おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「平成30年度 事例Ⅱ 不完全な夜の活気。眠いから寝よう。」です。
まずは令和1年度 事例Ⅱの再現答案の記事からです。
「平成30年度 事例Ⅱ フレームワークと資源のつながり」
「平成30年度 事例Ⅱ 活!ここからが本番!使える資源をピックアップ。」
「平成30年度 事例Ⅱ 加点の匂いが感じられるキーワードを拾う」は下記です。
今回は平成30年度事例Ⅱの解答例まで見ていきます。
受験勉強中の2019年2月と4月に解いた解答をもとに解答例を作成します。
標準的な時間配分。設問解釈10分、概要把握20~25分、対応付け5分で、40分経過。残り最大40分。1問10分ぐらいです。
※設問、【出題の趣旨】、<対応付ける段落>、「キーワード・センテンス」(解答例)の順で1問ごとにみていきます。
解答例は、(a)は2019年2月、(b)は2019年4月の解答です。
ふぞろいは出版前の時期に解いた解答です。
※(c)は直前期に解答していたもので第2~4問のみ。
編集力・ 全段落のまとめの第1問
第1問(配点25点)
B 社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
B 社の顧客の状況、自社の強み・弱みと競合の状況について分析する能力を問う問題である。
→顧客の状況、自社の強み・弱みと競合の状況
自社は弱みも書かなければならなった。
<対応付ける段落>
第1・3・4・7・8段落。
「キーワード・センテンス」
第1段落:X 市市街地中心部にある老舗日本旅館
第3段落:名刹・古刹、ちょうどこの中央に立地し、これらのエリアはいずれも徒歩圏内
第4段落:<なじみ客ら>は高齢化が進み、減少傾向にある、
新規顧客層 <インバウンド客2 割><予約客>
第7段落:既存顧客層
<仕事や執筆・創作活動のために訪れる宿泊客><昔なじみのビジネス客8割> 割>、<インバウンド客2 割>であるが、<なじみ客ら>は高齢化が進み、減少傾向
第8段落
<駅前にはチェーン系ビジネスホテルが2 軒>ほどあるが、X 市市街地中心部にはB 社以外に宿泊施設がない。かつては<B 社と似たようなタイプの旅館>もあったが、「10 年以上前」に閉鎖している。<B 社周辺にある他の業種の店々>は、拡大する観光需要をバネに、このところ高収益を上げていると聞く。B 社だけがこの需要を享受できていない状態だ。
(解答例)
(a)昔なじみの長期滞在する作家や芸術家等のビジネス客が8割で減少傾向④。和の風情を求めるインバウンド客が2割で増加④。駅前にチェーン系ビジネスホテル③が2軒あり②、B社はX市市街地の中央に立地①し、名刹・古刹が点在する地域、広大な商業地域から徒歩圏内で、観光地へのアクセスがよく事前予約の客が大半を占めている状況。14点
(b)顧客は昔馴染みのビジネス客が8割で減少傾向④で、2割の和の風情を求めるインバウンド客が急増④。競合は駅前にある2軒のチェーン系ビジネスホテル⑤でX市市街地中心部にはB社以外に宿泊施設がない③。自社はX市市街地の中央に立地し①、名刹・古刹が点在する地域で広大な商業地域が徒歩圏内で観光地へのアクセスが良い好立地。17点
→出題の趣旨の通り、顧客の状況、自社の強み・弱みと競合の状況
を書かないといけない。4つの要素があり、自社は強みと弱み。
自社の資源までどれだけ入れるのかに迷う。
第1問は時間をかけずにそれなりの点数が取れないといけない。
ターゲットと資源の列挙の第2問
第2問(配点25点)
B 社は「今後」、<新規宿泊客>を増加させたいと考えている。そこで、B 社のホームページや旅行サイトにB 社の建物の外観や館内設備に関する情報を掲載したが、反応がいまひとつであった。B 社はどのような自社情報を新たに掲載することによって、閲覧者の好意的な反応を獲得できるか。「今後」のメインターゲット層を明確にして、100字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
現在の B 社に関するインターネット掲載情報の問題点を踏まえ、B 社の新規宿泊客を増加させるために必要な新たな掲載情報を提案する能力を問う問題である。
→ターゲットと新規宿泊客。新たな掲載情報を提案。
<対応付ける段落>
第2問は2・6・7・9段落
「キーワード・センテンス」
第2段落:
館内には大広間で、和の風情がある苔こけむした庭園を眺めることができる。
<芸術家>による美術品、文化の香りに満ちた雰囲気。
<海外でも名の知られた作家や芸術家>
第6段落:<X 市を訪れる観光客><「約20 万人」がインバウンド客>
二回目の和の風情を求める
