おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅰ 時代の変化に取り残された古参社員たち」です。
直近の過去問令和1年度試験の記事。
この記事を読んでくれた方で、中小企業診断士試験を知ってもらい、自分もこれなら勉強してみようと興味をもってくれ人がいたらいいなと思ってます。
まずは令和1年度事例Ⅰの記事からです。
「令和1年度 事例Ⅰ 変化に対応してゆでガエル脱却」
設問解釈の重要性を改めて感じます。設問の解釈の訓練を毎日続けてくださいね。
海の日・スポーツの日連休はいかがお過ごしですか?
昨日から東京オリンピックだった4連休。
オリンピックの影響で、1次試験は日程を早めました。
今年はなかなか梅雨明けせず海の日もバリバリ雨天。
毎年この時期は世の中は海の日ですが、1次試験が直前なので引きこもって直前対策。海や花火大会とレジャーシーズンなので、人ごみに敢えていきたい病でした。
一方、今年は全て中止。
誘惑の少ない状況となったことで、勉強に集中できる状況が整ってます。
ただ時間があればあると毎日考えにふけってしまい、なかなか勉強が手につかず
気づいたら終わっていたなんてことが無いようにに計画的に過ごしたいですね。
残りの期間で毎日やることを決めましょう。
過去問を1回転している方は何となく気づいていらっしゃると思いますが
ただ何となく1日1事例解くだけだと力はつきませんよ。
PDCAのサイクルを回していきしょう。
設問解釈、与件、解答作成、工程ごとに分割して自分の不得意な部分をトレーニングする方法もあります。
とはいえ、季節はジメジメもして意外と疲れてます。
疲れた時は、たまには息抜きも大事ですね。
ここから夏本番なので暑さ対策・体調管理も重要な時期となってきます。
令和1年度試験の設問や与件の特徴
令和1年度の事例Ⅰの問題は、設問数が5題で全て100字。
与件文が約2,917字と通常より文章量が多いのが曲者です。
過去にも掲載しましたが、過去5年間の与件文の字数をみると、
R1年度2,917字、H30年度2,344字、H29年度2,173字、H28年度2,674字、H27年度2,359字。
明らかにR1年度の与件はボリュームが多いです。
こんな強弱をつけてきますので、この法則からするとR2年度の与件は少なめになりそうですが、R1年度と同様の字数になる可能性もあるので、
多い場合と少ない場合の両方に対応できるように準備する必要があります。
与件の分量の各年度の比較は下記記事で、過去にもご説明しております。
ファミリー企業の製造業
第1段落
①A 社は、資本金8,000 万円、売上高約11 億円の①農業用機械や②産業機械装置を製造
する<中小メーカー>である。縁戚関係にある<8 名の役員>を擁する同社の本社は、<A 社長の祖父>が創業した当初から地方の農村部にある。<二代目の長男が現代表取締役のA 社長>で、<副社長には数歳年下の弟>が、そして<専務にはほぼ同年代のいとこ>が就いており、この<3 人>で経営を担っている。
→第1段落は定番のA社の概要です。
①農業用機械や②産業機械装置の製造業。事例Ⅰは基本的には製造業です。
H27年事例Ⅲの企業も農業機械部品や産業機械部品などを生産、販売しておりました。
毎年類似の製造業が題材になってます。
組織、経営者は、家族主義的経営。
エリアはA社長は三打目J SOUL BROTHERSの長男で、副社長は弟、専務はいとこ、仲良しです。
ここまでの与件で経営が上手くいってる感を感じます。アゲアゲ。
第2段落
②全国に7 つの営業所を構えるA 社は、<若い経営トップ>とともに総勢約80 名の社員
が事業の拡大に取り組んでいる。そのほとんどは正規社員である。「2000 年代後半」に<父>から事業を譲り受けた<A 社長>は、「1990 年代半ば」、大学卒業後の海外留学中に<父>が病気となったために急きょ呼び戻されると、そのままA 社に就職することになった。
→若い経営トップのメリデメ。正社員のメリデメを想定。
A社長は1990年代は半ばに大学卒業、その後海外留学。MBA取得のために留学でしょうか?さすが3代目です。
なんで中小企業診断士を目指さなかったのでしょうか??
