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中小企業診断士の山口晋です。
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本日は「これが最後?第12回事業再構築補助金の採択結果と過去公募回との比較」です。
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今回は「これが最後?第12回事業再構築補助金の採択結果と過去公募回との比較」についてになります。
2024年11月8日に、第12回の事業再構築補助金の採択発表がありました。
第12回は〆切となった2024年7月26日から約3ヶ月半の長いの審査期間があり、当初の予想以上に採択されない補助金となりました。
その実情や今後の展望について、採択結果のデータを踏まえて解説していきます。
【第12回事業再構築補助金の採択結果】
それでは第11回の事業再構築補助金の採択結果についてみていきます。
第12回 2024年7月26日〆切、2024年11月8日発表
審査期間は約3.5ヶ月間と通常通り長く11月上旬となる最終金曜日に結果がでております。
応募件数7,664件、採択件数2,031件、採択率約27%
〇過去の応募件数・採択数との比較
令和3年度の全5回は、第1回:応募件数19,239件、採択件数8,016件、第2回:応募件数18,333件、採択件数9,336件、第3回:応募件数18,519件、採択件数9,021件、第4回:応募件数19,673件、採択件数8,810件、第5回:応募件数21,035件、採択件数9,707件
令和4年度の全4回は、第6回:応募件数15,340件、採択件数7,669件、第7回:応募件数15,132件、採択件数7,745件、第8回:応募件数12,591件、採択件数6,456件、第9回:応募件数10,821件、採択件数5,205件
令和5年度の2回は、第10回:応募件数10,821件、採択件数5,205件、採択率約48%、第11回:応募件数10,821件、採択件数5,205件、採択率約27%、第12回:応募件数7,664件、採択件数2,031件、採択率約27%
第12回の応募件数は7,664件と、前回第11回の9,207件と比較すると約83%の応募数と減少しました。
第12回の採択率は約27%で、第11回の採択率約27%と同水準となっており、第12回の採択件数は2,031件で第11回の採択件数2,437件でと減少率は応募数と同じ約83%の水準となりました。
第11回でかなり採択率が低い補助金となりましたが、第12回の採択率は同水準の低い採択率となりました。
〇過去の採択率との比較
令和3年度の全5回の採択率は、第1回:採択率42%、第2回:採択率51%、第3回:採択率49%、第4回:採択率45%、第5回:採択率46%
令和4年度の全4回の採択率は、第6回:採択率50%、第7回:採択率51%、第8回:採択率51%、第9回:採択率45%
令和5年度の全2回の採択率は、第10回:採択率48%、第11回:採択率27%
令和6年度の全1回の採択率は、第12回:採択率27% ※第12回は、第11回と同水準のかなり低い採択率
【申請類型別採択件数と採択率】
申請類型別の第12回の応募件数、採択件数、採択率です。
全体:応募件数7,664件、採択件数2,031件、採択率27%
成長分野進出枠 通常類型:応募件数4,684件、採択件数1,038件、採択率22%
成長分野進出枠 GX進出類型:応募件数891件、採択件数317件、採択率27%
コロナ回復加速化枠 通常類型:応募件数1,189件、採択件数317件、採択率27%
コロナ回復加速化枠 最低賃金類型:応募件数604件、採択件数206件、採択率34%
サプライチェーン強靭化枠:応募件数296件、採択件数121件、採択率41%
上乗せ措置 卒業促進:応募件数1件、採択件数0件、採択率0%
上乗せ措置 中長期大規模賃金引上促進:応募件数214件、採択件数21件、採択率10%
成長分社進出枠 通常類型へ申請された方が、全体の約6割で、この申請類型が要件として最も申請しやすいものでしたが、その反面最も採択されにくい申請類型でした。
コロナ回復加速化枠 通常類型は、(a)コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】と(b)再生事業者ではないと申請できない申請類型であり応募者が少数と予測していましたが、全体の約16%の件数と2番目に申請者が多い申請類型となりました。
そして、過去の申請回と第12回とを一挙に比較してみていきます。
成長分野進出枠 通常類型と成長枠
成長分野進出枠 通常類型は、成長枠を引き継いだ申請類型となり、リストに掲載されている業種や事業を対象とした申請類型です。