<「約20 万人」がインバウンド客><和の風情を求めるインバウンド客>が急増
第7段落:既存顧客層
<仕事や執筆・創作活動のために訪れる宿泊客><昔なじみのビジネス客8割>
<なじみ客ら>は高齢化が進み、減少傾向にある。
第9段落:8 代目が試しに従来の簡素な朝食を日本の朝を感じられる献立に切り替え、器にもこだわってみたところ、<多くの宿泊客>から喜びの声が聞かれた。
(解答例)
(a)和の風情を求めるインバウンド客⑧に対し、苔むした庭園③、海外でも名の知られた芸術家による美術品③、日本の朝を感じられる献立の朝食とこだわりの器③を掲載して、急増するX市観光客需要を取り込み宿泊客を増加させる。14点
(b)和の風情を求めるインバウンド客⑧に対し、和の風情のある苔むした庭園③、海外でも名の知られた芸術家の美術品③、日本の朝を感じられる献立の朝食とこだわりの器3 、外国語でホームページから宿泊予約できることを訴求する。14点
(c)和の風情を求める②インバウンド客⑥に対し、苔むした庭園③、海外でも名の知られる作家や芸術家の美術品③①、日本の朝を感じられる朝食の献立やこだわりの器③、外国語で対応できる点③を掲載して問い合わせ増加させる。18点
→ターゲットは予想通りのインバウンド客で、和の風情を求める。
新規顧客にリーチするための、資源を活用してホームページの情報を修正する。
従業員を活用した実現可能性のある施策を複数提案する第3問
第3問(配点25点)
B 社は、<宿泊客>のインターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するために、おもてなしの一環として、<従業員>と<宿泊客>との交流を促進したいと考えている。B 社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
B 社の宿泊客の好意的なクチコミを引き出すために<従業員>が行うサービス施策について、助言する能力を問う問題である。
→ほとんど追加情報はないです。
<対応付ける段落>
第3問は1・4・6・7段落
「キーワード・センテンス」
第1段落: 「つい最近」雇用した英語に堪能な従業員
第4段落:地域の祭り、山車、最高の盛り上がりを見せる
くこの祭りの見物客>、<訪れた観光客>
<訪れた観光客>は有料で山車を引く体験ができる
第6段落:食べ歩きできるスイーツ、地域の伝統を思わせる和菓子、歴史ある街並み、食べ物などは写真映えし、SNS 投稿に向く
第7段落
①無料Wi-Fi を導入し、B 社ホームページも開設 → ホームページから外国語でも受け付けられる
②従業員教育 → 最低限のコミュニケーションが主要な外国語で図れる
既存顧客層
<仕事や執筆・創作活動のために訪れる宿泊客><昔なじみのビジネス客8割>
<なじみ客ら>は高齢化が進み、減少傾向にある。
(解答例)
(a)英語に堪能な従業員を中心として、外国語でもコミュニケーションを図り③、X市市街地の山車、夜通し続く祭り②、大型建造物、食べ歩きスイーツ、地域の伝統の和菓子③、名刹・古刹③を観光案内④し、SNS投稿を増加させる②。17点
(b)英語に堪能な従業員を中心とし、外国語でコミュニケーションを図り③X市街地の観光案内④を実施。有料の山車引き体験、歴史ある街並み、食べ歩きできるスイーツや地域の伝統の和菓子③を写真撮影させSNS投稿②で口コミ誘発。12点
(c)英語に堪能な従業員、最低限のコミュニケーションが主要な外国語で図れる語学力③を活かしX市街地の観光案内④をする。山車を引く体験②、名刹などの歴史ある街並み③、食べ歩きスイーツ③など写真映えしSNS投稿増加させる②。17点
→与件の要素を活用して、分かりやすく要素を詰め込む技術が必要。
第2・3問で点数を稼ぎたい。
既存顧客に対する助言問題なので、ターゲットは記載は不要。
<従業員>と<宿泊客>との交流。
観光案内、ツアーガイド、インバウンド客に対して、外国語でアプローチする。
なるべく与件から離れないように実現可能性のある施策を述べる。
解答の要素の選択に迷う第4問
第4問(配点25点)
B 社は、X 市の夜の活気を取り込んで、B 社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B 社はどのような施策を行うべきか、100 字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
X 市の状況を踏まえて、X 市と連携しながら B 社への宿泊需要を高める施策について、助言する能力を問う問題である。
→X 市と連携。X市の〇〇を使わないといけないという意味です。
<対応付ける段落>、「キーワード・センテンス」
