おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅲ 採点基準は標準化・マニュアル化はされてなかった」です。
- 昨日は遅くまでお疲れ様でした。
- 標準化、教育、レイアウト最適化と社長の方針に従う、第3問の設問1
- 複数段落に根拠はあるが、生産管理を語るのは毎年同じ、第3問の設問2
- 得点開示とふぞろい採点の結果から何が見えて来たか
- 問題に対応した書籍紹介
- 本日のまとめ
まずは令和1年度 事例Ⅲの過去記事です。
「令和1年度 事例Ⅲ 炎上せず。問われ方は違えど設問はオーソドックス」
「令和1年度 事例Ⅲ 夏休みのご計画はいかがですか?計画と統制です。」
「令和1年度 事例Ⅲ 新しい傾向。社長の方針には当然応える」
「令和1年度 事例Ⅲ B評価の謎は果たして?」
「令和1年度 事例Ⅲ 不完全なリンゴ答案たち」は下記です。
令和1年度試験のネタは事例Ⅲも長編もので更に続きます。
昨日は遅くまでお疲れ様でした。
三連休明けのお仕事はいかがでしたか?
お盆休みの影響で東京は電車が空いてましたね。
電車には学生が見当たらなかったので学校は休みに入りましたね。
この猛暑の夏・お盆にも関わらずお陰様で毎日忙しくしております。
昨日は久々に帰宅も遅くなりました。昨日途中まで書いていたブログの仕上げに入ります。
もしこんな遅い時間の帰宅の時も受験生時代にもありました。
正直勉強したいストレスでブチ切れ。
勉強する時間が作れない。1日無駄にしていまったという罪悪感に否まれます。
しかしながら、時間の使い方を誤ってしまったことは振り返ってしまえば言い訳にしかならない。全てのことに注力することは不可能なので、優先順位付けて、最小の時間で成果を最大にする。
ちょうど私は「エッセンシャル思考」という書籍を読みました。
アメリカの起業家たちや成功者達の思考をまとめた書籍です。
かなり読みやすく飛ばして読めば1~2時間少々で読めると思います。
受験生はなかなか読書はできないと思いますので、要点だけまとめます。
全方位型でやることをどんどん増やしてしまい、周りにいい顔を見せたいいった生き方を非エッセンシャル思考といいます。
一応、エッセンシャル思考とはやるべきこと選択する、捨てる技術があり、重要なことだけがやれる人の思考です。成功者はエッセンシャル思考。
まさに試験でいれば短期合格者、要領が良い人です。
時間とはトレードオフであること。
自分でやることを選ぶ。
逆プロトタイプ。今やっていることを試験的にやめてみて本当に必要なものだけを残す。
仕事を減らす。目指すものをきめて、ボトルネットを特定する、邪魔なものを取り除く。
生産管理理論みたいです。
本当に重要なもの以外は捨ててしまってよい。
時間がないときはエッセンシャル思考でやらないことを決める。
書籍紹介で1記事になりそうになったので本題に戻します。
標準化、教育、レイアウト最適化と社長の方針に従う、第3問の設問1
今回は残りの生産系の問題を2問を再現答案を元に比較分析していき、最後に全体総括していきますす。
※設問、【出題の趣旨】、ふぞろい採点、再現答案、コメント
第3問(配点40 点)
<X 社>から求められている新規受託生産の実現に向けたC 社の対応について、以下
の設問に答えよ。
(設問1 )
C 社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のた
めの新工場の在り方について120 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
C 社社長の方針に基づいた新規受託生産のための新工場の在り方について、助言する能力を問う問題である。
Hさん:第3問設問1再現答案 ふぞろい採点:8点
設備間の仕掛品の運搬距離が最短になるようにレイアウトを設計③する。仕掛品が多く発生する工程間には置き場スペースを設定し、5Sを意識する。加工・運搬について極力自動化が可能な新規設備を導入②する。以上から一人当たりの生産性を高めた③量産加工を実現。
→ 5Sや置き場スペースの説明が加点されているようには感じますが、採点基準外だった可能性が高いです。標準化が漏れてました。
Nさん:第3問設問1再現答案 ふぞろい採点:14点
