

α社

取引先業者向けEC

X社

老舗醤油メーカー

人数は組織図には書かれていません。A社とα社で49名(第1段落)、X社13名(第4段落)、グループで62名(第7段落)です。

組織図から読み取ること

  • X社は、A社の下ではなく、持株会社の下にある。A社・α社と並ぶ「兄弟の会社」です(第7段落の「持株会社の傘下に入り、A社グループ会社となった」)。A社がX社を吸収したのではないので、統合はA社のやり方を押しつけるのではなく、グループ横断の仕組みをつくる話になります(第2問)。
  • 設問の主語「A社グループ」は、この図の全体。4問とも主語は「A社グループ」です。A社だけ、X社だけの答案にならないよう、この図の4つの箱を思い浮かべながら書きます。
  • α社は、図の中ではEC(取引先業者向け)だけを担う。第3問の育成の場(ECのデータ・テスト販売)や、第4問の都市部の取引先への提案の経路として、α社をどう使うかが答案の差になります(第6段落・第11段落)。
  • 長女はA社の常務とX社の新社長を兼ねているが、組織図には人は描かれていません。兼務は第6段落に書かれています。図にない情報は、本文から補って読みます。

ここで引っかかる

  • X社をA社の子会社として書く。図の線は持株会社から3社に分かれています。「A社がX社を指導する」という書き方は、図の関係とずれます。
  • 組織図を「組織構造の設問」のヒントだと思い込む。今年は組織構造(機能別・事業部制など)を直接問う設問はありません。組織図は、主語の範囲と、会社どうしの関係を確かめるために使います。

05第1問(20点・60字×2):買収前の課題

1設問文の読み方

設問文(問題用紙より)

X社を買収するに至った背景にあるA社グループの課題を、(a)内部環境と(b)外部環境の観点から、それぞれ60字以内で記述せよ。

「X社を買収するに至った背景にあるA社グループの課題」を、(a)内部環境と(b)外部環境に分けて書く問題です。ポイントは3つあります。時点が「買収する前」であること、聞かれているのが強み・弱みではなく「課題」であること、そして内と外を分けることです。

2根拠になる段落

第2段落第3段落第5段落

  • 第2段落:卸売は薄利、原材料費・包材費・物流費の上昇、売れ筋が小容量品・贈答兼日常使いへ、消費者はパッケージ・ストーリー・使い方提案まで見る、本格的な製造機能がなく商品の土台を外部に依存(業態の限界)
  • 第3段落:社長の「伸びる事業をつくらなければ存続は不可能」
  • 第5段落:グループ側の醸造・発酵の知見の少なさ(内部の弱みとして使う書き方もある)

3受験生が引っかかりやすい点

ここで引っかかる

  • 強み・弱みを並べて終わる。令和4〜7年度の第1問は強み・弱み(SWOT)だったので、手が慣れている人ほど「弱み」を書いてしまいます。今年は「課題」なので、文末を「〜すること」「〜の確立」の形にする必要があります。
  • 原材料費の上昇を(a)内部に入れる。第2段落では「薄利」(内部)と「原材料費などの上昇」(外部)が同じ文の近くに書かれています。続けて読むと混ざりやすいので、1文ずつ内か外かを分けてから拾います。
  • 買収後の話を入れる。第8段落以降の統合や育成の話は、時点がずれます。第6段落までで止めることが大事です。

4想定知識(与件文の外から入れる言葉)

・経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報) ・バリューチェーン(製造機能の有無) ・内部環境と外部環境の切り分け(SWOT) ・垂直統合(製造機能の取り込み)

5解答の組み立て

まず第6段落の終わりに線を引き、そこから先は使わないと決めます。次に第2段落を1文ずつ読み、内部の話か外部の話かを仕分けます。仕分けたら、それぞれの文末を「〜すること」の課題の形にそろえます。最後に、(a)と(b)がどちらも「なぜ製造機能を持つX社を買う必要があったのか」の説明になっているかを確かめると、時点と設問の要求からずれません。

6過去問ではどう出たか

時点を指定して、その時点のA社を分析させる第1問は、令和4年度(法人化する以前の強みと弱み)、令和5年度(統合前の強みと弱み)、令和6年度(2000年当時の強みと弱み)、令和7年度(新規事業に進出した際のSWOT)と続き、今年で5年連続です。今年は、その中身が「強み・弱み」から「課題(内部・外部)」に変わりました。外部環境を問う形は、平成22年度(事業の継続を難しくした環境の変化)や平成24年度(海外進出を促す外部環境の変化)にもあります。

模範解答例(第1弾)

第1問 (a)内部環境(58字/60字以内)

主力の卸売は薄利で、本格的な製造機能を持たず、自社が扱う商品の土台を外部に依存せざるを得ない業態の限界を越えること。

第1問 (b)外部環境(59字/60字以内)

