おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅲ 夏休みのご計画はいかがですか?計画と統制です。」です。
まずは令和1年度 事例Ⅲの過去記事です。
「令和1年度 事例Ⅲ 炎上せず。問われ方は違えど設問はオーソドックス」は下記です。
いよいよ今日からお盆休暇?
いよいよ本日からお盆休暇?といった方も多いかもしれないです。
今年は常に在宅だったり、旅行や帰省が禁止など制約の多い寂しい夏になりそうですね。
在宅しているとこの暑い中外に出ること事態が体力を奪われるし、頭も回らなくなるので、生産性が悪くなると感じます。あんまり家からそもそも出たくない。
熱中症も問題だし、頭が回らなくなるこの暑さは大敵です。
そんな中家で今何をするのか?
ブログでしょ。じゃなくて、2次試験対策でしょ。
ここで浮かれてバカンスはないと思います。
とはいっても、夏も満喫したい人のために文字情報です。
海とか山とか花火とか、バーベキューとか、釣り、キャンプ、森林浴、避暑地に、海外、ビーチにスイカ割、手持ち花火、肝試し、盆踊り大会、テントを張って寝る、蚊に刺される、虫よけが必要、避暑地はゴキブリが出ない、東京はゴキブリが出る、熱中症、寝付けない、蝉の声、飛んで火にいる夏の虫、夏の思い出、夏といえばということを連想しました。
夏っていいことばかりじゃない。
でもそんな夏の思い出を作りたい。
夏休みは生産計画と生産統制の理論をつかって、日程計画をたてて、
朝、昼、夕方、夜と1日を割り振って、予定を効率的にいれていき、進捗や余力管理。
やりたいこと、やらないといけないことの進捗管理。
自分の体力を考えて、負荷、睡眠時間や休息を踏まえた余力管理。
勉強時間の外段取り化。勉強リードタイムを短縮して、生産性の向上。
当然2次対策が佳境となる中、受験勉強も余暇も計画と統制で管理をして、
思い出の残る夏にしたいものです。
家族でバーベキュー
まだまだ続く直前期の勉強追い込みのためにも息抜きも大事です。
事例Ⅲへの苦手意識
実は依然の記事でも書かせて頂きましたが、初めて受験した模試で
事例Ⅲだけ「0点」をとったことがあります。
これがこの事例Ⅲの苦手意識との出会いでした。
そもそも書いてあることが良くわかない。
事例Ⅰも同じですが、「製造業」の事例が2次試験の問題ではかなり多いです。
「製造業を制する者は、2次試験を制する。」の様に。
確かそのいいかたは、「事例Ⅳ」だったような。
いつでもどこでも製造業。日本という国は製造業で発展してきた国で割合も大きく、
はたまた製造業の中小企業を支援しろと経済産業省のメッセージなのか、試験委員の方達が製造業を研究していて製造業を扱いたいのか。
理由はともかく製造業ばかりが出てきます。
製造業のビジネスモデル、製造業の問題点と課題を見極め・熟知して、
事例Ⅲに対応していかないと与件を浅くしか読み込めません。
一方、試験対策としてはセオリーがあります。
戦略問題、生産管理、生産性向上の設問を与件の段落から根拠を探して解答していく。
事例Ⅲの与件文はご丁寧に【C社の概要】、【C社の生産概要】、【Cの新規課題系のこと】と3つの題目が必ず設定されており、それぞれに書かれていることが整理されていることから、読みやすく、混乱しにくい構成にはなっております。
事例Ⅲの構成上では第〇問の根拠が与件文のどのあたりに書かれているかを推測しやすく、一見解答の根拠が探しやすくなっている設計です。
熱処理と機械加工のC社
与件文前半を読んでいきます。
マークの識別は以下の通りです。
暖色は強みと機会。
寒色は弱みと脅威。
黄土色はキーワード。
事例Ⅲはマーキングに苦労しました。
特に生産概要部分はさまざまなことが書かれておりますが、SWOTの視点というよりも、第何問と紐づける段落か内容化でマーキングした方が効率がよかったです。
主に寒色系の緑と水色で生産概要部分はマークしていきます。
【企業概要】
第1段落
①C 社は、<輸送用機械、産業機械、建設機械など>に用いられる金属部品の製造業を<顧客>に、金属熱処理および機械加工を営む。資本金6 千万円、従業員数40 名、年商約5 億円の中小企業である。組織は、<熱処理部>、<機械加工部>、<設計部>、<総務部>で構成されている。
