おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅲ 新しい傾向。社長の方針には当然応える」です。
まずは令和1年度 事例Ⅲの過去記事です。
「令和1年度 事例Ⅲ 炎上せず。問われ方は違えど設問はオーソドックス」
「令和1年度 事例Ⅲ 夏休みのご計画はいかがですか?計画と統制です。」は下記です。
事例Ⅲの与件文のボリュームと図
令和1年度の事例Ⅲの問題は図がございませんでした。
その代わりに文章量が若干多め。
こんな与件文のボリュームと図の有る無しは果たして法則があるのか。
令和1年度:2,522文字、平成30年度:2,558文字、平成29年度:2,132文字、
平成28年度:1,897文字、平成27年度:2,014文字、平成26年度:2,155文字、
平成25年度:2,285文字、平成24年度:2,236文字
令和1年度と平成30年度で比較すると、与件文のボリュームが約300字ぐらい多くなりました。
この傾向だと令和2年度の与件文も同様に多いのか?3年連続同じ傾向も考えられます。
図については
令和1年度:無し、平成30年度:2つ、平成29年度:無し、平成28年度:3つ、
平成27年度:3つ、平成26年度:無し、平成25年度:無し、平成24年度:3つ
有無は2年に1度の頻度ですね。
昨年図が無かったことから、令和2年は図がでる可能性大ですかね。
生産管理の与件部分が複数段落
与件文後半を読んでいきます。
【生産の概要】
第8段落
⑧生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。両部門とも受注生産であることから、納期を優先して月ごとに日程計画を作成し、それに基づいて日々の作業が差立てされる。納期の短い注文については、顧客から注文が入った時点で日程計画を調整、修正し、追加される。機械加工受注品に使用される材料の調達は、日程計画が確定する都度発注し、加工日の1 週間前までに納品されるように材料商社と契約しており、材料在庫は受注分のみである。
→正確に読まないと、混乱してきます。
まず、問題点「機械加工部と熱処理部それぞれで立案」
これは統合して全体を俯瞰して計画する必要がありますよね。
次に「納期を優先して月ごとに日程計画を作成し」月ごとでよいのでしょうか?
これはもっと増やさないといけない。
「 材料の調達は、日程計画が確定する都度発注し、加工日の1 週間前までに納品
されるように材料商社と契約しており、材料在庫は受注分のみである。
このままでよいのでしょうか?
在庫も連動して管理していかないといけない。
生産計画と在庫の管理の改善の視点。
生産管理の段落は問題点を検討して、加えて改善策検討していきたいです。
【自動車部品機械加工の受託生産計画】
第9段落
⑨C 社では、<自動車部品メーカーX 社>から生産の移管を求められている自動車部品機械加工の受託生産について検討中である。
第10段落
⑩その内容は、自動車部品専用の熱処理設備で加工しているX 社の全ての部品の機械加工であり、C 社では初めての本格的量産機械加工になる。受託する<金属部品>は、寸法や形状が異なる10 種類の部品で、<加工工程>は部品によって異なるがそれぞれ5工程ほどの<機械加工>となり、その加工には、旋盤、フライス盤、研削盤、またはマシニングセンタなどの工作機械が必要になる。この受託生産に応える場合、機械加工部門の生産量は現在の約2倍になると予想され、現状と比較して大きな加工能力を必要とする。
→第2問にひもづけられます。
生産量は現在の約2倍
ということは加工量が増大して、稼働率も上昇。
ここでマシニングセンタでしたか。
本試験で読んでいた時は完全に読み飛ばしてました。
マニングセンタ
第3問(設問1)と対応してきます。
自動工具交換機能(英: automatic tool changer; ATC)を有したNCフライス盤のこと。工具マガジンに多数の切削工具(ツール)が格納されており、コンピュータ数値制御(CNC)の指令によって機械が自動的に工具を交換することにより、フライス削りや中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの様々な加工を連続して行うことができる。
Wikipediaより引用。
この部分を解答に入れられるかどうか、そもそも読み飛ばしていますような与件文の書き方。
第11段落
⑪また、この機械加工の受託生産の実施を機会に、X 社で運用されている後工程引取方式を両社間の管理方式として運用しようとする提案が<X 社>からある。具体的運用方法は、X 社からは3 カ月前に部品ごとの納品予定内示があり、1 カ月ごとに見直しが行われ、納品3 日前にX 社からC 社に届く外注かんばんによって納品が確定する。これら納品予定内示および外注かんばんは、通信回線を使用して両社間でデータを交換する計画である。
→一見問題の無い、文章に反対にとまどいます。何が悪いのかわからない。
3 カ月前に部品ごとの納品予定内示があり、1 カ月ごとに見直しが行われ、
納品3 日前にX 社からC 社に届く外注かんばんによって納品が確定する。
日数が記載されていますが、このスケジュールは、果たしてルーティーンでいいのでしょうか?
