おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「令和1年度 事例Ⅳ 経営分析 解答は差がつかない 思考しない勇気」です。
- ふぞろい採点により事例Ⅳの試験本番の出来を分析
- 事例Ⅳの結果は合否にどの程度影響するのか?
- 経営分析の指標は自分で決めるしかない、第1問
- 指標と得点の結果から見えてくるもの
- 問題に対応した書籍紹介
- 本日のまとめ
まずは、事例Ⅳの過去記事です。
「企業診断9月号 事例Ⅳ対策 恩師への感謝」
「事例Ⅳ 対策 注意したこと3箇条 経営分析は単純化」
「令和1年度 事例Ⅳ 経営分析の手順」は下記です。
ふぞろい採点により事例Ⅳの試験本番の出来を分析
採点基準や模範解答が公開されていない2次試験において、結局気になるのはその解答。
ついにこの企画も最後の事例Ⅳ。勉強仲間から提供して頂いた再現答案を元に採点をして対策記事を書いていきます。
改めて情報提供頂きまして、誠にありがとうございました。
出来るだけ今年の2次試験への対策となるように、再現答案からどこが良かったのか、どこに課題があるのか、深堀りしていきます。
今回も引き続き自主勉強会に参加した約17名メンバーの中で、僕も含めた8人の答案をいっきにみていきます。
その内1名の多年度受験の方は「再現答案」を書かれていらっしゃらないので、評価のみを掲載させていただきます。
プロフィール概略
(前回と同様)
Hさん:1次高得点、2次2回目、30代男性
Nさん:2次2回目、50代男性
Zさん:2次2回目、20代男性
Kさん:多年度合格者、50代男性(再現答案未作成のため点数のみ)
shinblog:1次多年度2次初受験、30代
Tさん:30代男性
Nさん:30代女性
N'さん:30代男性
恒例の「ふぞろいな合格答案13」を活用した採点です。
事例Ⅳの数値の正答はそのまま正誤が分かりますが、誤ってしまった解答はどの場所で、どのような間違えをしているのかに注目です。
ふぞろいな合格答案13
令和1年度試験(2019年度試験)の答案分析と再現答案
令和3年目標で今年受験をされない方も持っていますね。
事例Ⅳの結果は合否にどの程度影響するのか?
まずは事例Ⅳの得点開示請求した点数や評価です。
合格者
Hさん:57点、B評価
Nさん:78点、A評価
Zさん:54点、B評価
Kさん:61点、A評価
shinblog:74点、A評価
HさんとZさんは60点に届いていなくても、他事例の積み上げにより得点を補てんして合格出来てます。
続いて不合格者、今年の受験生。
Tさん:B評価
Nさん:C評価
N'さん:D評価
B評価以上を取らないと合格の当確線上にあがることは難しいということが見えてきます。
感覚値としては55点以上がボーダーライン。
何があっても55点を死守しないと。
「今年の合格は、お、し、ま、い、DEATH!」
大和田ァー
どこで間違えたのか、どこでうっかりミスをしでかしたのか、間違えやすい場所はどこだ。自分の弱点はどこなんだ。そして、強化するポイントはどこか。
今回からの投稿で明らかにさせて、今年の試験では同じ間違えを繰り返さないように、
充分戦略的に対策をして、「倍返し」をしてくださいね。
経営分析の指標は自分で決めるしかない、第1問
ふぞろいを使った採点で比較していきます。
※設問・B/SとP/L、【出題の趣旨】、(再現答案)と(ふぞろい採点)、コメント
(設問1 )
D 社の前期および当期の連結財務諸表を用いて比率分析を行い、前期と比較し
た場合のD 社の財務指標のうち、①悪化していると思われるものを2 つ、②改善
していると思われるものを1 つ取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、当期の連結財務諸表をもとに計算した財務指標の値を⒝欄に記入せよ。なお、⒝欄の値については、小数点第3 位を四捨五入し、カッコ内に単位を明記すること。
(設問2 )
D 社の当期の財政状態および経営成績について、前期と比較した場合の特徴を50 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
第1問(配点 25点)
(設問 1)
連結財務諸表を利用して、診断及び助言の基礎となる財務比率を算出する能力を問う問題である。
(設問 2)
連結財務諸表に基づいた財務比率を基礎に、財務的な特徴及びその変化について分析し説明する能力を問う問題である。
→財務的な特徴及びその変化
変化とは悪化・改善、増加・減少などの動きです。
与件文から( 設問2)の解答に使う部分。
第3・5段落をまとめて記述。
第3段落
③<建材事業部>においては、地域における住宅着工戸数が順調に推移しているため受注が増加。
建材の価格高騰、建材配送の小口化による配送コストの増大や非効率な建材調達・在庫保有が恒常的な収益性の低下
第5段落
<不動産事業部>得られる収入はかなり安定的で、全社的な利益の確保に貢献
(再現答案)と(ふぞろい採点)
Hさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:21点
(設問1)
①売上高総利益率 16.76%、当座比率 41.27%
②有形固定資産回転率 1.64回
①が8点、②が4点の合計12点
(設問2)
建材の価格高騰③やマーケット事業部の赤字で収益性・安全性が悪化②。家賃収入は安定③しており、効率性は改善①。9点。
→事例Ⅳも安定してます。売総・当座・有固の組み合わせは選び辛い。
Nさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:18点
①売上高総利益率 16.76%、負債比率 249.49%
②有形固定資産回転率 1.64回
①が6点、②が4点の合計10点
(設問2)
コスト上昇①と運転資金借入①により収益性と安全性が悪化②し、不動産事業での安定的賃貸③で資産効率が改善①した。8点。
→負債比率は選びたくなります。特徴もコンパクトに記述されております。
Zさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:15点
①売上高総利益率 16.76%、流動比率 88.65%
②有形固定資産回転率 1.64回