→冒頭はお決まりのC社の概要。
C社の扱っている商品、顧客、どんな製造手段か。金属熱処理および機械加工。
「〇〇部」があるのか必ずチェックしたい。
設計がある。CAD・CAMなどを想定。
営業部や開発部がないこともあわせて抑える。
第2段落
②金属熱処理とは、金属材料に加熱と冷却をして、強さ、硬さ、耐摩耗性、耐食性な
どの性質を向上させる加工技術である。多くの金属製品や部品加工の最終工程として、製品品質を保証する重要な基盤技術である。金属材料を加熱する熱処理設備など装置産業の色彩が強く、設備投資負担が大きく、また素材や形状による温度管理などの特殊な技術の蓄積が必要である。このため、一般に金属加工業では、熱処理は内製せず熱処理業に外注する傾向が強い。C 社は「創業当初」から、熱処理専業企業として産業機械や建設機械などの部品、ネジや歯車など他社の金属製品を受け入れて熱処理を行ってきた。
→「装置産業」
装置産業(そうちさんぎょう)とは、一定以上の生産やサービスの提供のために巨大な装置(システム)を要すると考えられる産業、あるいは十分な装置や設備を整えればそれだけで一定の成果・収益が期待できると見られる産業を指す用語。積極的な設備投資が求められる製造業を中心とした第二次産業全般を指すことが多い
Wikipediaより引用
設備装置を所有しないとなりたたないビジネスで、その設備を購入するためには先行投資が必要。その機械自体を所有していることが強みとなるが、その設備の稼働率の向上が課題となる。
熱処理の説明、この段落から熱処理の特徴を抜き出して解答へ落とし込む。
第3段落
③その後、熱処理加工”だけ”でなく、その前工程である部品の機械加工も含めた依頼があり、設計部門と機械加工部門をもった。<設計部門>は、発注先から指示される製品仕様をC 社社内の機械加工用に図面化するもので、<現在2 名>で担当している。<機械加工>は、多品種少量の受注生産で、徐々に受注量が増加し、売上高の増加に貢献している。
→ 熱処理加工だけでははく、前工程まで扱うことで、付加価値の高さを訴求した、一貫生産体制が出来るような体制をもちあわあせながら、顧客ニーズに対応して、受注量を高めて、個別受注生産に対応して、多品種少量化。
設計部門は少数精鋭の2名体制だった。
ここにも課題がありそうです。
②③段落は、第1問に対応付けられます。
第1問
C 社の事業変遷を理解した上で、C 社の強みを80 字以内で述べよ。
第4段落
④「約10 年前」、<所属する工業会>が開催した商談会で、金属熱処理業を探していた<自動車部品メーカーX 社>との出会いがあり、自動車部品の熱処理を始めた。その後X 社の増産計画により、自動車部品専用の熱処理工程を増設し、それによってC 社売上高に占めるX 社の割合は約20 %までになっている。さらに「現在」、X 社の内外作区分の見直しによって、熱処理加工に加え、前加工である機械加工工程をC 社に移管する計画が持ち上がっている。
→この段落は機会の段落。よく登場してくるX社からの受注計画です。
第2問と第4問に対応づけられます。
第2問
<自動車部品メーカーX 社>からの機械加工の受託生産に応じる場合、C 社における
生産面での効果とリスクを100 字以内で述べよ。
「X 社の割合は約20 %」この下りは過去の事例問題でも同様の表現が使用されており、X社との取引関係が増加しているが、X社に取引依存になることを警告するような書き方となっている。取引依存は中小企業にとっては危うい。
価格交渉力がなくかったり、取引を停止された時の経営リスクが高まる。
第4問
新工場が稼働した後のC 社の戦略について、120 字以内で述べよ。
この問題は設問がやたらと短いです。
過去の成功体験、工業会が開催した商談会で、新規顧客がみつけられたよ。
このノウハウを使えそうです。
生産の概要は淡々と綴られていく
第5段落
【生産の概要】
⑤C 社の工場は、熱処理工場と機械加工工場がそれぞれ独立した建屋になっている。
熱処理工場は、熱処理方法が異なる熱処理炉を数種類保有し、バッチ処理されている。機械加工工場では、多品種少量の受注ロット生産に対応するため、加工技能が必要なものの、切削工具の交換が容易で段取り時間が短い汎用の旋盤、フライス盤、研削盤がそれぞれ複数台機能別にレイアウトされている。