顧客都度による短納期要請ががあることは目に見えてます。
お客様主義ですね。
どうすれば短納期に対応できるのか。
事例企業には改善点があるので想定して理解しましょう。
第3問(設問2に対応付けれらます。)
第12段落
⑫外注かんばんの電子データ化などのシステム構築は、<X 社>の全面支援によって行われる予定となっているが、確定受注情報となる外注かんばんの社内運用を進めるためには、C 社内で生産管理の見直しが必要になる。この後工程引取方式は、X 社自動車部品の機械加工工程および自動車部品専用の熱処理工程に限定した運用範囲とし、その他の加工品については従来同様の生産計画立案と差立方法で運用する計画である。
この段落も、生産管理の見直しなどから、第3問(設問2)に紐づけられます。
後工程引き取り方式
第3問(設問2)
<X 社>と<C 社>間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるた
めに、これまで受注ロット生産体制であったC 社では生産管理上どのような検討
が必要なのか、140 字以内で述べよ。
「従来同様の生産計画立案と差立方法で運用する計画」
この部分は依然と同じ・従来通りはあり得ないです、変更しないといけないですね。
第13段落
⑬生産設備面では、現在の機械加工部門の工程能力を考慮すると加工設備の増強が必要であり、敷地内の空きスペースに設備を増設するために新工場の検討を行ってい。C 社社長は、この新工場計画について前向きに検討を進める考えであり、次のような方針を社内に表明している。
1.X 社の受託生産部品だけの生産をする専用機化・専用ライン化にするのではなく、将来的にはX 社向け自動車部品以外の量産の機械加工ができる新工場にする。
2.これまでの作業者のスキルに頼った加工品質の維持ではなく、作業標準化を進める。
3.一人当たり生産性を極限まで高めるよう作業設計、工程レイアウト設計などの工程計画を進め、最適な新規設備の選定を行う。
4.近年の人材採用難に対応して、新工場要員の採用は最小限にとどめ、作業方法の教育を実施し、早期の工場稼働を目指す。
→社長の表明。これは初でしたね。1~4全て解答すればいいのかと初見では思いました。
第3問(設問1 )は、この部分に対して指摘して解答を検討する問題でした。
・X 社向け自動車部品以外の量産の機械加工ができる新工場にする。
・作業標準化作業設計
・工程レイアウト設計などの工程計画を進め、最適な新規設備の選定
・作業方法の教育を実施し、早期の工場稼働。
社長の思いを実現する解答を書くのはベスト・
第3問(設問1)度々
C社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のた
めの新工場の在り方について120 字以内で述べよ。
第14段落
⑭現在C 社社内では、各部の関係者が参加する検討チームを組織し、上記のC 社社長方針に従って検討を進めている。
→最後は第4問との対応。
今までの強みや機会を活かして、弱みを克服して収益を上げる方向性です
工場移転計画
社長の方針を事前にとらえて、課題を提起する。
移転する前にやらなければならないことを予め整理しておりて、
移転後のレイアウトなどを想起しないといけない。
最後に解答用紙をアップします。
生産管理の部分を寒色で記載していたため、
強みがプロットが出来ておらず。どの部分が最も重要かが分かりづらい与件文となって
いると感じました。
生産概要の部分のマーキングはお好みあわせて随時検討していく必要あります。
寒色系を複数使用して表そうとしましたが、いまいち見づらかったです。
やりやすい方法でマーキングをして頂きたい。
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本日のまとめ
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図の出題は2年に1度の頻度ですね。令和2年は図がでる可能性大?
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生産管理の段落は問題点を検討して、加えて改善策当てはめたい。
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事例企業には改善点があるので想定して理解しましょう。
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社長の思いを実現する解答を書くのはベスト
- やりやすい方法でマーキングをして頂きたい。
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