1995年に23~24歳と想定すると、年齢は48~49歳ぐらいです。
このあたりは若い経営者への事業継承の中小企業白書の流れも組んでの企業企業の背景を選択されている気がします。
外部環境の変化
第3段落
③A 社長入社当時の主力事業は、防除機、草刈り機などの農業用機械の一つである
葉たばこ乾燥機の製造販売であった。かつて、たばこ産業は厳しい規制に守られた参
入障壁の高い業界であった。その上、<関連する産業振興団体>から多額の補助金が<葉たばこ生産業者>に支給されていたこともあって、<彼らを主要顧客>としていたA 社の売上は右肩上がり(↑)で、「最盛期」には「現在」の数倍を超える売上を上げるまで(↑)になった。しかし、「1980 年代半ば」に公企業の民営化が進んだ頃から向かい風が吹き始め、健康志向が強まり喫煙者に対して厳しい目が向けられるようになって、徐々にたばこ市場の縮小傾向が進んだ。さらに、受動喫煙問題が社会問題化すると、市場の縮小はますます顕著になった。しかも時を同じくして、葉たばこ生産者の後継者不足や高齢化が急速に進み、葉たばこの耕作面積も減少するようになった。こうした中で、A 社の主力事業である葉たばこ乾燥機の売上も落ち込んで、A 社長が営業の前線で活躍する頃には経営の根幹が揺らぎ始めていたといえる。とはいえ、売上も現在の倍以上あった上、<一新人社員に過ぎなかったA 社長>に際立った切迫感があったわけではなく、存続危機に陥るなどとは考えていなかった。
→SWOTで内A社の弱みが、外部環境の変化である脅威により露呈し、競争優位性がどんどん得られなくなってきた段落。
外部環境に依存していたA社の存続が危ぶまれて行きながらも、危機感が無い。
まさいにゆでガエル状態です。
この段落は、第2問に対応付けられます。
第2問
<A 社長>を中心とした<新経営陣>が「改革」に取り組むことになった/高コスト体質の要因は、古い営業体質にあった。その「背景」にあるA 社の企業風土とは、どのようなものであるか。100 字以内で答えよ。
外部環境が変化した内容がたくさんあり、解答に盛り込む場合にはまとめる必要があります。日ごろから与件をまとめる編集能力が高い人が解答し易かった問題です。
ゆでガエル状態
第4段落
④しかし、「2000 」年を越えるころになって、小さな火種が瞬く間に大きくなり、「2000年代半ば」には、大きな問題となった。<すでに5 年以上のキャリアを積み経営層の一角となってトップ就任を目前にしていたA 社長>にとって、存続問題は現実のものとなっていた。そこで、自らが先頭に立って自社製品のメンテナンスを事業化することに取り組んだ。しかし、それはビジネスとして成り立たず、売上減少と費用増大とい
う二重苦を生み出すことになってしまった。このままでは収益を上げることはもとよ
り、100 名以上の社員を路頭に迷わすことにもなりかねない状況であった。そこで、
自社の技術を見直し、農作物や加工食品などの乾燥装置など葉たばこ乾燥機に代わる
新製品の開発に着手した。もっとも、その中で成功の部類に入るのは、干ほし椎しい茸たけ製造用乾燥機ぐらいであったが、この装置の売上が、最盛期の半分以下にまで落ち込んだ葉たばこ乾燥機の売上減少に取って代わる規模になるわけではなかった。その上、新しい事業に取り組むことを、<古き良き時代を知っている古参社員たち>がそう簡単に受け入れるはずもなかった。そして、<二代目社長>が会長に勇退し、新体制が発足した。
→自社製品のメンテナンスを事業化。
ビジネスとして成り立たず、売上減少と費用増大という二重苦を生み出すことになってしまった。
第1問
<A 社長>がトップに就任する以前のA 社は、/苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100 字以内で答えよ。
この部分から第1問に対応づけられます。
古き良き時代を知っている古参社員たち
この部分は、第2問にも対応付けられる内容。
タバコ休憩する古参社員(イメージ)
「どうせ補助金がまた支給されて儲かるんだから、今のままでいいんじゃね。」
「IT化?計数管理?知らねー。俺はそんなの無くてもなんとか出来るんだよ。若い奴らが勝手にやってろよ。」
突然ですが、1次知識ゴロ合わせシリーズ
組織行動が上手くいかなくなる原因
牧瀬許して。(牧瀬里穂 許して)
マ:埋没コスト
キ:既得権益
セ:成功体験
ユ:ゆでガエル
ル:ルーティーン化
シ:失敗を恐れる
テ:低次学習
第5段落
⑤危機感の中でスタートした新体制が最初に取り組んだのは、長年にわたって問題視
されてきた高コスト体質の見直しであった。減価償却も済み、補修用性能部品の保有
期間を過ぎている機械の部品であっても客から依頼されれば個別に対応していたため
に、膨大な数の部品が在庫となって収益を圧迫していたのである。また、営業所の業
務が基本的に手書きの帳簿で処理され、全社的な計数管理が行われないなど、前近代
的な経理体制であることが明らかとなった。そこで、A 社のこれまでの事業や技術
力を客観的に見直し、時代にあった企業として再生していくことを目的に、<経営コン
サルタント>に助言を求めながら、経営改革を本格化させたのである。
→SWOTでいうところのW:弱みを課題としてとらえて、改善していく段落。
全社的な計数管理が行われないなど、前近代的な経理体制
ここまで第3・4・5とA社のW:弱みとO:脅威の記述が多く、どの部分を解答に盛り込めばよいのか判断に迷います。
やはり与件文が多いことで編集するのに時間をかけてしまうリスクが高いです。
これまでの事業や技術力を客観的に見直し、時代にあった企業として再生する。
SWOTでいうところの、S:強みを生かして、機会:Oに対応する成長戦略。
経営コンサルタントは第5問に出てきます。
A 社長は、「今回」、組織再編を<経営コンサルタント>の助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
憶測:MBA取得 を目指していたA社長はMBAを取得している経営コンサルタントに助言を求めて経営戦略を立ててきている。
間違った経営を行っていない、切れ者の三代目。
本日は前半の第1段落から第5段落までの前半部分。
後半部分は次回です。
番外:令和2年の外部環境の変化
密な状態を作ってはいけなくなり、会社に社員が出社できず、
強制的にテレワークが浸透した
会議・営業活動もオンライン化
その中でコミュニケーション不足の解消や社員管理の課題はある。
実生活でも、外部環境の変化に対応したいですよね。
問題に対応した書籍紹介
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本日のまとめ
- ただ何となく1日1事例解くだけだと力はつかない。PDCAを回す。
- 与件文が多い場合と少ない場合の両方に対応できるように準備する必要がある。
- 令和1年は与件をまとめる編集能力が高い人が解答し易かった。
- 組織行動が上手くいかなくなる原因は、牧瀬許して。
- 与件文が多い時は編集するのに時間がかかるリスクが高まる。
2次筆記試験まであと92日。
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