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平成28年度 事例Ⅱ 与件の前半が山 解答への要素は少なかった

おはようございます。

中小企業診断士のシンです。

みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。

本日は「平成28年度 事例Ⅱ 与件の前半が山 解答のへ要素は少なかった」です。

 

 

 まずは、平成28年度事例Ⅱの過去記事です。

「平成28年度 事例Ⅱ 直前期 出題予想を想起しながら過去問を解く」は下記です。 

解答に使える要素がほとんど含めらている前半部分

平成28年度 事例Ⅱの与件文前半を見ていきます。

特徴的なのは前半の段落で解答に使う要素がほとんど含められていること。

 

第1段落

①B 社は、X 市郊外にある<しょうゆ及びしょうゆ関連製品のメーカー>(以下、「しょうゆメーカー」という。)である。資本金は「2,000 万円」、従業員(パート含む)は「50 名」である。創業は1770年と古く、現在の社長は10代目にあたる。「2016年」に社長就任「21年」を迎えた。

→B社の基本的な概要。資源はなし。

 

第2段落

②B社の本社と工場は隣接しており、すぐそばにはY川が流れる。江戸時代には、この川が原材料や完成品のしょうゆの大量輸送に使用されていた。「現在」、多くの<中小しょうゆメーカー>では、自社の蔵でのしょうゆ仕込みをやめ、しょうゆの原料となる「生揚げ(火入れ、ろ過していない)しょうゆ」を<大手メーカー>から仕入れ、これに火入れや味付けをして自社製品として販売している。しかし、B社は「創業」以来一貫して国産丸大豆を原材料とし、自社の蔵で杉桶を使ったしょうゆ醸造を続けている。

 

一貫してが強調ワード。B社定番のこだわり力。B社のコア資源です。

第1問のこれまでの 製品戦略に対応。

第1問(配点20点)
B 社のこれまでの製品戦略について、80 字以内で整理せよ。

 

第3段落

③<本社>から車で「10分」ほど離れた<X市>の市街地は、江戸時代から繁栄した商業地である。「現在」は当時の面影をしのばせる伝統的な街並みを生かして、観光地として脚光を浴びている。懐かしさを求めて女性やシニア層が連日街を訪れ、日本の伝統に興味のあるアジアからの外国人観光客も多い。B社は、この観光地化したエリアに3年前、自社製品をフルラインアップで販売する<直営店>を出店した。<直営店>には、<11 代目予定者>(社長の子息、当時33歳)の発案で、自社製品を麺料理のつゆやだしなどに使用した飲食店も併設した。この飲食店は、地元食材の利用カロリーや減塩など健康に配慮したメニューと彩り鮮やかな盛り付けで、観光情報誌やグルメサイトなどにも数多く取り上げられている。最も人気のあるメニューは、うどんを主食とし、地元野菜を使った煮物や天ぷら、刺身、ひとくち和風デザート、食後に黒豆茶を添えた定食で、客単価は1,250円程度である。食に敏感な女性を中心に、ランチ時には大行列ができる。

 

観光地として脚光を浴びているは外部環境の機会。

ターゲットがこの段落には溢れてます

①<女性やシニア層>が連日街を訪れ

②<日本の伝統に興味のあるアジアからの外国人観光客>も多い

③<食に敏感な女性>

女性は2回登場で確定。シニア層、アジアからの外国人観光客。

全て入れてもいいけど字数が入るか。

鉄則はターゲットは絞ること、けれども本試験の時間の無い中では、分からなければ入れちゃえ。後悔しない様に。

誰をターゲットにしたという選定よりも、ターゲット を選定した根拠が重要。

根拠も含めて解答する。

第2問(設問1)に対応する。

 

第2問(配点30点)
<11 代目予定者>は、自分の代になってからもこれまでの製造スタイルを大切にしな
がら成長を追求していくつもりでいる。しかしながら、製品アイテム見直すことを
考えている。

(設問1)
B社の「今後」の成長に必要な製品戦略について、ターゲット層を明確にしたうえで、100 字以内で説明せよ。

 

自社製品をフルラインアップで販売する<直営店>を出店した。

飲食店は、地元食材の利用カロリーや減塩など健康に配慮したメニューと彩り鮮やかな盛り付けで、観光情報誌やグルメサイトなどにも数多く取り上げられている

食に敏感な女性を中心に、ランチ時には大行列ができる。

 

後半部分は(設問2)に対応する。

 

(設問2)
(設問1)で想定したターゲット層に訴求するための、プロモーション販売の戦を80 字以内で説明せよ。

 

この問題は助言問題で与件から抜いて解答するのではなく、設問解釈からの想起の方が強い。

 

そして、第3問にも対応します。

 第3問(配点20 点)
 「3年前」に開業した直営店併設の飲食店は、売り上げが好調である。B社が飲食店を
直接経営することによって、どのようなメリット効果を得られるか。売り上げが向上すること以外のメリットと効果について、100 字以内で説明せよ。

 

この問題も助言問題で、設問解釈から想起しないといけないです。

 

第4段落

④B社は「かつて」業務用製品も製造していたが、<大手メーカー>の激しい低価格攻勢を受け、「現在」ではほとんど最終消費者向け製品に特化している。ただし例外もいくつかある。たとえば親子丼で有名なある鶏料理専門店は、B社のしょうゆの濃厚さと芳醇さに惚れ込み、もう30 年来、取引が続いている。

