おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「 令和1年度 事例Ⅲ 不完全燃焼で終わらないための準備」です。
まずは令和1年度 事例Ⅱの再現答案の記事からです。
「令和1年度 事例Ⅲ B評価の謎は果たして?」
「令和1年度 事例Ⅲ 不完全なリンゴ答案たち」
「令和1年度 事例Ⅲ 採点基準は標準化・マニュアル化されてなかった」
「令和1年度 事例Ⅲ好きになって、情報共有して、得点獲得能力の向上」
は下記です。
令和1年度の事例Ⅲは今回が最終。
さっそく前回は令和1年度 事例Ⅲの第1・2・4問の戦略系問題。
本日は生産系問題の第3問と全体総括に参ります。
社長の方針まんまやん、第3問(設問1)
今回は残りの生産系の問題を2問を再現答案を元に比較分析していって、
最後に全体総括していきますす。
※設問、【出題の趣旨】、ふぞろい採点、再現答案、コメント
第3問(配点40 点)
<X 社>から求められている新規受託生産の実現に向けたC 社の対応について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
C 社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のた
めの新工場の在り方について120 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
C 社社長の方針に基づいた新規受託生産のための新工場の在り方について、助言する能力を問う問題である。
ふぞろいを使った採点で比較分析していきます。
※設問、【出題の趣旨】、ふぞろい採点、再現答案、コメント
Tさん:第3問(設問1)再現答案
ふぞろい採点:0点
機械加工部門の増強を中心とせず全工程の生産能力を踏まえて設備投資を行う。ボトルネック工程を出さないようにする。
→まずいです。これはもしや時間切れで最後にエイやで知識をブッコんだ解答。
これが現実・・・。日ごろから最後5分の残す勇気。5分の残す訓練が必要です。
Nさん:第3問(設問1)再現答案
ふぞろい採点:7点
新工場は生産性を高める③為、熱処理と機械加工を同一建物内に設置①する。更に、熱処理と機械加工の統合的な生産計画や機械加工の機能別レイアウトの見直し①③を含めて検討チームが中心となって検討すべき。
→鉄板の何でも間でも「生産性向上」の3点。機能別レイアウトの見直しで加点。
生産計画??
これは設問2に解答する内容なので、加点なし。全体的に加点要素が少なく点数が伸びてません。
N'さん:第3問(設問1) 本人の希望により再現答案は非公開
ふぞろい採点:12点
→作業標準化、加工品質、生産性向上、最適な設備投資 が加点。
第13段落の社長の方針にあるキーワードをまとめていれれば加点。
ベスト→ベター解答①:第3問(設問1)再現答案 ふぞろい採点:15点
新工場は、①作業標準化④を進め、作業者のスキルに頼らず加工品質が維持できる①事、②自動車部品以外①の量産にも対応できる事、③作業設計、レイアウト設計などの生産工程や設備の最適化③による高い生産性③を持つ事、④作業方法の教育③により作業者のスキル向上が図られている事、が必要である。
→作業標準化。量産、レイアウト設計も指摘して、教育も入れています。
ベスト解答②:第3問(設問1)再現答案
ふぞろい採点:15点
X 社向け以外の量産の機械加工ができるように①作業を標準化マニュアル化④し教育を行い③平準化と機能向上し多能工化②にて汎用機械加工機を導入②し作業設計工程レイアウトを考え工程計画をたて③量産体制の構築を行う。
→まずは鉄板の標準化マニュアル化です。そして、教育。この問題はレイアウトも指摘。加えて、「多能化」のキーワードが入れられています。
ベスト解答③:第3問(設問1)再現答案
ふぞろい採点:15点
熱処理の資格者のベテラン作業員や機械可能も汎用機加工機の扱いに慣れた作業員の個人技能による品質を作業標準化④して教育する③。X社向け自動車部品以外も量産できる①ように、熱処理工業と機械加工工業を一体にして①作業設計・工程レイアウトを最適化③し生産性向上③。
→「作業標準化」「教育」「量産」「レイアウト最適化」「生産性の向上」
今回は「X社向け自動車部品以外の量産できる」は1点で加点しました。
みんな15点。ベスト解答というよりベター解答です。
ということはこの問題が合否を決める問題。
取れないとやばい問題です。
→第13段落の4つの社長の方針をそのまま実施すると解答すれば、ある程度の得点が獲得できた問題。
1.X社向け自動車部品以外の量産
2.作業標準化
3.作業設計、工程レイアウト、最適な設備の選定
4.作業方法の教育。
加えて、「生産性の向上」
社長の方針を素直にそのままで解答すればおお外しはしなかったんです。
ここで気になるのはこの社長の方針がこの設問と対応したかどうかの判断。
他の問題の解答を確認してきましたが、この社長の方針を入れてしまった、
段落の交通事故はなかったです。
となりますと、この「社長の方針」を初見で見た時に何を感じたかがポイントでは?