第10回:応募件数2,734件、採択数1,242件、採択率45%、第11回:応募件数2,508件、採択件数698件、採択率28%、第12回:応募件数4,686件、採択件数1,038件、採択率22%
全体平均27%よりも5%も低い採択率となっており、この申請類型がかなり厳しく審査をされたという結果が分かります。
成長枠リストに掲載されている業種と事業にしか申請ができないですが、新規事業の有望性、事業の実現可能性、公的補助の必要性の3つの視点から審査がされており、極めて有望な事業ではないと採択されることが難しくなりました。
成長分野進出枠 GX進出枠とグリーン成長枠
第6回より登場した、グリーン分野での事業再構築を通じた高い成長を目指す申請類型。
第6回:応募件数493件、採択件数197件、採択率40%
第7回:応募件数543件、採択件数217件、採択率40%
第8回:応募件数434件、採択件数173件、採択率40%
第9回:応募件数372件、採択件数148件、採択率40%
第10回:応募件数631件、採択件数262件、採択率42%
第11回:応募件数597件、採択件数187件、採択率31%
第12回:応募件数891件、採択件数349件、採択率39%
最も補助金額が大きく1億円までの申請枠ですが、今回も最も採択率が高く採択されやすい申請枠となる結果でした
2回目の事業再構築補助金の申請もできる申請類型となっており、大きく事業投資をする事業者が有利となる結果です。
コロナ回復加速化枠 通常類型と物価高騰対策・回復再生応援枠
第10回より登場した申請類型が、物価高騰対策・回復再生応援枠で、第12回のコロナ回復加速化枠 通常類型と比較してみてみます。
第10回:応募件数6,775件、採択件数3,387件、採択率50%
第11回:応募件数5,671件、採択件数1,451件、採択率26%
第12回:応募件数1,189件、採択件数317件、採択率27%
コロナ回復加速化枠 通常類型は、(a)コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】と(b)再生事業者ではないと申請できない申請類型であり、物価高騰対策・回復再生応援枠と比較すると申請者は約2割程度に減少しており、採択率は第11回とほぼ同水準の低い採択率となりました。
コロナ回復加速化枠 最低賃金類型と最低賃金枠
第3回より登場した申請類型が最低賃金枠です。
第3回:応募件数428件※不備無し、採択件数375件、採択率88%
第4回:応募件数391件、採択件数290件、採択率74%
第5回:応募件数306件、採択件数243件、採択率79%
第6回:応募件数252件、採択件数216件、採択率86%
第7回:応募件数162件、採択件数131件、採択率81%
第8回:応募件数165件、採択件数117件、採択率71%
第9回:応募件数106件、採択件数68件、採択率64%
第10回:応募件数249件、採択件数133件、採択率53%
第11回:応募件数189件、採択件数48件、採択率25%
第12回:応募件数604件、採択件数206件、採択率34%
補助金額最も少ない申請類型で、過去にはかなり高い採択率を誇っていた申請類型です。
第12回は、申請要件による制約が多くなり、本申請類型への申請者が前回比較で約4倍となり、採択率も3割強とまだ採択しやすい申請類型となりました。
【第9・10・11・12回の業種別採択率と採択数】
次に今回も詳細分析として、業種別の採択数と採択率をみていきます。
このデータは「事業再構築補助金第12回公募の結果について」という資料に基づいて加工し作成したものです。
事業再構築補助金第12回公募の結果について
まず事業再構築補助金の業種別採択数をみていきます。採択件数2,031件を主たる業種別の採択件数割合より算出した数値です。
第12回公募での業種別の採択数では、1位が886件の製造業、2位が270件の卸売・小売業、3位が260件の建設業となっております。製造業が全体の約44%を占めており製造業の事業者の申請がメインとなっております。過去の申請回と比較すると製造業は第11回よりも第12回の方が採択数が多い一方でその他の業者は全て採択数が減少していることが特徴になります。
次に第12回事業再構築補助金の業種別採択率を見ていきます。採択率が高い順に見ていくと1位は製造業は42.8%、2位は運輸業、郵便業の25.1%、3位は情報通信業の25%となりました。製造業は前回第11回の41.5%から42.8%と若干採択率が高くなり、2位の運輸業、郵便業も前回第11回の24.8%から25.1%と高くなっています。一方で、情報通信業については、前回第11回の32.4%から25.0%と激減しており、システム開発を対象経費とした事業者の方の苦戦する結果となっております。
その他の業種では、宿泊、飲食サービス業は19.3%から20.4%と微増しましたが、過去回と比較するとかなり厳しい採択率となり、採択率が20%を切る業種は、学術、専門・技術サービス業17.0%、医療・福祉15.1%、生活関連サービス業、娯楽業12.0%、そして最も採択されない業種は不動産業、物品賃貸業の9.6%となりました。