原材料費・包材費・物流費の上昇や、売れ筋の小容量品や贈答兼日常使いの商品への移行、パッケージ・ストーリー重視への対応。

使った段落:第2段落

コメント:第2段落の言葉だけで組み立てています。(a)は薄利と、製造機能を持たない業態の限界、(b)はコストの上昇と、売れ筋・評価の変化です。知識の言葉を足すなら、(a)を「経営資源」「バリューチェーン」で言い換える形があります。

06第2問(30点・150字):業務プロセスを整えた理由

1設問文の読み方

設問文(問題用紙より)

X社の買収後、A社グループがグループ全体で業務プロセスの整備を進めてきた理由はどこにあるのか。A社グループの組織運営の観点から、150字以内で記述せよ。

買収後に、グループ全体で業務プロセスの整備を進めてきた「理由」を、「組織運営の観点から」説明する問題です。聞かれているのは理由であって、効果やこれからの施策ではありません。

2根拠になる段落

第9段落第8段落第4段落

  • 第9段落:技術は残し、受発注・在庫・製造日報・ロット管理のデータはグループで共有。顧客接点にX社の商品をのせる以上、売上予測から品質情報までの横断の連携が不可欠。「単なるツール導入ではなく、組織統合を支える土台」。欠品・出荷漏れの減少、属人的な業務の可視化
  • 第8段落:「新社長に醤油づくりが分かるのか」「X社は数字で管理できず変化が遅い」という、お互いへの不信
  • 第4段落:X社の受注は電話・メール、管理は表計算で、多品種小ロットに対応できない体制

3受験生が引っかかりやすい点

ここで引っかかる

  • IT化・効率化の効果だけを書く。第9段落の後半には「欠品と出荷漏れが減少」という分かりやすい成果があり、ここに引っぱられます。しかし同じ段落に「単なるツール導入ではなく」とわざわざ書かれています。効率化だけで150字を埋めると、与件が否定している答えになります。
  • X社の中の話に閉じる。主語は「A社グループ」で、整備は「グループ全体で」です。X社の現場改善の話だけにすると、設問の範囲から外れます。
  • 第8段落を使わない。「組織運営の観点」の材料は、第9段落よりも第8段落(お互いへの不信)にあります。ここを落とすと、理由が技術的な話だけになります。

4想定知識(与件文の外から入れる言葉)

・PMI(買収後の統合) ・情報の共有化 ・業務の標準化・可視化 ・組織文化の融合 ・部門間の調整

5解答の組み立て

第9段落から「なぜ必要だったか」を書いた文だけを抜き出し、成果(欠品・出荷漏れの減少)は理由を裏づける材料として後ろに回します。そのうえで、第8段落の不信の話を「組織運営」の理由として1つ加えます。理由は3つ程度に分け、文末は「〜ため」でそろえます。書き終えたら、最後の一文が効率化ではなく組織統合の言葉で終わっているかを確かめます。

6過去問ではどう出たか

買収した会社で情報システム化を進める話は、令和2年度の第2問(情報システム化を進めた手順)にもありました。買収・統合後の組織の統合そのものは、令和5年度の第4問の設問1(組織の統合をどのように進めるべきか)で問われています。令和2年度は「手順」、令和5年度は「進め方」、今年は「理由」と、同じテーマでも問い方が違います。設問の文末(理由・手順・進め方)に合わせて答えの形を変えることが大切です。

模範解答例(第1弾)

第2問(149字/150字以内)

理由は、①A社の卸売販路とα社のECからなる顧客接点にX社の商品をのせる以上、売上予測から品質情報までをグループ横断で連携させるため、②受発注や在庫、製造日報、ロット管理のデータを効率的に収集・共有し、欠品と出荷漏れを減らし属人的な業務を可視化するため、③グループの組織統合を支える土台とするため。

使った段落:第9段落

コメント:第9段落の言葉をそのまま並べています。第8段落のお互いへの不信(組織運営の観点)は入れていないので、知識の言葉を足すなら、③を「PMI」「組織文化の融合」で書く形が考えられます。

07第3問(20点・100字):X社従業員の育成

1設問文の読み方

設問文(問題用紙より)

A社グループは、消費者の動向を意識したビジネスに必要とされるスキルを持った人材として、X社の従業員をどのように育成すべきと考えられるか。助言内容を100字以内で記述せよ。

「消費者の動向を意識したビジネスに必要とされるスキルを持った人材として、X社の従業員をどのように育成すべきか」という助言問題です。育てる相手と、身につけさせたい力の両方が、設問文で決められています。

