おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅰ 加点はどこがされているのか?」です。
- 前回の記事に追加
- 皆できた?顧客ニーズの収集は第3問
- 大定番モラール向上・戦略プラス人的資源管理の第4問
- 組織の説明と機能別組織のメリットが書けたかの第5問
- 得点開示とふぞろい採点の結果から何が見えて来たか
- 番外:結局96点はこの動画の方
- 問題に対応した書籍紹介
- 本日のまとめ
まずは令和1年度 事例Ⅰの記事からです。
「令和1年度 事例Ⅰ 変化に対応してゆでガエル脱却」
「令和1年度 事例Ⅰ 時代の変化に取り残された古参社員たち」
「令和1年度 事例Ⅰ 与件文、下から見るか?横から見るか?」
「令和1年度 事例Ⅰ 60点の壁」
「令和1年度 事例Ⅰ 仲間からの協力で禁断の採点」
令和1年度試験のネタ長いです。
前回の記事に追加
前回に引き続き令和1年度事例Ⅰの再現答案の採点をしていきます。
前回は第1問と第2問を採点し、本日は第3問から。
果たして分析した結果、何が見えてくるのでしょうか。
前回の記事を構成し加点部分を赤字にしてどの部分に何点かを追記しましたので、
改めて前回の記事をみてみてください。
皆できた?顧客ニーズの収集は第3問
今回も引き続きふぞろいを使った採点で比較していきます。
※設問、【出題の趣旨】、ふぞろい採点、再現答案、コメント
第3問
A 社は、<新規事業のアイデア>を収集する目的で『HP』 を立ち上げ、試験乾燥のサービスを展開することによって市場開拓に成功した。/自社製品やサービスの宣伝効果「など」HP に期待する目的・機能とは異なる点に焦点を当てたと考えられる。/その成功の背景にどのような要因があったか。100 字以内で答えよ。
【出題の趣旨】
市場動向とホームページなどを活用した情報戦略の関連性について、理解力を問う問題である。
Hさん:第3問再現答案 ふぞろい採点:16点
乾燥技術に対する潜在ニーズを収集④・顕在化でき、営業部隊のプレゼンテーションの成功④もあり様々な市場との結びつきができた④結果、有望なターゲット市場を的確に絞り②、効果的な機器開発・販売チャネル構築②を実現した事。
キーワードをうまく入れてポイントゲット。
Nさん:第3問再現答案 ふぞろい採点:18点
要因は、高い危機感を持ち潜在市場の見えない顧客④に用途を問う方法②でニーズを収集④し、A社ではアプローチできなかった様々な市場との結びつきができた事④と、営業部隊の販売能力や志気を向上させたこと④である。
ほぼ満点解答。お見事です。
Zさん:第3問再現答案 ふぞろい採点:16点
要因は、潜在市場の見えない顧客④に対して試験乾燥を行い、ニーズの収集④や、要望への対応で顧客満足度を高め、アプローチできなかった市場④との販売チャネルの構築②、ターゲット市場を絞りこめた②こと。
こちらもキーワードをうまく盛り込んでまとめてます。
shinblog:第3問再現答案 ふぞろい採点:10点
ターゲット市場を絞ることができない中さまざまな市場との結びつき④により、事業領域を絞り込み②、効率性を高め競争優位性獲得したこと。特定顧客との継続的な取引でニーズ収集④し製品改良し価値提供の仕組み構築した為。
ある程度は与件を抜き、半分は経営戦略用語。
ベスト解答はNさんの18点解答でした。
与件文のキーワードを複数拾い上げて上手くまとめあげると高得点。
販売チャネルの構築、ターゲット市場の絞り込みと与件にありました。
他の問題との重複してキーワードを入れても問題なしですね。
顧客ニーズの収集はみな知識想定で解答。
大定番モラール向上・戦略プラス人的資源管理の第4問
第4問
<新経営陣>が事業領域を明確にした結果、/古い営業体質を引きずっていた<A 社の営業社員>が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。/その要因として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
【出題の趣旨】
新規事業の営業力強化にとって必要な意識改革を実践する経営施策につ いて 、理解力・分析力を問う問題である。
Hさん:第4問再現答案 ふぞろい採点:13点
社長が率先して①改革の必要性を説明する事で、、従業員に切迫感、リストラの辛さ①が伝わり社内が活性化②した。自社のコアテクノロジーの明確化③により全社一体感②・モラールが向上④、従業員一人一人の改善意識が高まった事。
モラール。成果主義と若返りが抜けており、点数が伸びず。
Nさん:第4問再現答案 ふぞろい採点:17点
要因は、自社のコアテクノロジーを明確に位置づけ③、それを社員と共有し、新規事業の体制を強化した②事である。また、成果に応じた賞与支払いを導入④しモラールを向上④させ、社員の若返り②を図り組織を活性化②した事である。
モラール。要素が多く入ってます。
Zさん:第4問再現答案 ふぞろい採点:18点
要因は定年間近の社員を人員削減③し、従業員年齢が若返り②、新規事業への取り組み意欲の増加②、また、コアテクノロジーを定め③、共有し、社員の目標が定まりモラール向上④、成果給④で社員の動機づけ向上。
モラール。要素細かく多く入ってます。
shinblog:第4問再現答案 ふぞろい採点:13点
従業員の年齢が10歳程度も下がり若返り②し、コストカット①した部分を成果に応じて支払う賞与制度④が設計されモチベーション向上④した。営業部隊に権限委譲し、迅速な情報フィードバック得て柔軟迅速な対応で組織活性化②。