と推測します。
今までの事例Ⅲは問題点があって、その裏返しで改善策を書けばよかった。
令和Ⅰ年度の事例Ⅲは問題点の代わりに社長の方針があった。
社長の方針を全てやる。出来る?やったらどうなるか?
いややるしかない。やれるのか。頭の中をぐるぐると巡っていく中で、
混乱して出来そうなのはこれとこれかなって絞ってしまうと点数が低くなります。
ドンドンやってくださいの精神です。
方針は全てやりましょう。
文章の書き方も1.~4.の方針に合わせて書けていればベスト。
ただ、他の段落との整合を取らないといけなく、対応する段落が多いので、現実的には、社長の方針の全ての要素をいれることが出来ていれば十分だと思います。
まあ「マシニングセンタ」は抜けなくても大丈夫でした。
生産計画と生産統制はもはや常識、第3問(設問2)
第3問(設問2 )
<X 社>と<C 社>間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるために、これまで受注ロット生産体制であったC 社では生産管理上どのような検討が必要なのか、140 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
(設問 2)
X 社と C 社間で後工程引取方式の構築と運用を進めるために、C 社で必要な生産管理上の検討内容について、助言する能力を問う問題である。
Tさん:第3問(設問2)再現答案
ふぞろい採点:13点
全工程を通じた全社的生産管理体制を構築⑤する。生産計画や材料調達計画は計画サイクルを短くし③安全在庫を考慮する。生産ロットサイズを小さくすることでデータ交換を行いやすくすることで納期の短い注文に対応①し、余力管理を行い④応援体制を構築する。
→「生産管理上」の問題。
全社的生産管理体制、計画サイクルを短くし、短納期、余力管理
生産計画と生産統制の理論と短納期化の用語が入っていれば加点です。
Nさん:第3問(設問2)再現答案
ふぞろい採点:10点
生産計画については、X社からの3ヵ月前の納品予定内示の檀家で作成し1ヵ月毎に見直しを行う③。材料についても生産計画に合わせて④納品3日前の外注かんばん②より前に発注し納入遅れを防ぐ①。
→生産計画を短く作るという内容を詳細で説明。加点はされているものの、説明が長くなって他の要素が入らなかった。
材料の視点は加点。
外注かんばんも加点。納期遵守する締めも加点。
前半をコンパクトにすれば、要素が増えて得点が稼げたチャンスを感じます。
N'さん:第3問(設問2) 本人の希望により再現答案は非公開
ふぞろい採点:14点
→全社的な生産計画、情報共有、生産統制 などで加点要素複数で加点。
情報共有はいわゆる語呂合わせ、DRINKを使えました。
D:データベース、R:リアルタイム、I:一元管理、N:ネットワーク、K:共有化
またまたベスト解答というよりベター解答。
ベスト解答①:第3問(設問2)再現答案 ふぞろい採点:10点
見込生産の実施にあたり、①需要見通しを精緻に実施できるようにすること、②3日前通知の確定納期を守る為①、進捗管理、余力管理、部材の現品管理④と製品在庫管理を強化すること、③小ロット生産対応力を確保すること、④熱処理と機械加工の一貫生産計画を立案すること⑤、などの検討が必要である。
→多少オーソドックスな表現ではないですが、キーワードを加点しております。
ベスト解答②:第3問(設問2)再現答案 ふぞろい採点:10点
X社自動車部品の機械加工工程と熱処理工程とその他の加工品を含めた全社的な生産計画⑤を作成し、予め加工順を決める。確定受注情報の外注かんばんの電子データに合せて、計画作成サイクルを短くして③、生産ロットサイズを小さくする。納期管理を徹底①し、材料の調達①は受注分のみの材料在庫と維持する。
→いらない要素が多いです。全社的な生産計画、サイクルを短くしする、納期管理を徹底などが加点。
10点が最高点とは結構厳しい状況。
生産計画と生産統制、さらには納期と発注方法の見直しと与件に書かれている論点を端的に指摘して、オーソドックスなキーワードを入れていれば論点を詰め込むできて加点されてました。
今回合格者も出来ていなかったのがこの問題。
不合格だった3名の方が、この問題は出来ていました。
この問題が合否を分けるのに不必要でなかったというわけではなく、