公的補助の必要性という観点からみると、当然ながら大型の機械装置を導入しなければビジネスが成り立たない製造業に支援をして、対象経費が見えにくい、サービス業などや、対象経費として認められていない不動産がからむ不動産業については、かなり厳しい状況になったということが推察できます。
第11回、第12回とより採択しにくくなった事業再構築補助金ですが、果たしてこれが最終公募となるのでしょうか。
第12回の事業再構築補助金に不採択となった事業者の方へ
第12回の事業再構築補助金で残念ながら不採択となった事業者の方は、応募件数7,664件の内、5,633件、不採択率約73%とかなり多くの方が不採択になっています。
これまでであれば、次の公募回での再申請やものづくり補助金への申請など、再チャレンジをする機会が早期に訪れておりましたが、令和6年度の補助金市況はかなり厳しいものとなっており、次回の補助金の公募待ちといった状況が半年程度続いております。
まず、第13回の事業再構築補助金の公募があるかどうかについては、2024年11月15日現在、補正予算案や国が公開している資料を見る限りでは、今後も事業再構築補助金が続くような内容のものは確認できておらず、おそらく第12回が最終回となるのではないかと予測しています。
また、事業再構築補助金のホームページを確認すると、採択事業者向けのサイトとなっており、交付申請や実績報告、事業化状況報告などのコンテンツがリニューアルされていたり、従前と比較するとわかりやすくなってきています。
採択されたとしても、補助金交付候補書ということであり、交付決定や実績報告後の確定通知を受領しない限り、100%補助金がもらえるということではないです。
事業再構築補助金のホームページ
交付申請以降については、下記記事を参考にしていただければと思います。2024年6月の記事となりますが、大きくは変わっていません。
昨今のルール変更をしいてあげると、実績報告後の再申請期限が必ず設けられており、差し戻しから2週間以内といったルールができています。
【2024年6月最新】事業再構築補助金 採択後の流れ
そして、同じ大型補助金となるものづくり補助金へ代わりに申請したいといった事業者の方もいらっしゃると思います。
現状2024年3月に締め切られた第18次公募以降、公募が出てきておりませんが、補正予算などの国の資料を見る限りでは、生産性革命推進事業(ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・事業承継・引継ぎ補助金、IT導入補助金)が令和7年度も引き続き検討されているといった記載が見受けられます。
今年の流れをみますと、2023年12月に補正予算が閣議決定して、1月に第17次の公募がでてきており、12月の補正予算が閣議決定をすると、2025年に次回の公募が出るかどうかがはっきりすると思います。
今年も残り1.5ヶ月月余りと、そろそろ準備をしていっても良い時期になってきております。
事業再構築補助金の不採択理由
事業再構築補助金のHPから、不採択コメントを確認することができます。
新規事業の有望性、事業の実現可能性、公的補助の必要性といった3つの項目で、MAXがB評価となっております。
また、審査委員の初見、コメントが記載されておりますので、参考になると思います。
所見としては、事業再構築の事業の有望かどうかということ、この部分は事業計画書の内容で差がついていると思います。
事業の実現可能性は、主に体制面、リソースの部分が大きく、ある程度の従業員規模がある企業ではないと難しいといったことになります。
公的補助の必要性については、資金繰り面となりますが、事業計画書の内容で判断されていると思います。
大型補助金の申請サポート
壱市コンサルティングでは、中小企業診断士のチームで大型補助金の申請サポートを実施しております。
専門分野をもった中小企業診断士のメンバーが揃っており、各業界に適した人材が2~3名体制で責任をもって担当します。
今後公募が出てくるであろう、ものづくり補助金などの大型補助金の申請サポートについても引き続き、先着10社様限定で承っております。
特に令和6年度は補助金の公募がかなりすくなくなり、今後公募が出て際にはかなりの数の申請者が予想されます。
本来十分な準備期間の中で申請まで進めらることが望ましいですが、
直前1ヶ月前から始められる方も面談の上、お受けしてきております。
実際に補助金が活用できる事業の取り組みなのか、どの申請枠で進めれば有利なのか、採択されるポイントはどこなのかなど、初回は無料相談を実施しています。
今後大型補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。
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