第4問は1・3・4・5・7・8・9段落
第1段落: 大型バス1 台、乗用車6 台分の駐車場
第3段落: 名刹(めいさつ)・古刹(こさつ)
ちょうどこの中央に立地し、これらのエリアはいずれも徒歩圏内
第4段落: <夜通し続くこの祭りの見物客>は「近年」、年々増加している。街の一角にはこの祭りの展示施設があり、ここを<訪れた観光客>は有料で山車を引く体験ができる。
第5段落:連続ドラマの舞台、エリアが一躍脚光を浴びた
名刹は「通年」で夜間ライトアップを行い、<地域>の動きに協力した。
<地域ボランティア>は観光案内や街の清掃活動
<夜間の滞在人口>は増加傾向
第7段落:<事前に予約のない客>が宿泊することはほとんどない。
第9段落:8 代目が試しに従来の簡素な朝食を日本の朝を感じられる献立に切り替え、器にもこだわってみたところ、<多くの宿泊客>から喜びの声が聞かれた。
(解答例)
(a)通年でライトアップ②された名刹や夜通し続く祭りに際し、X市市街地中央の立地①を活かして地域と連携した③宿泊と観光の共同プランを立案する。大型バスや駐車場を地域のために、無償で提供して宿泊需要を発生させる②。8点
(b)施策は名作が点在する地域から徒歩圏内の立地を活かし①、和の風情がある苔むした庭園をライトアップ②し夜間鑑賞させ、日本の朝を感じられるこだわりの器を使った朝食を提供し、事前予約のない客③の宿泊需要を喚起する②。7点
(c)夜通し続く祭りの見物客②を、名刹などから徒歩圏内の立地を活用①し、和の風情がある苔むした庭園を夜間ライトアップ②し鑑賞させ、日本の朝を感じられる朝食とこだわりの器でもてなし宿泊需要取り込み②、顧客満足度高める。7点
→1番の難問。他の問題と重複して対応づける段落が多いです。
多いからこそ解答のばらつきが大きい。どの資源を活用すればよいかに迷う。
出題の趣旨から「X市との連携」で地域活性化が書かれているかによって加点されているかどうか。
事例Ⅱの最終問題は、地域との連携がテーマになるのは、過去問の定番パターン。
過去のストーリーから方向性を検討していく。
神輿の祭り
→(a)は2019年2月、(b)は2019年4月の解答です。
ふぞろいは出版前の時期に解いた解答です。
※(c)は直前期に解答していたもので第2~4問のみ。
(a)53点
(b)50点
あれっ。こんなに出来てなかったんだ。合格ラインにも届かない微妙な解答。
与件文全体からの資源を活用する方針が明確ではなく、解答の加点要素が少なかった。
取っ付きやすい題材の事例企業でありながらも、設問は決して取り掛かりやすい問題ではない。第1問から第4問までのストーリーを意識して解答を書かないと矛盾が生じてしまう。
あ~夜の活気を取り込む施策は何が正解か。
日帰りじゃなくて、眠いから寝よう。もう2時です。
事例Ⅱは「埼玉県川越市」を題材としている可能性を指摘
令和2年度は祭りは中止です。
問題に対応した書籍紹介
平成30年度(2018年度)の解答解説が掲載されている書籍です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
まとめシート 平成30年度編:2次試験 ¥550
ふぞろいな合格答案12
平成30年度試験(2018年度試験)の答案分析と再現答案 ¥2,640
ふぞろいな再現答案5、再現答案5各¥2,640
平成30年度と平成29年度試験(2018年度と2017年度試験)の答案分析と再現答案
事例問題攻略マスター(第2版)¥3,080
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。A5版と小さく持ち運びに便利。
EBAメソッド で「読み・解く合格答案作成講座 ¥2,640
メソッドと平成30年度の事例問題は網羅されてます。
LEC平成30年度第2次試験 模範解答解説集 ¥1,100
TBC速習2次過去問題集 平成28~30年度 ¥4,180
本日のまとめ
- 他の問題と重複して対応づける段落が多い。
-
第1問。自社の資源までどれだけ入れるのかに迷う。
第1問は時間をかけず解答して、それなりの点数が取れないといけない。
- 第2問。ターゲットは予想通りのインバウンド客。新規顧客にリーチするための、資源を活用してホームページの情報を修正する。
-
第3問。なるべく与件から離れないように実現可能性のある施策を述べる。
- 第4問。出題の趣旨からX市との連携が書かれているかによって加点されているかどうか。
2次筆記試験まであと61日。
残り2カ月。この1ヶ月でどこまで実力を上げられるかが勝負です。
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