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平成29年度 事例Ⅳ 割り切った勝負勘

バイオマス暖房発電所, 市街, ドイツ, エネルギー, 熱, 再生可能エネルギー, 代替, 生産, 持続可能な

おはようございます。

中小企業診断士のシンです。

みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。

本日は「平成29年度 事例Ⅳ 割り切った勝負勘」です。

まずは事例Ⅳの過去記事 

「 平成30年度 事例Ⅳ 月額無料の事例Ⅳ逃げ切りサロン開講」

 

事例Ⅳの勉強は直前期が良い

昨年のこの時期に果たして何をしていたのか振り返りました。

8月の1次試験終了後、9月に入ってから事例Ⅰ~Ⅳと勉強時間を細かく管理することにました。

がむしゃらに何となく各事例を解いていたところから、残された時間からどの事例をあとどのぐらいできるのか計算しながら勉強時間の管理をしていく。

 

まず9月の勉強時間は次の通りです。

9月の勉強時間合計149時間

事例Ⅰ:37時間、事例Ⅱ:38時間、事例Ⅲ:38.5時間、事例Ⅳ:35.5時間

9月1カ月間は4事例の勉強時間のバランスを意識しました。

 

そこで疑問に残るのが事例Ⅳの勉強時間を多くしてなくて大丈夫?ということ。

 

10月に入ってからの時間は次の通りです。

10月の2次試験本番までの勉強時間 合計149時間

事例Ⅰ:33時間、事例Ⅱ:21.5時間、事例Ⅲ:31.5時間、事例Ⅳ:31時間

10月に入ってからは事例Ⅱは勉強時間が少なめで、苦手意識の高い事例Ⅰが若干多めですが、3事例共に同じぐらいの時間を使ってます。

 

事例Ⅳの解けない問題、いわゆる難問で悩むといった無駄な時間は極力避けて、

短時間で集中して効率的な学習をするスタイルにしていきました。

  

平成29年度 事例Ⅳ を振り返る

今回の事例Ⅳは平成29年度を振り返ります。

全体把握

第1問は経営分析。第2問はCVP。第3問がNPV。第4問が子会社化の文書問題。

 

第1問:経営分析

業種:染色関連事業。

親会社は150名、織物の染色加工を主たる業務

子会社D-a社が30名、仕立て、包装荷造業務、保管業務

来年度にD社の関連会社としてD-b社を設立、木質バイオマス燃料の製造とこれを利用した発電事業、さらに電力販売業務を行う予定。

 

(設問1)同業他社比較。

(a)に優れている点。

(b)に課題。

定番の小数点第3位を四捨五入。

高い、低いの解答バリエーション。

定番の収益性・効率性・安全性から解答。

 

(設問2)

同業他社と比較した場合の特徴40字以内

特徴は、良い点と悪い点の両方を記載する。

40字以内。少ない。

収益性・効率性・安全性が低い、高い。

これだけで15文字。

残り25文字で根拠を与件文から抜き出して解答。

 

経営分析の解答パターンは2通り。

先に①P/LとB/Sをざっとみる。②与件文を読んでから、指標を想定してB/SとP/Lを確認して答え合わせをするか。

 

f:id:Y_Shin:20200916235902p:plainB/Sをざっとみる。

う~ん。なんかいつもより項目が多いような。

リース資産、リース負債

退職給付引当金

「非支配株主持分」

大枠で見ていけば良い。

 

資産の部。

有形固定資産はD社はやっぱり同業他社より多い。

土地が多いですね。大定番の設備投資や土地購入の有形固定資産回転率。

たな卸資産は少ない。これは良いのか。

売上債権は若干多い。

 

現金及び預金は多いのでOK。

 

次に負債の部。

短期借り入れはほど同額。

固定負債は3倍か。長期借入金と社債が大きい。

純資産はD社は半分で少ないやん。

負債比率が自己資本比率共によくない。

f:id:Y_Shin:20200916235924p:plain

続いてP/L

売上高総利益はD社多い。

いきなり売上高総利益が少ない。原価が多いビジネス。利益率が低い。

営業利益がほぼ同額?だとだめですね。

営業外費用が多いのは支払い利息分ですね。

 