モチベーション。さすがに断トツビリを走る私でもそれなりに取れてます。
この問題を取れなかったら終わりでしたね。
ベスト解答はZさんの18点解答でした。
人的資源管理と戦略の方向性の両方書けていると満点に近い。
モラール・モチベはマストアイテム。
組織の説明と機能別組織のメリットが書けたかの第5問
第5問
A 社長は、「今回」、組織再編を<経営コンサルタント>の助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
【出題の趣旨】
組織再編を実施する際の条件に関する分析力を問う問題である
Hさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:6点
A社の現状はリストラによるベテラン従業員の削減により創業時ノウハウが多く失われ①ている状況である。よって、機能別組織を維持し、専門性・規模の経済発揮により効率性向上⑤の方が目下優先すべき課題と考えた為。
これは加点要素が少なく点数が伸びず。
Nさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:6点
見送った要因は、全国7地域の営業拠点を管理する中間管理職や、事業部門制における各部門を統括したり、各部門に目配りができる経営幹部層⑤などの人材が育成されていない①事である。
珍しく要素が少なく、1つの論点のみの言及に留まってます。
もしかすると最後に解いて時間がなかったと予測。
Zさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:15点
理由は、新体制構築が間もなく⑤、社員の幹部教育等が不十分で組織変更等で命令系統の錯綜①、モラール低下③の可能性があり、現在の若手経営者がトップ②に立ち迅速な命令⑤で素早い対応が可能で、事業拡大に有効なため。
論理的な解答で方向性もあってます。
shinblog:第5問再現答案 ふぞろい採点:12点
経営資源が分散されず組織的な対応ができている②こと。機能別組織で営業を副社長が開発と製造を専務が統括し全体を社長が統括⑤し、各機能に集中し効率的⑤で経営資源の多重利用、全社的な情報共有がされ後進育成できた為。
最後の後進育成できたは明らかに反対のことを言っているが、加点方式は影響せず。
ベスト解答はZさんの15点解答でした。
理由の解答になっているか。
機能別組織のメリットを入れたかどうかで点数に開きが出ている問題。
得点開示とふぞろい採点の結果から何が見えて来たか
得点開示とふぞろい採点をした結果です。
Hさん:得点開示62点、ふぞろい採点56点
第1問2点、第2問19点、第3問16点、第4問13点、第5問6点
8点の差があります。
恐らく第1問と第5問で加点されていると想定します。
どこで加点されたのかは解答をみてみましょう。
Nさん:得点開示65点、ふぞろい採点66点
第1問13点、第2問12点、第3問18点、第4問17点、第5問6点
第1問から第4問まで外してないです。
もし第5問が高得点だった場合には、70点以上の答案でした。
時間切れだったのでしょうか。
Zさん:得点開示67点、ふぞろい採点70点
第1問14点、第2問7点、第3問16点、第4問18点、第5問15点
基本的に一番安定しておりました。
得点のブレもないです。
shinblog:得点開示60点、ふぞろい採点46点
第1問1点、第2問10点、第3問10点、第4問13点、第5問12点
得点差が14点。開きがあります。
第1問と第3問~第5問にかけて1要素づつ加点されていたと推測できます。
経営用語、知識想定で加点されていることは間違えないです。
いかがでしょうか。
ふぞろいの有益な使い方分かりましたでしょうか。
ふぞろいな再現答案風で登場人物4名を追加したような記事でした。
ふぞろいの解答だけでは満足できない人はこのブログの様に
再現答案と得点開示を掲載しているサイトを確認して採点すれば、加点要素が見えてくると思います。
どんどん採点しちゃっていんですか?
いんです。
採点すれば加点要素が見えてくる
番外:結局96点はこの動画の方
96点は絶対的な競争優位の神の領域です。
解答もYoutubeのリンクに貼ってあります。
勝手に「ふぞさい」(ふぞろい採点のこと)しました。
80点ぐらいです。
96点はもしかすると全体的な文章の好みで加点?
問題に対応した書籍紹介
令和1年度(2019年度)の解答解説が掲載されている書籍です。
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試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
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本日のまとめ
- 第3問は、与件文のキーワードを複数拾い上げて上手くまとめあげると高得点。「顧客ニーズの収集」は知識想定・定番の論点。
-
第4問は、人的資源管理と戦略の方向性の両方書けていると満点に近い。
モラール・モチベーションはマストアイテム。
-
第5問は、機能別組織のメリットを入れたかどうかで開きが出ている問題。
-
再現答案と得点開示を掲載しているサイトを確認して採点すれば、加点要素が見えてくる。
2次筆記試験まであと87日。
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