おはようございます。
中小企業診断士試験のシンです。
本日は1次試験の科目、「企業経営理論」についてです。
企業経営理論の概要と学習の進め方
受験予備校では一番最初に授業で習う科目と位置付けられ、2次試験事例Ⅰ組織・人事、事例Ⅱマーケティング・流通の知識にも繋がる重要科目です。
企業経営についての体系的な知識を学びたいという理由から受験勉強を始められた人も多いかと思います。
この科目の最大の特徴は、「理解不能な難解な日本語の解釈」です。
5択の内どれが最も適切なのかについて答えること。
1次試験全般ですが、どれが正しいかの問題ではなく、どれが最も適切なのかです。
より深りして表現を解約すると、一部分だけが誤っていると解約もでき、他はだいたい間違っていないような選択肢は最も適切とはいえない。
中小企業診断士試験は大人の試験でほとんど正誤や没問題も出ておらず、特に企業経営理論は作問も難しいので、考えかたによっては微妙に正解であったりする選択肢もあります。
大人の問題であることを意識して問題に取り掛かります。
さて、まず初めにテキストを読んで、講義を聞いて理解した気になります。
独学者の方も初めは、TACなら「スピードテキスト」(通称スピテキ)、LECなら「FOCUSテキスト」を活用すると思います。
2020年版 出る順中小企業診断士FOCUSテキスト 3 企業経営理論 出る順中小企業診断士FOCUSシリーズ
- 作者:東京リーガルマインド LEC総合研究所
- 発売日: 2019/09/11
- メディア: Kindle版
戦略論でいえば、ドメインから始まり、PPM、競争戦略、規模の経済、範囲の経済、経験曲線効果、M&A、魔の川・死の谷・ダーウィンの海など理論を一つ一つ覚えます。
ただなんとなく流れていき、暗記科目でもないので正直テキスト上では暗記するところは少ないです。
では、テキストを確認したあとに実際に過去問を問いてみます。
過去のTACの答練の問題を集約した基本問題集のTAC「スピード問題集」(通称スピ門)もございますが、本試験レベルの問題を知ることが重要なので、いきなり過去問を問いていってもよいと思います。
「ア~オの5択かあ。」
〇〇に関する記述として、最も適切なものはどれか。
とりあえず、上から問題文を読んでみる。
ア、「ふむふむ内容はまちがってないな。」
イ、「どこが間違っているのかな。」
ウ、「これも間違ってないだろ。」
エ、「これも間違ってねー。やばいな。」
オ、「やはり、間違ってない。」
ガーン
どれが正しいんだ・・・。
一番まずいパターンです。
問題のパターンと攻略法
問題にはひっかけどころのパターンがいくつかあります。
用語の入れ替え、形容詞の比較・入れ替え(大きいと小さい、あるとないとか)、文章のつながりがおかしい、因果関係が成り立たない。
企業経営理論が難解な日本語になっている理由は、文章の出典先が英語で書かれたアメリカの経営学者の書籍で、日本語訳した際の解釈により微妙なニュアンスの表現が変わってしまっているからでもあります。
とはいえ、どうやって、攻略するか。
問題を解くときに間違っていたら、どの選択肢で間違えたのか。
各選択肢ごとに間違っている個所を指摘、ツッコミをいれて、怪しむ。
逆にツッコんだ個所が違った。
間違えたときは、何故間違えたのか。
知識が足りなければ、補充する。
理由を検証していく。
自分の間違えパターンを見つける。
精度を上げていく。
最終的な境地としては、「過去問を楽しむ、理解不能な日本語が心地よくなり好きになる。」といった、境地に行き着くことだと思います。
3年以上の学習期間で1問あたり5回以上は問いていたと思います。
過去10年分、過去問マスター(同友館)も解きました。
本日のまとめ
とにかく、やりこんでも、時間をかけても、やり方を間違えると成果につながらない。
随分と遠回りしました。
企業経営理論は最後まで得意科目にはなりませんでしたが、理論を覚えて、過去問を愛する。
「企業経営理論」は中小企業診断士試験において、2次試験までつながる、最初の関門にして最重要科目です。
2019年度第1問解説 ドメインの問題の実況解説
〇最後に2019年度第1問を実況解説します。
第1問 多角化して複数の事業を営む企業の企業ドメインと事業ドメインの決定に関する 記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業ドメインの決定は、個々の事業の定義を足し合わせるのではなく、外部の 利害関係者との間のさまざまな相互作用の範囲を反映し、事業の定義を見直す契 機となる。 イ 企業ドメインの決定は、新規事業進出分野の中心となる顧客セグメント選択の 判断に影響し、競争戦略策定の出発点として差別化の基本方針を提供する。
ウ 事業ドメインの決定は、将来手がける事業をどう定義するかの決定であり、日 常のオペレーションに直接関連し、全社戦略策定の第一歩として競争戦略に結び 付ける役割を果たす。
エ 事業ドメインの決定は、多角化の広がりの程度を決め、部門横断的な活動や製 品・事業分野との関連性とともに、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含し ている存続領域を示す。
オ 事業ドメインの決定は、特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域 の範囲をどう定義するかについて、企業が自らの相互作用の対象として選択した 事業ポートフォリオの決定である
「企業ドメイン」と「事業ドメイン」の知識を問う毎年出題される定番の問題でした。
この問題を約2.5分で回答し、基本的な問題なので必ず正解することがゴールです。
【解説】
第1問 多角化して複数の事業を営む企業の企業ドメインと事業ドメインの決定に関する 記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業ドメインの決定は、/個々の事業の定義を足し合わせるのではなく、外部の 利害関係者との間のさまざまな相互作用の【範囲】を反映し、事業の定義を見直す契 機となる。
→間違ったことは言っていない。〇
イ 企業ドメインの決定は、/新規事業進出分野の中心となる<顧客セグメント>選択の 判断に影響し、競争戦略策定の出発点として【差別化】の基本方針を提供する。
→差別化?△
※アとイは企業ドメイン、ウエオは事業ドメインのこと、分割の境界線を引く。
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ウ 事業ドメインの決定は、/将来手がける事業をどう定義するかの決定であり、日 常のオペレーションに直接関連し、全社戦略策定の第一歩として競争戦略に結び 付ける役割を果たす。
→事業ドメインが全体戦略の競争戦略に結びつける役割?△×
全体戦略は企業ドメインのこと
エ 事業ドメインの決定は、/多角化の広がりの程度を決め、部門横断的な活動や製 品・事業分野との関連性とともに、将来の企業のあるべき姿や経営理念を包含し ている存続領域を示す。
→多角化の広がり?将来の企業のあるべき姿×、経営理念×
企業ドメインのこと
オ 事業ドメインの決定は、/特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域 の範囲をどう定義するかについて、企業が自らの相互作用の対象として選択した 事業ポートフォリオの決定である
→特定市場での競争戦略に影響を受け、将来の事業領域 の範囲をどう定義するか×
以上から、最も適切なのは「ア」でした。
事業ドメインと企業ドメインの入れ子問題で基本的な知識を問う問題。
第一問の選択肢「ア」を正解ともってくるところが、逆に嫌らしいと感じた問題でした。
私の当日の難易度評価はBでした。
Aでもよいかもしれないですが、第1問で正解がアということもあり慎重でした。
難易度評価
あとで見返すときのためにABCでランク付けする。
A 確実に正解で見返す必要のない問題。正答率80~100%。難易度:低
B 正解だとは思うが、見返す必要のある問題。50~60%。難易度:中
C 難解な問題。正答率20~40%。難易度:高
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