①が6点、②4点の合計10点
(設問2)
建材、マーケット事業の営業不振③にて収益性安全性①が 低く、不動産事業の収入で効率性①が高い 。5点。
→低い・高いは同業他社比較の際に使う表現。各1点づ減点をしました。
流動比率の選択も数値として整合とれてます。
shinblog:第1問再現答案 ふぞろい採点:16点
(設問1)
①売上高営業利益率 0.98%、負債比率 249.49%
②有形固定資産回転率 1.64回
①が4点、②が4点の合計8点
(設問2)
住宅受注が増加②し効率性が増加①したが、配送コストの増大②や非効率的な調達や負債増加①で収益性・安全性が低下②。8点。
合格者4名の解答まできて、「棚卸資産回転率」を選択した人はおりません。
収益性・効率性・安全性の王道パターンを順守して、変化球がきても、ストレートに解答して自分のフォームを崩されなかったことが分かります。
続いて残り3人に参ります。
Tさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:16点
(設問1)
②有形固定資産回転率 1.64回
①が4点、②が4点の合計8点
(設問2)
安定した不動産収入③により効率性が上昇①。分譲住宅の販売減少と、非効率的な費用支出②で安全性と収益性が低下②。8点。
→またしても型を崩さず棚卸資産回転率は選択せずにヒットを打ってます。
Nさん:第1問再現答案 ふぞろい採点:18点
①売上高総利益率 16.76%、棚卸資産回転率 3.13回
②有形固定資産回転率 1.64回
①が6点、②4が点の合計10点
(設問2)
建材の価値高騰③等によって収益性が低下①。分譲住宅購買低迷により棚卸資産増加①。所有物件賃貸②は効率性向上①。8点。
→棚卸資産回転率を選択して、効率性を2つ選択しているのが特徴です。
N’さん:第1問再現答案 ふぞろい採点:17点
解答は非公開で点数のみ公開。
①が6点、②が4点の合計10点
(設問2)7点。
→記述は王道で記載していればさらに加点が望めましたが、十分です。
棚卸資産回転率も選択されてます。
指標と得点の結果から見えてくるもの
「指標の選択」
収益性
売上高総利益率:4人
売上高営業利益率:2人
効率性
有形固定資産回転率:100%
棚卸資産回転率:2人
安全性
当座比率:3人
流動比率:2人
負債比率:2人
→多少ばらつきはあるものの、そこまで大きな得点の差になっているとは思えないというのが印象。
的外れな指標を選択しない限り加点はされて、指標の組み合わせは複数あると断言できます。
ちょっと気になるのが、<棚卸資産回転率を選択された方>が、どれだけ経営分析に時間をかけているのか。
変化球が来た時にフォームを崩してしまうかどうかです。
時間を無駄にするとこのあとの問題に少なからず影響が出てくるもの。
事例Ⅳまでくると残された脳みそで正常に回る部分は残り少なくなってます。
余計な所で思考しない勇気も重要です。
数値の計算ミス:0%
経営分析の数値で計算ミスをしたら、
「今年の合格は、お、し、ま、い、DEATH!」
第1問得点まとめ
15点~21点の内に混戦しており、6点の範囲での差しかがつかなったということです。
やはり、スピード勝負で他の問題に解答する時間をつくれたかどうかが重要です。
方向性と指標名が間違っていなかったら、どの指標を選ぶかでは大きな得点の差はないです。
つまりは、考える、考え込む、余計に思考する必要はないということです。
最後の事例である事例Ⅳは16:00~17:20の80分間。
既に朝から3事例解いてきてかなり疲れ切った状態。
今回は第1問の経営分析でした。
第2問以降は次回です。
来た球をセオリー通りに打ち返せがよい!
問題に対応した書籍紹介
令和1年度(2019年度)事例Ⅳの解答解説が掲載されている書籍です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
ふぞろいな合格答案13
令和1年度試験(2019年度試験)の答案分析と再現答案 ¥2,430
まとめシート 令和元年度編:2次試験 ¥550
30日でマスターできる 中小企業診断士第2次試験 解き方の手順 ¥2,970
解き方に特化した書籍です。後半に令和1年度試験の与件文を分析したページがありますので、2020年度合格版としてご紹介させていただきました。
TBC受験研究会 2020年度版 速習2次テキスト ¥4,180
巻末の「抽象化ブロックシート」は暗記ツールです。
TAC
2020年度版 第2次試験過去問題集¥3,300
定番の過去5年間の過去問の解答解説。
令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分。
まず初めに購入する、大手予備校の解答解説。
事例問題攻略マスター(第2版)¥3,080
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。
毎年新刊が出ている書籍
直近の令和元年度および平成30年度の解答プロセスです。
ふぞろいだけじゃ物足りない方用。
LEC
令和元年度 第2次試験 模範解答解説 ¥1,000
本日のまとめ
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自分の弱点は把握して、強化するポイントに自分自身が気づく。
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収益性・効率性・安全性の王道パターンを順守して、変化球がきても、
ストレートに解答して自分のフォームを崩されない。
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時間を無駄にするとあとの問題に少なからず影響が出てくる。
- 余計な所で思考しない勇気。
- スピード勝負で他の問題に解答する時間をつくれたかどうか。
-
経営分析の数値で計算ミスをしたら、
「今年の合格は、お、し、ま、い、DEATH!」
2次筆記試験まであと50日。
残り8回目の土日は本試験です。
台風シーズンなので前掛かりで進んでいきましょう。
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