
こんばんは。中小企業診断士の山口晋です。
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本日のテーマは
「【令和8年度 事例Ⅳ ヤマ当て!アンコール】ディシジョンツリーが出たら|型は3つ、過去問の引っかけは「場合ごとに違う数字」」です。
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- 1|ディシジョンツリーは、どれくらい出ているか
- 2|出方は3つ(例題で押さえる)
- 3|ツリーは左から書いて、右から解く
- 4|過去問① 令和5年度 第3問
- 5|過去問② 令和6年度 第3問
- 6|過去問から見えた3つの問い
- 7|本番の取り方
- まとめ
- 関連記事|シリーズの記事一覧
【令和8年度 事例Ⅳ ヤマ当て!アンコール】ディシジョンツリーが出たら|型は3つ、過去問の引っかけは「場合ごとに違う数字」
事例Ⅳのヤマ当てにいただいたコメント「ディシジョンツリーが大の苦手です。出ないことを切に願ってます」にお応えして、追加の1本を作りました。
今日の結論は3つです。出方は「期待値」「調べる価値」「先に延ばす」の3つだけ。ツリーは左から書いて右から解く。過去問の引っかけは、場合ごとに違う数字と、わかってから決められる価値です。
動画の内容を、文字で整理しました。
▶ 事例Ⅳ ヤマ当て!アンコール|動画はこちら
この記事は、同じ日の夕方に公開したアンコール動画の内容を文字で整理したものです。
動画では、受験生のみおさんと一緒に、基礎の3つの型から、令和5年度・令和6年度の実際の過去問まで進めています。
記事は復習用です。手を動かしながら確認してください。
※この記事の正答率は、壱市コンサル塾の再現答案採点サービスに提出された令和7年度試験の再現答案213名分を集計したものです。
1|ディシジョンツリーは、どれくらい出ているか
19年分の出題を見ると、確率と期待値を使う問題は6回です。平成に4回、令和に入ってから2回。令和5年度と令和6年度は2年続けて出ていて、令和7年度は出題がありませんでした。
| 年度 | 出題 | 出方 |
|---|---|---|
| 平成17年度 | 出題の趣旨に「段階的な意思決定」 | 段階的に決める |
| 平成19年度 第3問 | 期待値の正味現在価値 | 研究開発→設備投資の2段階 |
| 平成21年度 第2問 | 自己資本利益率の期待値 | 確率で分かれる |
| 平成23年度 第4問 | 期待値+調査の価値 | 先に調べる価値まで |
| 令和5年度 第3問 | 場合ごとの期待値 | 投資を1年遅らせる場合も |
| 令和6年度 第3問 | 市場調査の価値 | 調べる費用をかける意味は? |
| 令和7年度 | 出題なし | ― |
2年続いて、1年休んでいます。今年また出ても、おかしくありません。ただし、6回の出方を並べると、パターンは3つしかありません。
2|出方は3つ(例題で押さえる)
| 型 | 何を問うか | 比べるもの |
|---|---|---|
| ① | 確率で分かれる場合の期待値 | 場合ごとの正味現在価値に、確率を掛けて足す |
| ② | お金をかけて調べる価値 | 調べた場合と、調べない場合(調査費を引く) |
| ③ | いま決めるか、先に延ばすか | わかってから決める良さと、1年遅れて目減りする分 |
以下の例題の数字は、説明のために作ったものです(過去問の数字ではありません)。
型① 期待値
新製品に投資するかどうかを決めます。売れれば(確率60%)正味現在価値は+50、売れなければ(確率40%)−30です。
- 0.6×50=30、0.4×(−30)=−12、足して18。プラスなので、投資する
- 確率を掛けるのは、最後の一回だけ
- 本番で時間がかかるのは、その前の、場合ごとの正味現在価値を出すところ
型② 調べる価値
投資する前に、10のお金をかけて調べると、売れるかどうかが先にわかるとします。売れないとわかったときは、投資をやめられます。
- 売れるとわかったら投資して、0.6×50=30。売れないとわかったら投資しないので0
- 合計30から調査費10を引いて20。調べない場合の18より大きいので、調べる
- 比べるのは、調べた場合と調べない場合。調査費を引き忘れない
型③ 先に延ばす
調べる代わりに、投資を1年待つとします。1年たつと売れるかどうかがわかります。ただし、もうけが入るのも1年遅れ、割り引かれて小さくなります。1年待つと、売れたときの50が45になるとします。
- 売れるとわかったときだけ投資するので、0.6×45=27。売れないときは0
- 27は、いますぐ投資する18より大きい。この例なら、1年待つほうが有利