この第3問の生産系の2問が本来の事例Ⅲの能力を試す問題。
この問題は予め準備していたフレームとフレーズをビシバシ叩き込む、
必殺技をコマンド入力するだけの問題。
この問題も勝負の分かれ道です。
筆記試験結果と採点から見えてきたもの
ふぞろい採点をした結果です。
Tさん:筆記試験結果C、ふぞろい採点50点
第1問13点、第2問9点、第3問(設問1)0点、第3問(設問2)13点、第4問15点
各問題のばらつきが大きいです。たぶん時間のかけ方の問題だったような気がします。
第3問(設問1)が出来ていればA評価の答案。
事例Ⅲにおいては1題でもやらかすとかなりの失点になってしまうことが分かります。
実際は49か48点でC評価になっていると思います。
Nさん:筆記試験結果B、ふぞろい採点50点
第1問12点、第2問12点、第3問(設問1)8点、第3問(設問2)10点、第4問8点
第3問(設問1)と(設問2)の生産系の問題で混乱してバランスを崩してしまったと感じます。
第3問(設問1)を社長の方針を切り張りで乗り切り、第3問(設問2)の要素を増やして、多分最後にといた第4問に時間をかけて第1問と第2問を使った解答が出来ていれば、A評価答案になってました。
N’さん:筆記試験結果B、ふぞろい採点60点
第1問10点、第2問12点、第3問(設問1)12点、第3問(設問2)14点、第4問12点
たぶんぎりぎり59点でB評価でした。
各問題が半分以上とれていればA評価です。
満点をとることがかなり難しいことが分かります。
事例Ⅲは半分以上は確実に取る、戦略で臨まないと厳しいことがわかります。
ベスト答案(ベター答案)の集合:71点
第1問16点、第2問16点、第3問(設問1)15点、第3問(設問2)10点、第4問14点
チームでベスト答案をもちよっても、71点。
80点いきませんでした。
戦略系の問題は、与件の編集技術。
最終問題は設問の解答とSWOT分析を駆使して大道の解答をする。
生産系の問題は 、与件の裏返しか表替えし。
標準化、設備、教育、生産性向上と生産計画・生産統制の解答のバリエーションを予めストックしておき、材料の発注や在庫管理なども深く記述したい。
今回はテクニックも踏まえてコメントを記載いたしました。
解答に使うフレーズは予め準備しておく。
あまり考え過ぎても時間切れ。
時間内にどれだけ要素の多い解答が書けるか。
全ての問題で最悪5割で乗り切る。
五里霧中
「迷って方針や見込みなどの立たないこと。」
事例Ⅲでの本番での対応方針は見えてきましたか?
与件と設問の往復で時間を費やすと正に霧の中。
予め方針と解答の構成要素は決めておくこと。
不完全燃焼で今年は終わらせない、事前準備を進めてください。
僕は成し遂げられなかった、A評価を取ってください。
近日の予告
これでようやく、令和1年度事例Ⅰ〜Ⅲが終わりました。
何か忘れてますよね。
ご存じの通り「みんな大好き事例Ⅳ」の記事を全然書いてませんね。
来週は事例Ⅳ対策WEEKになる予定です!
問題に対応した書籍紹介
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診断協会のホームページからダウンロード
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試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
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本日のまとめ
- 第3問(設問1)は、 社長の方針にあるキーワードをまとめていれれば加点。どんどんやりましょうの精神で積極的に加点予想を詰め込め。
- 第3問(設問2)は、生産計画と生産統制、さらには納期と発注方法の見直しが書けているかどうか。予め準備していたフレームとフレーズを叩き込む。
-
解答に使うフレーズは予め準備しておく。
-
あまり考え過ぎても時間切れ。
-
時間内にどれだけ要素の多い解答が書けるか。
-
全ての問題で最悪5割で乗り切る。
-
予め方針と解答の構成要素は決めておくこと。
不完全燃焼で今年は終わらせない、事前準備を進める。
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