おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「平成28年度 事例Ⅱ 市場動向や商品知識がなくても、助言が出来るように設計」です。
まずは、平成28年度事例Ⅱの過去記事です。
「平成28年度 事例Ⅱ 直前期 出題予想を想起しながら過去問を解く」
「平成28年度 事例Ⅱ 与件の前半が山 解答への要素は少なかった」は下記です。
弱み・脅威ばかりで流通経路もしがらみが多い後半部分
平成28年度 事例Ⅱの与件文後半を見ていきます。
特徴的なのは、弱みと脅威ばかりで、B社の強みの資源が出てきません。
どちらかというと事例Ⅰっぽい作りです。
第6段落
⑥<同業他社>の動きを見ながら新製品を追加投入してきたため、B社全体の製品の種類は「30 種以上」になり、容器の大小を別アイテムと数えると「87アイテム」に上る。製品価格帯は、しょうゆ業界平均よりも全体的にかなり高めのゾーンに位置する。このうち、最も販売量が多いのは<減塩しょうゆ>で、2番手が<だししょうゆ>である。<減塩しょうゆ>は、「今から約40年前」に発売されたロングセラー製品である。「当時」はまだ健康に対する消費者の意識も低く、業界でも早めに発売を開始した部類に入る。B社のすべての製品は「25年前」から発売されているが、「87 アイテム」の回転率には今ではかなりばらつきが生じている。
→B社の過去から現在にかけての製品アイテムの変遷が書かれていて、弱みの部分をどう改善していくかを検討する段落。
<同業他社>の動きを見ながら新製品を追加投入してきたB社全体の製品の種類は「30 種以上」になり、容器の大小を別アイテムと数えると「87アイテム」に上る
製品価格帯は、しょうゆ業界平均よりも全体的にかなり高めのゾーンに位置する。
過去から現在にかけての製品戦略で第1問に対応する。
第1問(配点20点)
B 社のこれまでの製品戦略について、80 字以内で整理せよ。
80字だとやはりはいりきらないので要素をコンパクトにいれないといけないです。
「当時」はまだ健康に対する消費者の意識も低く
逆接で考えると「今は」健康に対する消費者の意識が高い
「87 アイテム」の回転率には今ではかなりばらつきが生じている。
問題点は、改善策を提案する。
商品回転率が高い製品ラインナップに絞り込む。
与件の裏返しから解答に書くべき要素をあぶりだす。
この部分は第2問(設問1)に対応する。
「今後」の成長に必要な製品戦略
第7段落
⑦しょうゆ<市場>は「現在」、激しい淘汰の波にさらされている。日本醤油協会の調べによると、「1955年」には全国で<6,000社あったしょうゆメーカー>は、「2013 年」には<1,330社>にまで減少している。そのため、「2014年」の<しょうゆメーカー>のシェアは<大手5社>が60%弱、<準大手9社>が約18%、残りの20数%を<1,300社以上の中小しょうゆメーカー>で占める構造となっているB注_C。X市でも50年前にはしょうゆメーカーが<8社>あったが、「現在」はB社を含め<2社>である。しょうゆ出荷数量もピークは「1973 年」の1,294,155 kl で、「2015年」には780,411 klと減少傾向にある。図表1によれば、JAS 規格でいう「しょうゆ」の1世帯当たり年間購入数量も1人当たり消費量も減少傾向にある。また、しょうゆ及びしょうゆ関連製品それぞれの出荷数量について「2008 年」を基準として見ると、図表2のような傾向となる。「近年」は世界的な大豆価格高騰が経営に与える影響も大きい。日本の大豆自給率はわずか5%で、<しょうゆメーカー各社>は原材料の大豆の大半を輸入に頼っている。「2008 年以降」、大豆の価格は高止まりのまま推移しており、以前の取引価格の倍になったとされる。国産大豆もその例外ではない。<基本調味料としてのしょうゆ>の製造販売だけではメーカーの利益が薄いのが実情である。「現在」、B社の年商もかろうじて対前年比100 %をやや上回る程度で推移しているが、<直営店併設の飲食店>の好調な売り上げが貢献している。
→減少傾向、外部環境、市場動向の脅威が中心に書かれた段落。
ここで図表を再びみると。
【図表1】
一世帯人員(人)が減少。減少とともに購入数量・一世帯あたり支出金額、しょうゆの出荷数量・日本の総人口・1人当たり消費量と全て減少傾向。
以上。
与件文の根拠資料として提供しているだけ。
【図表2】
めん類等用つゆとしょうゆ加工品、たれ類が1以上の推移で伸びており、しょうゆの出荷数量が減少。
しょうゆの出荷数量が減少しているので、上昇傾向のめん類等用つゆ、しょうゆ加工品、たれ類に商品ラインナップを変更していく。
与件文からも、<基本調味料としてのしょうゆ>の製造販売だけだと利益が薄いので、
売上が好調な<直営店併設の飲食店>を活用して、新たな需要を獲得する。
第2問(設問1)と第3問に対応する。
第2問(設問1)「今後」の成長に必要な製品戦略
第3問(配点20 点)
「3年前」に開業した直営店併設の飲食店は、売り上げが好調である。B社が飲食店を
直接経営することによって、どのようなメリットと効果を得られるか。売り上げが向上すること以外のメリットと効果について、100 字以内で説明せよ。
第8段落