2根拠になる段落

第10段落第2段落第6段落第8段落

  • 第10段落:X社の従業員は製造技術に誇りを持つ一方、自社商品が消費者にどう選ばれ、使われているかに触れる機会が少ない。A社の企画・営業担当もX社の醸造現場や発酵技術への理解が乏しい
  • 第2段落:消費者は味だけでなく、パッケージ・ストーリー・使い方提案まで含めて評価する(「消費者の動向」の中身)
  • 第6段落・第8段落:α社のテスト販売の機能、月1回の合同ミーティング(育成の場として使える資源)

3受験生が引っかかりやすい点

ここで引っかかる

  • 第10段落の前半に引っぱられる。第10段落は、役割が明文化されていない、評価基準が曖昧、技能伝承が十分でない、という話から始まります。ここから「評価制度を整える」「職務分掌を明確にする」と書くと、設問の「消費者の動向を意識したスキル」から離れていきます。
  • 育てる相手を取り違える。同じ段落にA社の企画・営業担当の課題も書かれています。A社側の育成を中心に書くと、相手が違ってしまいます。A社の担当者は、X社の従業員と「一緒に学ぶ相手」として使うのが自然です。
  • 技能伝承だけで終わる。高齢社員から若手への技能伝承は大事ですが、それは製造の力で、今回求められている「消費者の動向」の力ではありません。

4想定知識(与件文の外から入れる言葉)

・OJT・Off-JT ・ジョブローテーション ・顧客志向(マーケティング・コンセプト) ・組織学習

5解答の組み立て

第10段落の中で、設問の「消費者の動向」に関わる文だけに印を付け、役割・評価・技能伝承の文はいったん脇に置きます。次に、育成の場として使えるグループの資源(第6段落・第8段落)を探し、「誰と・何を通じて・どんな力を」の順に並べます。100字しかないので、施策は2つまでにして、最後は効果で結ぶのがコツです。

6過去問ではどう出たか

「どんな能力を身につけさせるか」を問う形は、令和2年度の第3問(営業担当者に求めた能力)や、平成24年度の第4問(海外に送る人材に期待する役割と能力開発)にもありました。どちらも、事業の変化に合わせて「今までと違う力」を育てる話で、今年の「製造の誇りを持つ従業員に、消費者を見る力を」という構図と重なります。

模範解答例(第1弾)

第3問(100字/100字以内)

X社従業員が、自社商品が消費者にどう選ばれ、使われているかに触れる機会を設け、α社のECのテスト販売や月1回の合同ミーティングを通じ、A社の企画・営業担当者とともにグループとしての商品提案力を高める。

使った段落:第2段落第6段落第8段落第10段落

コメント:第10段落の「消費者にどう選ばれ、使われているかに触れる機会」を出発点に、第6段落のテスト販売と第8段落の合同ミーティングを育成の場にしています。知識の言葉を足すなら「OJT」「ジョブローテーション」です。

08第4問(30点・150字):グループの成長戦略

1設問文の読み方

設問文(問題用紙より)

A社グループは、地域卸売企業から脱皮するため、X社を生かしたグループ全体の成長戦略をどのようなものにすれば良いと考えられるか。助言内容を150字以内で記述せよ。

「地域卸売企業から脱皮するため」「X社を生かした」「グループ全体の」成長戦略を助言する問題です。条件が3つ重なっているうえに、与件の側にも守らなければならない制約が書かれています。

2根拠になる段落

第11段落第12段落第6段落第1段落

  • 第11段落:小容量の卓上瓶をα社経由で都市部の取引先に提案して好評、海外の発酵食品の需要と木桶熟成への関心、英語表示・アレルゲン表記・安定供給体制の必要、A社の加工食品にX社の醤油を取り込める可能性、そして「定番品が売上の土台、急な拡大や再編は工場の稼働も雇用も揺るがす」
  • 第12段落:「地域卸売企業からメーカー機能を内包する価値創造企業へ脱皮できるかの分岐点」(目指す姿)
  • 第6段落:グループの販路・ECのノウハウ・テスト販売と、X社の発酵技術・製造機能の組み合わせ
  • 第1段落:社長の「地域の雇用を守ることは商売人の責任である」(第11段落の制約と同じ方向)

3受験生が引っかかりやすい点

ここで引っかかる

  • 手がかりを全部入れて、浅くなる。第11段落には、卓上瓶・海外・加工食品と、使えそうな材料が並んでいます。全部を150字に詰めると、どれも一言ずつの列挙になります。
  • 制約を落とす。同じ第11段落の後半に「既存事業を守りつつ」と書かれています。攻めの話だけで終わると、与件が出している条件に答えていないことになります。第1段落の「雇用を守る」とつなげて読めるかどうかが分かれ目です。
  • X社単体の戦略にする。主語は「グループ全体」です。X社の商品をどう売るかだけでなく、A社の販路・α社のECとどう組み合わせるかまで書く必要があります。