 

→きました、親子丼で有名なある鶏料理専門店

この資源をどこに使うのか?といった論争が出ているこの段落。

既にそのからくりを知ってしまったら、迷わず新たなブランド構築のために提携するという発想に至ってしまいます。

しょうゆの濃厚さと芳醇さに惚れ込み、もう30 年来、取引が続いている。

関係が深いから業務提携のコラボ商品の開発を頼み易い。

出てくる資源は使うというスタンスだった平成28年度の問題。 

 

第4問(配点30点)
「 昨今」の<多くの中小しょうゆメーカー>では、インターネット販売を展開している。B社もまた、新規事業として直接、<最終消費者>に対するインターネット販売に乗り出したいと考えている。

(設問1)
インターネット販売を軌道に乗せるためにB社が採るべきブランド戦略を50 字以内で提案せよ。

 

第5段落

⑤B社の製品ラインアップは多岐にわたるが、大きく2つのカテゴリーに分けられる。第1に、<基本調味料としてのしょうゆ>である。伝統的手法で作られた天然醸造しょうゆ、減塩しょうゆ、大豆も塩も小麦もすべて地元産の原材料で製造した数量限定しょうゆなどがこれに含まれる。第2に、<B社のしょうゆをベースに作られたしょうゆ関連製品>である。ここには、だししょうゆ、こんぶしょうゆ、たまごかけごはんしょうゆなどのしょうゆ加工品、蕎麦用かえし、ドレッシングや鍋つゆなどのたれやつゆ類が含まれる。「なお」、<しょうゆ加工品>は、正確にはJAS 規格(日本農林規格)の定義でいう「しょうゆ」には入らない(注1)。

(注1)JAS 規格の「しょうゆ」とは、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆ、たまり

しょうゆ、さいしこみしょうゆ及びしろしょうゆの5タイプのみを指す。

 

製品ラインアップは多岐にわたるが、大きく2つのカテゴリー

第1に、<基本調味料としてのしょうゆ>

第2に、<B社のしょうゆをベースに作られたしょうゆ関連製品>

「なお」、<しょうゆ加工品>は、「しょうゆ」には入らない。

 

第1問のこれまでの製品戦略、そして、第2問(設問1)の「今後」の成長に必要な製品戦略に対応する段落。

 

ここで図表を見ていきます。

【図表1】

一世帯人員(人)が減少。減少とともに購入数量・一世帯あたり支出金額、しょうゆの出荷数量・日本の総人口・1人当たり消費量と全て減少傾向。

以上。f:id:Y_Shin:20201003235209p:plain

 

【図表2】

めん類等用つゆとしょうゆ加工品、たれ類が1以上の推移で伸びており、しょうゆの出荷数量が減少。

メッセージは以上。

f:id:Y_Shin:20201004233940p:plain
 

図表は、すべて1スライド1メッセージ。

 

与件文の前半に第1問、第2問、第3問の根拠があります。

ただ抜けばいいだけではなく、助言問題は要素から想起して書かないといけないです。

 

f:id:Y_Shin:20201003134850p:plain

食に敏感な女性

しょうゆ、麺料理、うどん、煮物、天ぷら、刺身、和風デザート、黒豆茶、親子丼、たまごかけごはん、蕎麦。

食べるものばかりが出てきます。

事例Ⅱはちょうどお腹がすく12時代での試験。このいきおいで昼休みに食べすぎると、次の事例Ⅲで血糖値が高くなり頭の回転が鈍ります。残念。

 

問題に対応した書籍紹介

平成28年度(2016年度)の解答解説が掲載されている書籍です。

過去問

診断協会のホームページからダウンロード

中小企業診断士試験問題

AASのホームページからダウンロード

試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。

2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校

 

TAC 定番の過去5年間の過去問の解答解説

 ふぞろいな合格答案10

 平成28年度試験(2016年度試験)の答案分析と再現答案

 ふぞろいな再現答案4、再現答案4

 平成28年度と平成27年度試験(2016年度と2015年度試験)の答案分析と再現答案

中小企業診断士2次試験 ふぞろいな答案分析 4

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  • 発売日: 2018/03/20
  • メディア: 単行本
 
中小企業診断士二次試験 ふぞろいな再現答案 4

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  • 発売日: 2018/03/20
  • メディア: 単行本
 

 ふぞろいな合格答案 10年データブック

 平成28年度(2016年)~ 平成19年度(2007年)の10年間分が収録。

 事例問題攻略マスター(第2版)

再現答案やプロセスではお薦めです。

各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。

中小企業診断士2次試験 事例問題攻略マスター (第2版)
 

TBC速習2次過去問題集 平成28~30年度

 

本日のまとめ 

今回の記事は いかがでしたでしょうか。

最後に本日のまとめとなります。

今回は「平成28年度 事例Ⅱ 与件の前半が山 解答の要素は少なかった」でした。

  • 誰をターゲットにしたという選定よりも、ターゲット を選定した根拠が重要。

    根拠も含めて解答する。

  • 出てくる資源は使うというスタンスだった平成28年度の問題。 
  •  図表は、すべて1スライド1メッセージ。

  •  助言問題は解答の要素と設問解約から想起して書かないといけない。 

2次筆記試験まであと21日。

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