→熱処理工場と機械加工工場がそれぞれ独立した建屋
これは課題となりそうな部分。
「多品種少量の受注ロット生産」・「複数台機能別にレイアウト」
の生産管理用語をピックアップして、今後の段落を検討していきます。
第3問(設問1)新工場計画に繋がっていきそうです。
第6段落
⑥<熱処理>は、加熱条件や冷却条件等の設定指示はあるものの、金属材料の形状や材質によって加熱・冷却温度や速度などの微調整が必要となる。そのため<金属熱処理技能検定試験に合格し技能士資格をもつベテラン作業者>を中心に作業が行われ品質が保持されている。また、<機械加工>も汎用機械加工機の扱いに慣れた作業者の個人技能によって加工品質が保たれている。
→熱処理は、金属熱処理技能検定試験の技能資格をもつベテラン作業者、
機械加工は、汎用機械加工機に慣れた作業者の個人技能。
良くも悪くも捉えられる書き方になってます。
ベテランの技能は、C社の強みであることは間違えないです。
この生産概要でC社の強みが出てくる時もありますね。
個人技能はベテラン依存で若手が育っていない、属人的、標準化さていないなどと想起することが出来ます。
第1問の強みと、第3問(設問1)の新工場の在り方の問題に、対応づけていけます。
第7段落
⑦生産プロセスは、受注内容によって以下のようになっている。
・機械加工を伴う受注:材料調達→機械加工→熱処理加工→出荷検査
・熱処理加工のみの受注:部品受入→熱処理加工→出荷検査
→機械加工を伴う場合と熱処理のみの受注の場合。
機械加工がある場合には、材料調達に時間がかかるんですと暗に伝えたかったような、フロー図です。
第8段落
⑧生産計画は、機械加工部と熱処理部それぞれで立案されるが、機械加工を伴う受注については熱処理加工との工程順や日程などを考慮して調整される。両部門とも受注生産であることから、納期を優先して月ごとに日程計画を作成し、それに基づいて日々の作業が差立てされる。納期の短い注文については、顧客から注文が入った時点で日程計画を調整、修正し、追加される。機械加工受注品に使用される材料の調達は、日程計画が確定する都度発注し、加工日の1 週間前までに納品されるように材料商社と契約しており、材料在庫は受注分のみである。
→出ました。生産計画の段落。
現況を記載している 中で、問題点と思わしき記載が複数あります。
この段落から問題点がどこかあたりがつきますでしょうか。
この段落は肝となる段落だと思います。
とはいえ明確な問題点が記載はされておらず、課題と対応策も検討しづらいような文脈となってます。
第3問の(設問2)に紐づくことは分かりやすいですが。
生産計画と生産統制の知識を活用して読み解く段落。
この段落の考察より、次回につづきます。
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過去問
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本日のまとめ
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当然2次対策が佳境となる中、受験勉強も余暇も計画と統制で管理をして、
思い出の残る夏にしたいものです。
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事例Ⅲは構成上で、第〇問の根拠が与件文のどのあたりに書かれているかを推測しやすく、一見解答の根拠が探しやすくなっている設計です。
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生産概要でC社の強みが出てくる時もある。
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個人技能はベテラン依存で若手が育っていない、属人的、標準化さていないなどと想起することが出来る。
- 明確な問題点が記載はされていない文脈から課題と対応策を検討しないといけない。
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