4想定知識(与件文の外から入れる言葉)

・成長ベクトル(市場開発・製品開発) ・シナジー(範囲の経済) ・差別化・ブランド ・経営資源の段階的な投入(リスクの分散)

5解答の組み立て

「誰に・何を・どのように」で方向を2〜3つに整理し、最後に体制(表示や供給体制の整備、既存事業を守りながら段階的に)と、目指す姿(第12段落の価値創造企業への転換)を置きます。材料が多い設問なので、市場の広げ方(都市部・海外)か、商品の広げ方(小容量品・加工食品)のどちらかに軸を決めてから書くと、まとまりやすくなります。

6過去問ではどう出たか

買収・統合のあとの成長の方向を問う形は、令和5年度の第4問の設問2(競争戦略・成長戦略の観点からの事業展開)とよく似ています。事業の広げ方そのものは、平成22年度の第4問(食品原材料以外への事業拡大の可否)や、令和3年度の第3問(事業ドメインの拡大の利点と欠点)でも問われました。令和5年度は第4問が80字と100字の2つの小問に分かれていましたが、今年は150字の1問です。書ける量が増えた分、条件と制約をどこまで拾えたかで差がつきます。

模範解答例(第1弾)

第4問(150字/150字以内)

X社の醤油を小容量の卓上瓶にしてα社経由で都市部の取引先に提案し、英語表示、アレルゲン表記、安定供給体制を整備して木桶熟成を海外に訴求し、A社の自社加工食品に本格醤油を取り込み卸先への提案力を高める。既存事業を守りつつ、A社・X社双方の強みやα社を組み合わせ、地域卸売企業から価値創造企業へ脱皮する。

使った段落:第11段落第12段落

コメント:第11段落の手がかり(卓上瓶・海外・加工食品)と制約(既存事業を守りつつ)、第12段落の目指す姿で組み立てています。知識の言葉を足すなら「市場開発」「製品開発」「シナジー」です。

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▶ 令和8年度 事例Ⅰ 解答速報解説

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この記事は、試験の直後にまとめた速報です。再現答案がある程度集まった段階で、第2弾として、集まった答案のデータと各社の解答も踏まえた、設問ごとの詳しい分析(どこで点が分かれたか、ヤマ当てとの差)を、記事と動画でお届けします。

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▼ 令和8年度 2次試験 速報解説(総評と、事例Ⅰ〜Ⅳの解答例)の記事一覧

・【令和8年度 中小企業診断士2次試験】総評と難易度|4事例とも第1問が変わり、書く量が増えた年

・令和8年度 事例Ⅰ(組織・人事)解答例と解説【速報】(本記事)

・令和8年度 事例Ⅱ(マーケティング・流通)解答例と解説【速報】(公開予定)

・令和8年度 事例Ⅲ(生産・技術)解答例と解説【速報】(公開予定)

・令和8年度 事例Ⅳ(財務・会計)解答例と解説【速報】(公開予定)

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・【令和8年度2次試験】再現答案採点サービスのご案内

・【令和8年度2次試験】各社が出す解答速報・解答解説と再現答案サービスまとめ|日程・費用・返却時期

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中小企業診断士2次試験 再現答案 解体新書~令和4年度中小企業診断士2次試験編~

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中小企業診断士2次試験完全合格への道!~令和3年度中小企業診断士2次試験編~

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中小企業診断士しんちゃんねる

令和8年度 ヤマ当て!

【中小企業診断士2次試験】総合 ヤマ当て!|4事例の本命・対抗・大穴を一気に振り返る(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅰ ヤマ当て!|本命は人的資源管理、業種は製造業(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅱ ヤマ当て!|本命は第4問のオンライン×顧客接点(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅲ ヤマ当て!|本命は能力向上と工程管理、業種は金属・機械系(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅳ ヤマ当て!|本命はCVPとセールスミックス、大穴は簿記1級レベル(令和8年度)

聞き流し(耳だけで確認)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅰ 聞き流し|本番直前の知識を、問いと答えで確認(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅱ 聞き流し|本番直前の知識を、問いと答えで確認(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅲ 聞き流し|本番直前の知識を、問いと答えで確認(令和8年度)

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅳ 聞き流し|本番直前の知識を、問いと答えで確認(令和8年度)

直前期の動画

【中小企業診断士2次試験】事例Ⅳ ヤマ当て!アンコール|受験生みおと解く、ディシジョンツリーが出たら(令和8年度)

【5年目合格者に聞く】第5回 前日と当日、本番の80分と結果|令和8年度 中小企業診断士2次試験

【令和8年度 中小企業診断士2次試験】最後の応援|本番は今週末、直前に伝えたいこと

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