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2次試験対策 事例Ⅰ H29年度 与件読んでみた①

おはようございます。

中小企業診断士のシンです。

本日は「2次試験対策 事例Ⅰ H29年度与件読んでみた①」です。

 

 

まずは昨日までの事例Ⅰの記事は下記です。

「2次試験対策 事例Ⅰ まずは設問解釈」「2次試験対策 事例Ⅰ H29年度設問解釈やってみた」「2次試験対策 事例Ⅰ ルーティン」

 

 

いよいよ2次試験の事例Ⅰの与件文の読みに入って行きます。

段落番号をふる。123...もしくは①②③…

全体のボリュームを確認する、設問解釈と事例問題ルーティンを行った上で、

与件文を読み大枠把握・与件分析の工程に移ります。

 

H29年度試験事例Ⅰ 与件文

平成29年度試験事例Ⅰを使用して与件文を読んでいこうと思います。

この年の企業は「菓子製造業」で、設問は5題でした。

f:id:Y_Shin:20200521150653p:plain

レッツトライ。

 第1段落

①A 社は、資本金1,000 万円、年間売上高約8億円<菓子製造業>である。A社の主力商品は、地元での認知度が高く贈答品や土産物として利用される高級菓子である。A社の人員構成は、すべての株式を保有し創業メンバーの<社長>と<専務>の2名、そして正規社員18名パートタイマー中心の<非正規社員>約70名をあわせた約90名である。A 社は、「2000年の創業」以来、毎年数千万円単位の規模で売り上げを伸長させてきた。「近年」では、全国市場に展開することを模索して、「創業時」から取り扱ってきた3種類の主力商品に加えて、新しい菓子の開発に取り組んでいる。同社のビジョンは、売上高30億円の中堅菓子メーカーになることである。

 

チェックする項目のルール付け

チェック項目の大まかなルール を追記していきます。

自分なりのルールを決めて、何のチェックなのかあとで読み返す時にわかるようにしましょう。

赤文字:過去の成功体験・良いこと・強み

黄土色:キーワード

<>:人物・業種

「」:時制

下線:数字と他

 

第1段落でA社の概略からビジョンまで語っています。

やはり第一段落はA社を把握する上で重要な段落です。

高くや伸長の良いこと表現した表現には赤字で色をつけました。

第1段落である程度の事例企業の概略が見えます。

「同社のビジョンは、売上高30億円の中堅菓子メーカーになることである。」

経営ビジョンがそのまま書かれてます。

リンクするキーワード

「全国市場」

この「全国市場」は先に設問解釈をされていれば、どこかで聞いたことがあるフレーズじゃないですか?

設問の第4問
A社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進
めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せ
よ。100 字以内で答えよ。

 

与件文①と第4問が紐づけられました。

このようにリンクするキーワードで段落と設問を「対応付け」することが出来ます。

時制

第一段落では「2000年の創業」と「近年」と「創業時」の3つが出来きました。時制の言葉は設問の時制と対応付けられることが多いので必ずチェックしたいフレーズです。

 

第2段落

②「現在、A社の組織は、<製造部門>、<営業部門>、<総務部門>の部門からなる機能別組織である。<部門長>と9名の<正規社員>が所属する<製造部門>は、餡あんづくり、生地づくり、成型加工、そして生産管理を担当している。また、自社店舗による直接販売は行っていないため、「創業以来」<営業を担当してきた専務>をトップに6名からなる<営業部門>は、<県内外の取引先>との折衝や販売ルートの開拓のほか、<出荷地域別にくくられた取引先>への配送管理と在庫管理が主な業務である。非正規社員70名のうち毎日出社するのは30 名程度で、残りの40名交代勤務である。<非正規社員”主な”仕事は、製造ラインの最終工程である箱詰めや包装、倉庫管理などの(補助業務)である。<人事・経理>などの業務は、3名の<正規社員>から成る<総務部門>が<社長>の下で担当している。