⑧B社の製品は、<X市にある直営店>での販売や例外的な<業務用需要者>との取引以外は、<特別な排他的取引契約>はないものの、<食品卸Z社>が一手に引き受けている。<Z社>の取扱商品は、<国内外の優良メーカー>が生産する高付加価値型のこだわりの自然食品・健康食品全般である。<Z社>は<国内外に販売先>をもつ。<主要な取引先>は、国内では<百貨店>や<中〜高価格業態のスーパー>や<自然食品店>、国外では<東アジアやアメリカなどで日本食材を扱う小売業>である。B社の製品も、<これらの店舗>で販売されている。B社と<Z社>の取引関係は「50 年」に及ぶ。「最近」では、<多くのしょうゆメーカー>は自社ホームページを立ち上げ、<中小メーカー>の多くがインターネット販売を行っている。しかし<Z社>は、<B 社>がインターネット販売をすることに対して難色を示している。そのため、B社は会社所在地と自社のしょうゆ製造方法を記載した簡素なホームページを立ち上げたのみである。インターネット販売にはまだ着手していない。
→まずいですね。今どきやってねーのといった感じ。 既得権益をZ社に与えてます。
取引関係にひびが入ってしまうことでのデメリットを気にしてしまいが、ここで何か方法はないのかを考えないといけないです。でも無理じゃねと思ってしまうこの設定。
第4問(設問1)と(設問2)の両方につなげて対応します。
第4問(配点30点)
「 昨今」の<多くの中小しょうゆメーカー>では、インターネット販売を展開している。B社もまた、新規事業として直接、<最終消費者>に対するインターネット販売に乗り出したいと考えている。
(設問1)
インターネット販売を軌道に乗せるためにB社が採るべきブランド戦略を50 字以内で提案せよ。
(設問2)
B社の<インターネット販売を利用する顧客>にリピートしてもらうために、インタ
ーネット上でどのようなマーケティング・コミュニケーションを展開するべきか。
80 字以内で提案せよ。
ばれないようにやる、こっそりやる、インターネット販売でやる。商品名を変えて販売する。
第9段落
⑨「創業250周年」を前に、B社はまもなく<11代目>に継承される。B社は良くも悪くも伝統を重視してきたため、現状のままでは著しい成長は期待できない。人口減少社会
を迎え、縮小するしょうゆ市場の下で、生き残りと成長を求めて、危機感をもった
<11 代目予定者>は中小企業診断士に相談することにした。
→結局このままの体制で同じことをやっていたら先細り、抜本的な改革が必要な時。果たして診断士として何を提案しますか。
実現可能性が高く、B社の経営資源を使ってできる、最善の策を提案する。
平成28年度 事例Ⅱの舞台はどこか
前々から噂には聞いてましたが、埼玉県川越市がモデルとなってるということ。
平成30年度、平成28年度、平成21年度と計3回モデルとなって模様。
平成30年度の老舗日本旅館。城下町、名刹・古刹山車、商業地域、観光地、連続ドラマの舞台
平成28年度のしょうゆメーカー。醤油蔵、伝統的な街並み、商業地域、観光地、
平成21年度のスポーツ用品店。古くから城下町、城跡公園、観光客、市民マラソン、歴史
など、同じような雰囲気のX市。
歴史と文化や伝統を持つ商業地域。また川越市が舞台となる可能性もあるかもしれないです。
めんつゆ
しょうゆ加工品
しょうゆ市場の詳細が丁寧に説明されていたので、実際の市場を知らなくても解けるように丁寧に説明書きがされてます。
商品知識にこだわっている時間はなく、あくまで診断士の立場で、汎用性をもった知識を活用して助言する。
問題に対応した書籍紹介
平成28年度(2016年度)の解答解説が掲載されている書籍です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
TAC 定番の過去5年間の過去問の解答解説
ふぞろいな合格答案10
平成28年度試験(2016年度試験)の答案分析と再現答案
ふぞろいな再現答案4、再現答案4
平成28年度と平成27年度試験(2016年度と2015年度試験)の答案分析と再現答案
ふぞろいな合格答案 10年データブック
平成28年度(2016年)~ 平成19年度(2007年)の10年間分が収録。
事例問題攻略マスター(第2版)
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。
TBC速習2次過去問題集 平成28~30年度
本日のまとめ
今回の記事は いかがでしたでしょうか。
最後に本日のまとめとなります。
今回は「平成28年度 事例Ⅱ 市場動向や商品知識がなくても、助言が出来るように設計」でした。
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結与件の裏返しから解答に書くべき要素をあぶりだす。
- 実現可能性が高く、B社の経営資源を使ってできる、最善の策を提案する。
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商品知識にこだわっている時間はなく、あくまで診断士の立場で、汎用性をもった知識を活用して助言する。
2次筆記試験まであと20日。
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