- 調べるのも、待つのも、考え方は同じ。わかってから決めることの価値
3|ツリーは左から書いて、右から解く
- 自分が決めるところは四角、運で決まるところは丸
- 丸から出る枝に、確率を書く
- 枝の先に、金額(正味現在価値が多い)を書く
- 最後に右から左へ戻る。丸は確率を掛けて足して期待値、四角は大きいほうを選ぶ
型②の例題で書くと、いちばん左の四角から「調べる」「調べない」の2本。調べないほうは丸(売れる0.6で+50、売れない0.4で−30)で、右から戻ると18。調べるほうは、売れる0.6の先が「投資する」、売れない0.4の先が「投資しない」で、30から10を引いて20。左の四角で、大きい20を選びます。
4|過去問① 令和5年度 第3問
化粧品の会社が、新しい製品のために設備投資をするかどうか、という問題です(過去問の内容は要約しています)。年間の販売量が2つに分かれ、7割の確率で1万個、3割の確率で5000個。設備は5年間使い、割引率は8%。設問1は、場合ごとの正味現在価値と、その期待値です。型①の形です。
設問1の引っかけは3つ
- 運転資本の金額が、1万個の場合と5000個の場合で違う。片方の金額を両方に使うと、期待値まで全部ずれる
- 最後の年に戻るお金が2つある。設備を売ったお金と、最初に入れた運転資本。どちらか1つを忘れる
- 計算の過程も書くという指定。答えの数字だけだと、過程の点を落とす
正解の割合(再現答案の分析)
70点台の受験生でも、設問1の正解は4割弱。60点台では1割ほどでした。
計算の力というより、条件の読み落としで差がついた問題です。
対策は、計算の練習を増やすことではありません。表を2つ作る前に、場合ごとに違う数字に印をつけることです。
設問2:投資を1年遅らせる(型③)
1年目の終わりに、2年目からの販売量がわかるという前提です。ここでの引っかけは、お金の流れを全部1年ずらして割り引き直すだけだと、遅らせるほうが必ず不利になることです。
- 見るべきは、1年待てば、販売量がわかってから投資を決められること。少ししか売れないとわかったら、投資しない、という選び方ができる
- 投資しない1年目は、その年の固定費がかからない、という条件も反映する
- 設問1が間違っていると、設問2もつられて間違える。見直しは設問1を先に
5|過去問② 令和6年度 第3問
古い機械を新しい機械に取り替えるかどうか、という問題です。設問は3つ。
| 設問 | 内容 | 正解した人 |
|---|---|---|
| 設問1 | 取り替えで、1年目と2年目のキャッシュフローがいくら増えるか | 2〜3割 |
| 設問2 | その正味現在価値 | 1割ほど |
| 設問3 | 市場調査の価値(型②) | 232名中3名 |
設問1は「約20〜30%」、設問2は「約10%」。再現答案採点サービス 令和6年度(232名)による。
どこで落としたか
- 設問1:古い機械を売ったときの損が、税金を減らす効果を、1年目に入れ忘れる人が多かった
- 設問2:計算に使う係数が、問題文に全部は書かれておらず、手元の係数を組み合わせて自分で作る必要があった
- 設問3:232名中3名。実質的な捨て問
大事なのは、同じ大問の中でも、取る設問と、捨てる設問があるということです。設問3の調べる価値は、全部解けなくても、合否には響きにくい問題でした。
6|過去問から見えた3つの問い
- 場合ごとに、違う数字は何か。運転資本のように、さらっと書かれた違いに、先に印をつける
- いつ、何がわかるのか。1年待てばわかる、調べればわかる。わかってから決められるなら、そこに価値がある
- 何と何を、比べるのか。調べると調べない、待ついますぐ。比べる相手を先に決める
7|本番の取り方
- 場合ごとの正味現在価値までは、取りにいく。ここは、いつもの計算
- 確率を掛けるのは、最後
- 調べる価値や、先に延ばす問題は、時間が余ったら。令和6年度のように、ほとんどの人が取れていない問題もある
- 計算の過程は、必ず書く。途中まででも、書いたところまでが点になる
まとめ
- 出方は3つ:期待値、調べる価値、先に延ばす
- ツリーは、左から書いて、右から解く
- 過去問の引っかけは、場合ごとに違う数字と、わかってから決める価値
- 本番は、場合ごとの計算までは、取りにいく
事例Ⅳの全体のヤマは、前夜に公開した本編の動画と、10/13の記事でまとめています。まだの方は、あわせてご覧ください。
▶ この記事の動画版
同じ内容を動画でも扱っています。スライドを見ながら聞けるので、移動中の確認に向いています。
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