※ルール追加

<>:部門 ” ”:協調表現

第2段落は、A社の組織構成が詳細に書かれた段落です。 

機能別組織。各部門の仕事内容と、正規社員と非正規社員の仕事内容が詳細に記載されてます。

第2問に関係がある段落です。

第2問
A社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比して少人数である。少人数の正規社員での運営を可能にしているA社の経営体制には、どのような特徴があるのか。100 字以内で答えよ。

 

第3段落

長期的な景気低迷期の激しい企業間競争の中で順調に売上規模を拡大することができたのは、A社が事業を引き継ぐ「以前のX社時代」から、「現在」の主力商品の認知度地元で高かったからである。A社の<前身ともいえるX社>は、70年近い歴史を誇る菓子製造販売業の老舗であり、「1990 年代後半」までは地元の有力企業として知られていた。「創業当初」、小さな店構えにすぎなかった<X社>は、その後直営店をはじめ様々な販売ルートを通じて、和・洋の生菓子、和洋折衷焼菓子など「100 品目以上」の菓子を扱うようになり、年間売上高は「10億円」を超えるまでになった。▽しかしながら、「1990 年代後半」バブル経済崩壊後の長期景気低迷の中販路拡大・生産力増強のための過剰投資によって巨額の負債を抱え、事業の継続を断念せざるを得なくなった。▽それに対して、「当時」、県を代表する銘菓として人気を博していた商品売り場から消えてしまうことを惜しみ、<菓子工業組合に贔屓ひいき筋>がその復活を嘆願するといった動きもみられた。さらに、<県内外の同業メーカー>からその商標権を求める声も相次いだ。

 ※ルール追加

水色:外部環境変化・悪化したこと・弱み

▽:逆接の接続詞

 

第3段落は、A社が事業を引き継ぐ全身のX社へタイムスリップします。

外部環境の変化でX社が事業を辞められるが、人気商品には復活の声が多数あったというストーリーです。

 

この段落は第1問に対応付けられます。

第1問
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品をA社が再び人気商品にさせた最大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ。

 

④その商標権を<地元の菓子工業組合長>が<X社社長>から取得していたこともあって、A社に譲渡することが短期間で決まった。(もちろん)、<A社社長>が<X社の社員>であったということは重要な点であった。「1970 年代半ば」から長年にわたって営業の最前線でキャリアを積んだ<A社社長>は、経営破綻時に<営業課長の職>にあった。一連の破綻処理業務で<主要取引先>を訪れていた折に、販売支援の継続を条件に商品の存続を強く求められたことで一念発起し、事業の再興に立ち上がったのである。

第4段落は、A社社長がA社を立ち上げた時の経緯が書かれております。

この段落も、第1問に対応付けられます。

 

繰り返し使用されている言葉

ここまでで、「主力商品」、「商標権」の言葉が繰り返し敢えて使われます。

「主力商品」は第1段落と第3段落、「商標権」は第3段落と第4段落。

繰り返し使用されている言葉は、いかにも「活用してくれ。」というサインのように感じます。

 

以上、 前半4段落でした。

  

平成29年度(2017年度)の解答解説が掲載されている書籍

TAC

定番の過去5年間の過去問の解答解説

 

ふぞろい

2018年版 ふぞろいな合格答案エビソード11

前半に再現答案が事例Ⅰ~Ⅳと掲載されており、後半には合格者のインタビュー形式試験問題に対する80分間のドキュメントと再現答案が掲載されております。

受験生のバイブル。 

 

 今年2020年4月には早々と編集した総集編が登場。

2018年と2019年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。

自分は掲載されている答案を1つの模範解答として活用しました。

 2018年と2019年のふぞろいの後半の80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。

 

事例問題攻略マスター

再現答案やプロセスではお薦めです。

今年5月に新刊が発売されました。

各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。

ある優秀な人の解答として参考にしました。

 

中小企業診断士2次試験 事例問題攻略マスター (第2版)
 

 

 

本日のまとめ 

  • 与件のチェックは自分なりのルールを決めて、読み返す時にわかるようにする。
  • 時制の言葉は設問の時制と対応付けられることが多い。
  • リンクするキーワードで、段落と設問を「対応付け」出来る。
  • 繰り返し使用されている言葉は、いかにも「活用してくれ。」というサイン。

 

※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。

 

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