青い空、青い海、白い砂浜、白い解答用紙。
お盆休みは終わり!いきなり設問です!
第1問(配点10点)
業務改善を急務とするA社は、厳しい現状を打破するために中小企業診断士にアドバイスを求めることにした。中小企業診断士は、A社の戦略策定にあたって、まずどのような分析を行うべきか。60字以内で述べよ。
第2問(配点15点)
A社の競争優位性を確立する上で、着目すべき強みはどのような点にあり、それはどのような対策によって強化することができるか。60字市内で述べよ。
第3問(配点20点)
文中にあるように、A社のコスト構造に大きな変化は見られないが、臨時社員の割合が55%にまで増えていることが指摘されている。この点から類推される、A社の中・長期的課題について、100字以内で述べよ。
第4問(配点15点)
文中にあるように、A社では、機能別組織を採用している。この組織構造の利点を3点、それぞれ15字以内で述べよ。
第5問(配点10点)
現状のA社の組織構造には、どういった問題点があると考えられるか。100字以内で述べよ。
第6問(配点30点)
A社のような事業特性をもつ中小企業の管理職社員のモラール低下には、業績低迷といった経済要因以外に、どのような理由が考えられるか、100字以内で(a)欄に述べよ。また、それを改善するためには、どのような対策をとることが望ましいか、100字以内で(b)欄に述べよ。
おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「平成30年度 事例Ⅰ与件はあいまいだが、答えることはオールドファッション」です。
冒頭に設問をもってきましたが、この設問について分かりましたか?
分かった人は2次試験マニアです。
まずは平成30年度事例Ⅰの記事からです。
「平成30年度 事例Ⅰ設問解釈してますか?これも研究開発型です。」
「平成30年度 事例Ⅰ 気持ち悪さを気持ち良さにする技術」は下記です。
オールドファッション
冒頭のこの設問知ってますか?
月曜日の朝からやめてくれーといった、設問を貼ってみました。
この設問は新試験制度に改正された後初めて実施された、
「平成13年度 事例Ⅰ」の設問です。
平成13年度の問題は与件文は最近の問題より少ないです。
直近の5~7年ぐらいの過去問を何度か解いて余裕のある方は、
古い過去問を設問解釈と与件無しで解答を作成してみて、
頭の体操、知識の整理をしてみても良いです。
設問解釈15~20分。解答作成25分。与件は無しです。
分析とは比較することである。
温故知新。
試験問題の原点を知ることで、最近の試験との傾向の違いを体験。
変化の無い根幹領域の確認と今年の試験問題を予測しながら汎用性を高める。
余談ですが、自分はクリスピー・クリーム・ドーナツの「抹茶オールドファッション」が一番好きです。
勉強前とかに甘いものを食べてリラックスして集中力を高めていました。
抹茶オールドファッション
夜の勉強前の御供でした。
後半は組織の構成
平成30年度の事例Iの与件文後半です。
第7段落
⑦これまで幾度かの浮き沈みを経験してきた同社であるが、営業職や事務職、人事・経理・総務などの管理業務を兼務している者を加えた「約50 名」の社員のうち、<技術者>が9 割近くを占めている。「創業以来」変わることなく社員の大半は技術者であるが、売上が数十倍になった「今日」に至っても従業員数は倍増程度にとどまっている。
→50名の内9割の45人が技術者。
<技術者>が9 割近くを占めている。「創業以来」変わることなく社員の大半は技術者
この部分は 第2問(設問1)の人員構成
に結びつきます。
第2問
A 社の事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A 社は「創業」以来、<最終消費者>に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。
A 社の人員構成から考えて、その理由を100 字以内で答えよ。
第8段落
⑧「従前」A 社では、<電子回路技術部門>、<精密機械技術部門>、<ソフトウェア技術部門>と専門知識別に部門化されていた。しかし、「複写機関連製品事業が先細り傾向になった頃」から、<製品開発部門>、<品質管理部門>、<生産技術部門>に編成替えをし、<各部門を統括する部門長を役員>が兼任した。<製品開発部門>は、<環境エネルギー事業の開発を推進するグループ>、<法人顧客向けの精密機械を開発するグループ>、<LED 照明関連製品を開発するグループ>に分けられ、<電子回路技術、精密機械技術、ソフトウェア技術などの専門知識を有する技術者>をほぼ同数配置した混成チームとした。<品質管理部門>と<生産技術部門>には、<数名の技術者>が配属され、製品開発部門の業務をサポートすると同時に、<複数の生産委託先>との調整業務を担っている。
→組織構造の段落。
従前:専門知識別に部門化
<①電子回路技術部門>、<②精密機械技術部門>、<③ソフトウェア技術部門>
複写機関連製品事業が先細り傾向になった頃:編成替え
<①製品開発部門>、<②品質管理部門>、<③生産技術部門>
<各部門を統括する部門長を役員>が兼任
<製品開発部門>
<電子回路技術、精密機械技術、ソフトウェア技術などの専門知識を有する技術者>をほぼ同数配置した混成チーム
<①環境エネルギー事業の開発を推進するグループ>専門知識を有する技術者・混成チーム
<②法人顧客向けの精密機械を開発するグループ>専門知識を有する技術者・混成チーム
<③LED 照明関連製品を開発するグループ>専門知識を有する技術者・混成チーム
組織構造の問題で部門が複数出てきて混乱を招きそうな場合には、部門とグループを簡単に図にして書いて整理して読み解く。
機能別組織から機能別組織と事業部制組織の良いことを取った、混成チームとして編成した。
この問題はまるまる第3問に対応していきます。
第3問
A 社の組織改編にはどのような目的があったか。100 字以内で答えよ。
人事施策は本当にうまくいっているのか?