課題は多いが、優れている指標の特定は電卓が必要かも。

棚卸資産回転率はどうか。

D社:3,810÷166=22.95回

同業他社:2,670÷190=14.05回

D社がよい。

あとは与件文の裏付けをとりにいく。在庫が少ないビジネスモデル。

流通性が高い。

海外でも一定の評価

高品質の製品を提供

 

40字のまとめは、収益性・効率性・安全性のツメコミしかない!

 

追加。

げっ、非支配株主持分って純資産から引かないといけないとは…。

これを初見で出来るものか🤷‍♂️

※非支配株主持分

連結子会社の資本のうち、支配会社の親会社の持分に属しない部分。

また出るかも。

 

絶対に負けられないCVPがそこにはある

第2問

続いて第2問を.

絶対に落としてはいけない(設問1)。

予想損益計算書

 

f:id:Y_Shin:20200917014617p:plain

f:id:Y_Shin:20200917014633p:plain

 

最終的な解答の単位未満を四捨五入。

いつもと違うパターン。

固定費と変動費に分化する、いわゆる固変分解。単位は百万円

まずは当期

売上原価は3,326

内、固定費は1,650

変動費は1,676

販管費は270で、

固定費が120

変動費が150

ここはきれいに白紙に多きく書く。

 

そして、来期どの様に変化するかの予想損益計算書

①売上原価の固定費1,650が100削減され、1,550

②また、当年度の売上高の60%を占める大口取引先

3,810×60%=2,286

納入価格が3%引き上げられる

これって、プラスという意味?

納入価格、販売単価が上がって、売上が上がる。

仮にここを3%マイナスとすると試合終了。

 

2,286×1.03=2,354.58

 

 

③さらに、材料価格の高騰によって変動製造費用が5%上昇。

これは費用増加。

売上原価の内変動費は1,676

1,676×1.05=1,759.8

 

①②③の条件を全て正確に切り分けて算出して、全体であわせていく。

 

売上高の60%:2,354.58

おっと、

売上高の40%を忘れるところであった。

売上高の40%は:3,810-2,354.58=1,455.42

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試合終了。

 

はい。間違えました。

こんなところで、くたばってたまるか。

やっぱり図に書いてないのがダメなんですよ。

全体像を俯瞰してみていくこと。

問題の要求だけをおっていくと間違える仕組み。

 

売上高を60%と40%にまず分解する。

3,810→60%:2,286、40%:1,524

 

売上高は60%:2,286×1.03=2,354.58

売上高は40%:1,524

合計は、3,878.58

 

売上原価

変動費は②から、1,759.8

固定費は①から、1,550

合計は1,759.8+1,550=3,309.8

 

ここでなにか忘れてませんか???

最終的な解答の単位未満を四捨五入。

f:id:Y_Shin:20200917014633p:plain

ここに入れるときに最終的な解答の単位未満を四捨五入。

売上高:3,878.58 → 3,879

売上原価:3,309.8 → 3,310

 

売上総利益:3,879ー3,310=569

 

販管費は変わらず、270

 

営業利益は、569-270=299

ここまでで(設問1)がコンプリート。

固変分解の来期の条件は単純そうではあるものの、1つでも間違えると終わり。

 

(設問2)

f:id:Y_Shin:20200917021138p:plain

問題文ボリュームは少なくこの設問の中だけで完結できる問題なので、
一見簡単そうに見える。(設問2)までとけたら合格点だ!

