おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は「2次試験対策 事例Ⅰ H27年度 何が本業かわりづらいA社」です。
1次試験直前期にも関わらず、2次試験ネタを5月後半より書いてます。
7月11日(土)12日(日)の試験日の情報は依然として更新されていない状況です。
引き続き進捗については一般社団法人中小企業診断協会のホームページを確認して行きます。
中小企業診断士資格取得を目指す方に中小企業診断士試験のご案内です
さすがに1ヵ月前なので今更延期はないだろうと思います。
そろそろ会場の情報がアップデートされることですが。
会場の良し悪しについては会場の情報がアップされましたら、お伝えしようと思います。
何が本業か分かりづらいA社
今回は平成27年度試験事例Ⅰをみていきます。
H27年度のA社は何が本業か分かりづらい構成になってます。「プラスチック製品メーカー」と「プラスチック製容器製造を手がける関連会社」の2社製造業のストーリー。
プラスチック製容器製造と、自動車部品製造、健康ソリューション事業と色んな事業をやってます。多角化ですね。
無関連多角化はシナジー効果が得られないので、関連多角化が良い。
無関連多角化であればどのような経営管理や組織改革をすればよいのだろうか。
設問や与件の特徴
平成27年度の事例Ⅰの問題は、設問数が5題とスタンダート。
第1・3・4・5問が100字、第2問のみ120字と事例Ⅰの王道の構成。
与件文は2,359字で通常の文章量。
設問解釈
設問は5題。この設問解釈が悩ましい。何度か解いたことがあるので判断つきますが、この設問解釈を一発勝負の本試験で出来るようになることが最も重要です。
レイヤーを外さないこと。
設問解釈を訓練するには非常に良い設問だと思います。
過去問を使った設問解釈の訓練はとても重要です。
それでは第1問から。
第1問<配点20点>
ゲートボールやグラウンドゴルフなど、A 社を支えてきたスポーツ用品事業の市場には、どのような特性があると考えられるか。100 字以内で述べよ。
→市場分析。SWOT分析。機会・脅威。外部環境分析。経営戦略問題。
5フォース、参入障壁の知識。
「特性」とはどのようなことなんでしょうか。
「特性」、「特徴」、「特長」と同じような意味の言葉もあるので混乱します。
辞書で調べると意味が違います。
「特性」は、そのものだけが持つ性質。特有のすぐれた性質。特質。
「特徴」は、他と比べて特に目立つ点。きわだったしるし。
「特長」は、他よりも特にすぐれている点。特別の長所。
事例問題では、特に設問では、単語の差異も嗅ぎ取る必要があります。
第2問<配点20 点>
A社は、「当初」、「新しい分野」のプラスチック成形事業を<社内>で行っていたが、その後、<関連会社>を設立し移管している。その理由として、どのようなことが考えられるか。120 字以内で述べよ。
→経営戦略と組織構造の両方の要素を含んだ問題。識別が難しい。
100字より20字多いのでその20字で追加要素を入れるか、前提説明を長めにとるか。
「新しい分野」の事業を<社内>から<関連会社>に移管した理由。
第3問<配点20点>
<A社>および<関連会社>を含めた<企業グループ>で、大型成形技術の導入や技術開発などによって、<プラスチック製容器製造事業>の売上が60%を占めるようになった。/そのことは、「今後」の経営に、どのような課題を生み出す可能性があると考えられるか。中小企業診断士として、100 字以内で述べよ。
→<プラスチック製容器製造事業>は、大型成型技術の導入や技術開発などによって、売上が60%を占めるようになった。
売上が60%占めるとどうなるのかを考える問題。プラスチック製容器製造事業への依存体質。経営資源が分散。
経営戦略を中小企業診断士の1次知識を使って解答する。
「中小企業診断士として、」は、中小企業診断士1次試験で学習した内容を使って解答すればよいです。
第4問<配点20点>
<A社>および<関連会社>を含めた<企業グループ>で、成果主義に基づく賃金制度を、あえて導入していない理由として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で述べよ。
→人的資源管理の問題。
成果主義をあえて導入していない理由。知識で解く問題。
成果主義のデメリットの知識。短期的な思考に陥る。ベテラン従業員が給料体系が変わることでのモチベーションの低下。組織の連帯感が薄れること。
第5問<配点20点>
<A社>の<健康ソリューション事業>では、スポーツ関連製品の製造・販売だけではなく、体力測定診断プログラムや認知症予防ツールなどの<サービス事業>も手がけている。そうした<サービス事業>をさらに拡大させていくうえで、どのような点に留意して組織文化の変革や人材育成を進めていくべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。
→<サービス事業>をさらに拡大していくために、組織文化の変革や人材育成を進めるうえでの留意点。
組織文化、人的資源管理の問題。第4問に続き知識で解く問題。
どうしたら組織文化の変革が行えるか。組織の全体の大きな変革が必要。
人材育成の知識。OJT、Off-JT、外部研修。
この年の設問第1問~第3問は、外部環境分析から、経営戦略と組織構造、組織文化の切り分けと解答の方向性を定めるのが難しいです。
第4・5問は人的資源管理や組織文化の知識問題となってます。
問題に対応した書籍紹介
平成27年度(2015年度)の解答解説が掲載されている書籍の紹介です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
TAC
定番の過去5年間の過去問の解答解説。
令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分。
ふぞろいシリーズ
ふぞろいな合格答案10年データブック
平成28年~平成19年の10年間分の事例問題の再現答案とベスト解答、採点基準が記載されているので直近の過去問をやりつくしてしまった方も活用して、平成19年以降の過去問を勉強することができます。
これさえあればとりあえずの解答は入手できます。
ふぞろいな答案分析3
2014年と2015年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。解答だけでなく分析コメントや特集記事など詳細まで知りたい方向けです。
2014年と2015年のふぞろいの後半部分をの80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。
事例問題攻略マスター
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
平成28年(2016年)~平成24年(2012年)までの過去5年分です。
TBC受験研究会
本記事より、追加しました。
本日のまとめ
- 何が本業か分かりづらい構成。
- 設問解釈の訓練するには非常に良い設問。
- 過去問を使った設問解釈の訓練は重要。
- 設問解約は単語の差異も嗅ぎ取る必要がある。
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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