第9段落
⑨絶えず新しい技術を取り込みながら製品領域の拡大を志向してきたA 社にとって、人材は重要な経営資源であり、それを支えているのが同社の人事制度である。
→最後の部分は人事の段落。第4問に対応。
第10段落
⑩その特徴の一つは、<戦力である技術者>に新卒者を原則採用せず、地元出身のUターン組やI ターン組の中途採用者だけに絞っていることである。また、賃金は、設立当初から基本的に年功給の割合をできるだけ少なくして、個人業績は年二回の賞与に多く反映させるようにしてきた。「近年」、いっそう成果部分を重視するようになり、年収ベースで二倍近くの差が生じることもある。それにもかかわらず、A 社の離職率が地元の同業他社に比べて低いことは、実力主義がA 社の文化として根付いていることの証左である。とはいえ、その一方で家族主義的な面も多くみられる。社員持株制度や社員全員による海外旅行などの福利厚生施策を充実させているし、「1990 年代半ば」には、技術者による申請特許に基づく装置が売れると、それを表彰して売上の1 %を報奨金として技術者が受け取ることができる制度を整備し運用している。
→ 成果主義が上手く機能している状況。でかつ、家族主義的な面
業績給が賞与に多く反映されていて、年収ベースで二倍近くの差
でありながらも、離職率が地元の同業他社に比べて低い。
んなことあるのか?かなり疑問に思う言い回しです。
即答できないような背景。
この段落は、第4問に対する中心段落です。
第4問
A 社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。
第11段落
⑪このように、A 社は、<研究開発型企業>として、<取引先>や<顧客>などの声を反映させていた受け身の製品開発の時代から、時流を先読みし先進的な事業展開を進める一方で、伝統的な家族主義的要素をも取り入れて成長を実現している企業だといえる。
→受け身の製品開発
過去の状況を象徴した表現。最終段落に飛んでますがどこかの設問で使えそうなフレーズ。
時流を先読みし先進的な事業展開
こちらもA社の事業展開を表現したフレーズで使えそうです。
伝統的な家族主義的要素
第2問(設問1)と(設問2)、第4問につかえそうなフレーズがありそうな段落。
最後まで読んでも後味の悪い終わり方。このモヤモヤ感が事例Ⅰ。
足りない情報は多く、このあとは与えられた情報と知識を頼りに設問に解答していく。
後半は組織の構成と人事施策が詳細に書かれているので、現状を整理分析しつつも、
解答へのアプローチを常に意識していく。
以上、与件文後半でした。次回は解答に進みます。
問題に対応した書籍紹介
平成30年度(2018年度)の解答解説が掲載されている書籍です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
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ふぞろいな合格答案12
平成30年度試験(2018年度試験)の答案分析と再現答案 ¥2,640
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平成30年度と平成29年度試験(2018年度と2017年度試験)の答案分析と再現答案
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各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。
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本日のまとめ
- 温故知新。試験問題の原点を知ることで、最近の試験との傾向の違いを体験。変化の無い根幹領域の確認と今年の試験問題を予測しながら汎用性を高める。
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組織構造の問題で部門が複数出てきて混乱を招きそうな場合には、部門とグループを簡単に図にして書いて整理して読み解く。
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最後まで読んでも後味の悪い終わり方。このモヤモヤ感が事例Ⅰ。
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与件だけでは足りない情報は多く、与えられた情報と知識を頼りに設問には解答していく。
2次筆記試験まであと69日。
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