新工場は、①作業標準化④を進め、作業者のスキルに頼らず加工品質が維持できる事、②自動車部品以外①の量産にも対応できる事、③作業設計、レイアウト設計などの生産工程や設備の最適化③による高い生産性③を持つ事、④作業方法の教育③により作業者のスキル向上が図られている事、が必要である。
→やはり作業標準化。レイアウト設計も指摘して、教育も入れています。
さらなる加点はプラスアルファの要素をどれだけ入れられたか。
Zさん:第3問設問1再現答案 ふぞろい採点:14点
X 社向け以外の量産の機械加工ができるように作業を標準化マニュアル化④し教育を行い③平準化と機能向上し多能工化②にて汎用機械加工機を導入②し作業設計工程レイアウトを考え工程計画をたて③量産体制の構築を行う。
→まずは鉄板の標準化マニュアル化です。そして、教育。この問題はレイアウトも指摘。加えて、「多能化」のキーワードが入れられています。
shinblog:第3問設問1再現答案 ふぞろい採点:14点
熱処理の資格者のベテラン作業員や機械可能も汎用機加工機の扱いに慣れた作業員の個人技能による品質を作業標準化④して教育する③。X社向け自動車部品以外も量産できるように、熱処理工業と機械加工工業を一体にして①作業設計・工程レイアウトを最適化③し生産性向上③。
→出ました。第4問に続き伝家の宝刀「生産性の向上」
どこでもよいので生産性向上を入れること。
ベスト解答はNさんZさんとsihblogの14点解答でした。
→第13段落の4つの社長の方針をそもまま実施すると解答すればある程度の得点が獲得できた問題。作業標準化、工程レイアウト。作業方法の教育。生産性の向上
社長の方針を素直にそのままで解答すればよかったんです。
複数段落に根拠はあるが、生産管理を語るのは毎年同じ、第3問の設問2
第3問(設問2 )
<X 社>と<C 社>間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるた
めに、これまで受注ロット生産体制であったC 社では生産管理上どのような検討
が必要なのか、140 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
(設問 2)
X 社と C 社間で後工程引取方式の構築と運用を進めるために、C 社で必要な生産管理上の検討内容について、助言する能力を問う問題である。
Hさん:第3問設問2再現答案 ふぞろい採点:4点
受注小ロット生産と見込生産の混在生産管理体制の構築が必要。よって、X社自動車部品の加工工程に限定した生産計画をまず立案し、その余力の範囲で従来の生産計画立案と差分方法の運用とする。材料は都度発注を改め④、在庫を考慮した定期発注方式とし、適正な在庫水準を維持する。
→受注生産と見込み生産の混在。生産計画の差分方式。定期発注方式。と生産管理の用語を入れて解答はしているものの、採点ワードではないため点数が入らず。
Nさん:第3問設問2再現答案 ふぞろい採点:10点
見込生産の実施にあたり、①需要見通しを精緻に実施できるようにすること、②3日前通知の確定納期を守る為①、進捗管理、余力管理、部材の現品管理④と製品在庫管理を強化すること、③小ロット生産対応力を確保すること、④熱処理と機械加工の一貫生産計画を立案すること⑤、などの検討が必要である。
→多少オーソドックスな表現ではないですが、キーワードを加点しております。
Zさん:第3問設問2再現答案 ふぞろい採点:8点
X 社からの3か月前の内示にて生産計画を立て 1 月ごとの見直し②を考慮し生産計画の確立を行う。また材料調達を計画に基づき1月ごとの発注を行い適正な在庫管理を行い③、納期尊守する①。かんばんの運用方法を作業員に教育し JIT の徹底②を行う。
→全社的や生産計画の作成サイクルを短くするといった部分は2点のみの加点とさせて頂きました。
shinblog:第3問設問2再現答案 ふぞろい採点:10点
X社自動車部品の機械加工工程と熱処理工程とその他の加工品を含めた全社的な生産計画⑤を作成し、予め加工順を決める。確定受注情報の外注かんばんの電子データに合せて、計画作成サイクルを短くして③、生産ロットサイズを小さくする。納期管理を徹底①し、材料の調達①は受注分のみの材料在庫と維持する。
→伝家の宝刀を振りかざしましたが、結構外してマス目を消費してます。
生産統制する。生産リードタイムの短縮。このキーワードは無理にでも入れたかった。