 

予想営業利益もしくは、営業損失

 

売電単価は1kWhあたり33円

売電量は12百万kWh

 

売上高ー変動費ー固定費=営業利益

の単純な公式に当てはめる問題に見える。

 

売上高:売電単価33円×売電量12=396

変動費、固定費

この表のよみとりはどうすればいいんだ。

読み取りを間違ったら0点だよな。

普通に考えれば、変動費は60+210=270

固定費はそのまま370

 

396-270-370=△244

げ。マイナス。

確か設問文に予想営業利益もしくは、営業損失

通常は営業損失は出てこないのでここは営業損失で間違っていない。

 

やけに単純な問題だな。

気持ち悪さが残る。

 

(設問3)

f:id:Y_Shin:20200917021542p:plain

設問は短い。

とはいえたぶん解けない問題なので、後回しです。

 

何回も解いていれば解けるようにはなりますが、初見で解くのは困難。

今回は飛ばさず、一応解くプロセス。

また予想営業利益と損失になる分岐点の単価をもとめる。

まず予想営業利益は、

年間売電量40 単価は33

売上高は40×33=1,320

 

固定費はそのまま370

 

変動費は売上高と連動して増減する。

ここが引っかけどころ。

 

来年度以降なので、商業運転で年間商業運転は210

これは12百万Kwhの売電量だった場合の変動費

 

20百万Kwhなので、

210÷12×40=700

 

売上高1,320ー変動費700-固定費370=250

 

おっと、最後に売電単価をXとして逆に戻して式から算出。

売電単価X×売電量40ー変動費700-固定費370=0

 

40X=1070

X=26.75 1年単位なので、27円以上ないと赤字。

 

いや~ここまで初見で確実に答えるのは厳しい。

 

第3問

NPVの問題。

ボリューム多し。

解答する箇所も多い。

時間があまれば解くが、(設問1)は部分点狙いで御の字。

以下、割愛。

 

第4問

記述問題が3第。

30字、30字、60字。

字数も少ないので、端的に書く。

ヒントは設問文と知識。

予め記述式問題は汎用的なバリエーションをもっておきたい。

事例Ⅰ~Ⅲのように解釈と知識で答えてもよい。

絶対にやってはいけないことは、分からないので空欄にすること。

とにかく書き切る技術を訓練する。

 

 

以上、ざっと平成29年度 事例Ⅳをみてきました。

難問とおもった時点で解答の順番を変えたり、戦略を立て直す必要があります。

当然基本的な問題は必ず失点せず、

割り切った勝負勘が合否を分けたと思います。

 

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木製ペレット

バイオマス発電

常に新しい事業を行うD社。

成功するかしないか。後押しするのが診断士。

D社の経営資源とのシナジーがないような。

新規事業に果たして投資してもよいの助言するのか。

 

問題に対応した書籍紹介

平成29年度(2017年度)の解答解説が掲載されている書籍です。

過去問

診断協会のホームページからダウンロード

中小企業診断士試験問題

AASのホームページからダウンロード

試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。

2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校

 

事例Ⅳ(財務・会計)の全知識&全ノウハウ

解答解説はこの書籍でご確認ください。

 TAC 定番の過去5年間の過去問の解答解説

 ふぞろいな合格答案10

 平成29年度試験(2017年度試験)の答案分析と再現答案

ふぞろいな再現答案5、再現答案5

 平成30年度と平成29年度試験(2018年度と2017年度試験)の答案分析と再現答案

事例問題攻略マスター(第2版)

再現答案やプロセスではお薦めです。

各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。

中小企業診断士2次試験 事例問題攻略マスター (第2版)
 

TBC速習2次過去問題集 平成28~30年度

 

本日のまとめ 

  • 40字のまとめは、収益性・効率性・安全性のツメコミしかない!
  • 固変分解の各条件は単純そうに見えて、1つでも間違えると終わり。
  • やけに単純な問題も出てきて、気持ち悪さが残る。

  • 変動費は売上高と連動して増減する。
  • NPVの長文問題は、時間があまれば解くが、部分点狙いで御の字。
  • 文章問題で絶対にやってはいけないことは、分からないので空欄にすること。

    とにかく書き切る技術を訓練する。

  • 難問は避ける割り切った勝負勘が合否を分ける。

 

2次筆記試験まであと38日。

事例Ⅳは疑って、疑う。

事例Ⅳ不振になりますね。

 

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