おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は「2次試験対策 事例Ⅱ H20年度 一泊二食付きで50,000円の温泉旅館を読む 」です。
まずは対応する過去記事です。「2次試験対策 事例Ⅱ 最初に解いた事例は温泉旅館だった」は下記です。
12年も前の事例を持ち出してきて古いというツッコミが入りそうですが、温故知新の精神で古い事例を読み進めていきます。
作問者と思わしき、岩崎邦彦教授については、過去記事を参照ください。
設問と与件の分量
平成20年度の事例Ⅱの問題は、設問数が5第で合計6問。
第1問が30字以内で2つ書け、第2問が30字以内で2つ書け、第3問が50字以内で2つ書け、第4問(設問1)が50字、(設問2)が50字、第5問が100字以内で2つも書け、と合計520字書かせる問題でした。
与件文は2,246字。直近の過去問が2,700字前後なので、過去の事例問題は与件の字数は少なかったことが分かります。
経営資源とSWOT分析
それでは与件文スタート。
第1段落
①B社は、<S県H温泉>にある「大正10(1921)年創業」の老舗の温泉旅館である。<H温泉>は、200年以上にわたって湯
地場として親しまれてきた。お客様に非日常をあじわっていただくための「心を和ませる成熟への誘い」をB社はコンセプトとしている。資本金1,000万、年商は4憶円である。また、従業員数は<家族従業員>を含んで20名である。このうち<仲居>は10名おり、客室数は10部屋である。<仲居>は、一人が一部屋を担当することになっており、きめ細かい対応は「創業当初」から続けている。宿泊料金は一泊二食付きで50,000円からと、H温泉にある他の旅館に比べて高額な価格設定になっているが、それでも予約をとるのが困難であった。
→第1段落は現在のB社の基本状況と人気な要因でB社の強みの段落。
従業員20名と事例Ⅱは少人数の企業が出題。
一泊二食付きで50,000円~料理に付加価値があるのか、サービスに付加価値があるのか。
※マークのルール
赤文字:強み・機会、顧客から評価されていること
黄土色:経営資源、キーワード
<>:人物
「」:時制
下線:数字と他
事例Ⅱでは、経営資源とSWOTをチェックして与件を読み進める。
この段落は、第1問に対応付けられます。
第1問
B社が長年にわたって顧客に支持された理由は何か。30字以内で2つ答えよ。
第2段落
②「静寂さ」と「和み」を大切にしているため、<団体客>は受け入れず、<小さな子供連れ>も基本的には断っている。食材はB社七機内の山菜と<地元契約農家>から有機野菜、自然飼育の鶏卵などを調達し、地産地消を原則とした会席料理を提供している。館内には小さな図書館があり、また階段下や廊下の隅を巧みに使った書斎風の読書コーナーやベンチも設けている。思いついた時にいつでも気軽に本が読めるように、本棚も巧みに用意されている。
→第2段落も引き続きB社の強みの段落。出た「地産地消」。
最後に地域を活性化するストーリーが予測されます。
色々とあって、快適な旅館なんです。
この段落も第1問に対応づけられます。
小文で段落がこまめに区切られており、段落内での情報収集がしやすいです。
第3段落
③敷地内には茶室や陶芸工房もある。<女将>が<顧>客の到着時にお茶を点ててもてなし、本格的な茶室では茶会も開けるようになっている。(また)、料理に使われる器はすべてこの工房で作られたものである。<インストラクター>による陶芸教室もあり、初心者でも気軽に楽しむことができる。
→第3段落も続いてB社の強みとなる経営資源。施設を利用して積極的に活用して、付加価値をもたらしていいる。この段落も第1問にひもづけられます。
「色々資源・強みがあって、解答の絞り込みに苦労しそう。」
第4段落
④そもそも<H温泉>は、畑の中から温泉が湧き出して、それが傷や皮膚病、内臓疾患にも効用があるということで<地元の人>に利用されていた。その後<地元の人>だけではなく、その評判を聞いて<遠方より湯治客>が訪れるようになった。H温泉は湯地場として賑わうようになり、<農家の人>が片手間に湯地場の宿を始め、次第に規模と設備が整って本格的な旅館形式になったものが<B社など>の<温泉旅館>である。(その後)、<B社温泉組合>が結成され、最盛時には<15軒の旅館>で組織されるまでに発展してきた。
→第4段落はH温泉とH温泉組合の段落。B社単体のことは記載されておりません。
第5段落
⑤少子高齢化の影響であろうか、「最近」では各地の温泉地に、天然温泉付ライフケアマンションという名の<定年後の老夫婦>をターゲットとした高級分譲マンションが建ち始めた。<H温泉>にもその波が押し寄せ、湧き出す温泉量の全体に対して需要が超過する傾向もみられるようになった。その影響により、湯量が豊富で温泉の掛け流しが当たり前であったこの<H温泉>でも、旅館の立地場所によっては、沸かし湯の助けを借りることも考えなければならなくなってきた。しかし、「今後」、温泉地として生き延びるための新しい方向を模索している。
→外部環境変化による今後の課題について。H温泉の段落。
水色:外部環境変化・悪化したこと・弱み
3C分析
第6段落
⑥歴史ある<H温泉>」ではあるが、その中で来客数が減り、経営が悪化して外国資本に買収された旅館も出てきた。<これらの旅館>は建て直しされ、最新設備の整った大規模な温泉ホテルとして営業を始めた。ちなみに平均価格はB社より低く設定されている。今後、このようなホテルは増えそうである。
→競合の記述の段落。競合と自社を比較する。
緑:競合の強み
3C分析、自社・顧客・競合他社の観点から相対的に検討する。
競合との競争で顧客が減少した。第2問に紐づく段落。
第2問
B社の<予約客>の数が減少した理由は何か。30 字以内で2つ答えよ。
新規顧客のターゲット
第7段落
⑦また、<H温泉を訪れる顧客層>にも変化が表れ、<外国人観光客>が顕著に増えてきている。その中でも<アジア地域の富裕層の観光客>が半数以上を占めている。彼らの行き先は、ほとんどが<旅行代理店>とタイアップした<外資系ホテル>である。しかし、中には<和風旅館の風情に親しみたいという人々>もいて、温泉組合の観光案内所には問い合わせが増えつつある。
→外国人観光客が増加して、和風旅館の風情に親しみたい人々が増えているという機会の段落。H30年度の問題も「和の風情を求めるインバウンド客が急増している。」でした。
新規顧客のターゲット。定番の和の風情であり、繰り返し過去問で同じようなターゲットが出てきていることが分かります。
第4問の設問2と対応します。
第4問(設問2)
B社の良き伝統を維持しつつ、<新規顧客>を取り込むためのプロモーション戦略について50字以内で答えよ。
→新規顧客へのプロモーションから、<和風旅館の風情に親しみたいという人々>を
ターゲットにする。
読み進めながらキーワードやターゲットを想定して、設問と付けわせていけます。
といことで、本日は7段落まで。
平成20年度(2008年度)の解答解説が掲載されている書籍
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
ふぞろい
ふぞろいな合格答案10年データブック
結構最強です。平成28年~平成19年の10年間分の事例問題の再現答案とベスト解答、採点基準が記載されているので直近の過去問をやりつくしてしまった方も活用して、平成19年以降の過去問を勉強することができます。
本日のまとめ
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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