与件の説明が長すぎました。
ベスト解答はNさんとshinblogの10点解答でした。
10点が最高点とは結構厳しい状況。
生産計画と生産統制、さらには納期と発注方法の見直しと与件に書かれている論点を端的に指摘して、オーソドックスなキーワードを入れていれば論点を詰め込むできて加点されてました。
得点開示とふぞろい採点の結果から何が見えて来たか
得点開示とふぞろい採点をした結果のまとめです。
Hさん:得点開示50点、ふぞろい採点50点
第1問16点、第2問14点、第3問(設問1)8点、第3問(設問2)4点、第4問8点
ビンゴです。第1・2問は調子が良かったのですが、第3問で加点される部分が少なく、厳しい結果になりました。やはり事例Ⅲの肝は生産管理と生産現場の問題です。
Nさん:得点開示64点、ふぞろい採点35点もしくは59点
第1問14点、第2問0(12)点、第3問(設問1)11点、第3問(設問2)10、第4問0(12点)
本人に怒られそうな採点をしてしまいました。
ふぞろいのキーワード採点では、測定することが出来ない合格答案です。
各設問に加点要素はピックアップしました。とはいえ、仮にNさんの答案に書かれていることが加点ワードであれば、他方の点数も変動します。
もしかすると、2パターンの模範解答があり、どっちかに近いかで採点するか、
もしくはNさんの解答の様に採点ワードでは採点出来なかった解答は、別枠で採点をしているのかもしれないというのが感想です。
Zさん:得点開示62点、ふぞろい採点63点
第1問11点、第2問16点、第3問(設問1)14点、第3問(設問2)8点、第4問14点
またまたニアピンのビンゴです。採点レベル上がってきました。
キーワード採点で十分採点できた解答でした。
shinblog:得点開示50点、ふぞろい採点50点
第1問7点、第2問7点、第3問(設問1)14点、第3問(設問2)10点
第4問12
またまたビンゴです。こんなもんでしょうか。多くは語りませんが合格レベルに残念ながら届きませんでした。
いかがでしたでしょうか。
事例Ⅲの採点もキーワード採点で通用するかと思いましたが、25%確率で通用しませんでした。一方で75%の確率では一応通用しているというか、くしくも得点開示通りの点数になりました。
有効性はあるものの、実際の採点ではもっと深いところで、検討しているように思えます。1人で採点しているとは思えないので見方が違うようか。
ふぞろいのキーワード詰め込み解答で、合格点を取ることはできることは既に証明されていると思います。
しかしながら、事例問題を深く理解して別の切り口で解答しても、合格出来るということ。
キーワード採点で標準化された解答は合格。
標準化されていない解答でも、文章がわかりやすく論理的で、複数の要素が盛り込まれた診断士として提案型の文章が出来ていれば合格答案にはなる。
やりやすいのはキーワードの詰め込み解答。
難易度が高いのは思考した上での緻密な解答。
結論:事例Ⅲは慣れてしまえが一番安定するとは言われるもののやはり難解な事例。
標準化とマニュアル化
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ふぞろいだけじゃ物足りない方用。
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本日のまとめ
-
時間がないときはエッセンシャル思考でやらないことを決める。
- 第3問設問1:作業標準化、工程レイアウト。作業方法の教育。生産性の向上
社長の方針を素直にそのままで解答すればよかった。
- 第3問設問2 :生産計画と生産統制、納期と発注方法の見直しと与件に書かれている論点を端的に指摘して、オーソドックスなキーワードを入れていれば論点を詰め込むできて加点された。
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キーワード採点で標準化された解答は合格。
標準化されていない解答でも、文章がわかりやすく論理的で、複数の要素が盛り込まれた診断士として提案型の文章が出来ていれば合格答案にはなる。
-
結論:事例Ⅲは慣れてしまえば一番安定するとはいうもののやはり難解な事例。
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