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令和2年度1次試験 財務・会計 まちがいさがし

おはようございます。

中小企業診断士のシンです。

みなさんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。

本日は「令和2年度1次試験 財務・会計 まちがいさがし」です。

何故失敗してしまったかと、どうすれば合格点が取れたか。

失敗から見えたアクションプランも提案します。

 

 

まずは令和2年度1次試験、1日で7科目を解いた記事と振り返り。

「令和2年度1次試験 決闘を申し込む」「令和2年度1次試験 7科目の意味」

「令和2年度1次試験 不合格の訳」「令和2年度1次試験 101記事目のプロポーズ」は下記です。

 

令和2年度1次試験は何が難しかったのか

今日も引き続き令和2年度の1次試験についてです。

令和2年度の問題で難しいと感じられた科目は一般的には、

企業経営理論、運営管理、経営法務の3科目だと思います。

企業経営理論は、相変わらず毎年難しい印象。

毎年微妙に出題の傾向が変化してますが、一言でいうと今年も国語力があるかないかが全てだったと思います。

 

運営管理は、グラフや表の読み取り問題が多く、基本的な論点がありつつも、現場短応力、4科目目の疲労に打ち勝つ頭の回転が求められたと思います。

 

経営法務は改正民法です。全然勉強しなくてもこの分野が出来た人もいると思います。

結局は作問の癖を見破られるかどうかだった気がします。

また、基本的な知識問題の取りこぼしをしないことが必要となります。

 

令和2年度1次試験 財務・会計を徹底分析

そして、財務・会計。

悔しいので今回は参考書やネット検索も含めて検証していきます。

どうすれば25問中最低15問得点できたのか。

1問1問見ていきます。

まだ解いていない人は1度解いてみてくださいね。

下記は東京都診断協会の試験問題ページです。

令和2年度1次試験 財務・会計試験問題

  

TACスピードテキスト、一発合格まとめシートの財務・会計部分のどの部分を勉強すればよかったのでしょうか。いやいや過去問でしょ。 

 

 

令和2年度財務・会計の構成

令和2年度の財務・会計は例年通りの25問の1問配点は4点でした。

第1問目から第16問がアカウンティングの分野、

第17問から第23問がファイナンスの分野、

その内第21問(1)(2)がCVPの問題。

純粋なファイナンスは結局、7問。

少ないです。少なすぎます。

  

自分の過去の実力はなんだったのか?

令和1年度72点 平成30年度52点 平成29年度 68点

令和1年度事例Ⅳ高得点な方

とある程度財務・会計には自信がありました。

簿記2級は第137回の平成26年6月試験で合格。

とはいえ既に6年も前。

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解いた順番は後半のファイナンスの分野からでしたが、

今回は第1問から順に分析。

 

正答した問題を〇、間違えた問題を✖

テキスト見ても無理な問題を「難」とする。

どうやって間違えたのかの視点でご確認ください。

事例Ⅳの勉強でも有効かつ効果的な復習方法です。

 

アカウンティング

第1問:売上原価 (計算問題)〇

なお、棚卸減耗費および商品評価損はすべて売上原価に含める

このなお書きがすべてです。

なお書きチェックは、事例Ⅳでも使える最重要工程。

簿記の知識問題。

棚卸減耗費および商品評価損は売上原価に含めるということは、

期首商品棚卸高+登記商品純仕入高が全ての商品の合計。

全ての商品の合計から、期末商品棚卸高を引く。

A商品は110個×1,000円=110,000円

 

ここは1度解釈ミスをしました。

B商品は正味売却価額が1,100円で原価1,000円より高く、正味売却価額の1,100で計算すると解答がない。

単価の低い原価で計算して、70個×1,000円=70,000円

期首100,000円+純仕入750,000円ー(110,000+70,000)

=850,000-180,000=670,000円

選択式だから解けた問題。

 

第2問:貸倒引当金の仕訳 ✖

なお、当社では売上債権の残高に対し5%の貸し倒れを見積もり、差額補充法を採用している。

受取手形3,000+売掛金 21,000の5%→1,200 1,200-貸倒引当金300=900

忘れていたこの解法パターン。貸倒引当金を引くことですら覚えてなく不正解。

(借)貸倒引当金繰入 900 (貸)貸倒引当金900

売上債権を売掛金のみとしてしまうと750となり、不正解。

 

第3問:有価証券の期末評価 ✖ 難

意味がよく分かってなかった。

全ての選択肢がある程度理解していないと正答できない。

 

第4問:法定準備金(計算問題) ✖ →これは取れたでしょ!

配当金の10分の1か、資本金の4分の1-(準備金)の小さい方

この公式は覚えていたつもりだった。

6,000千円×1/10=600千円 選択肢:エにある。これはない。

資本金18,000千円×1/4=4,500千円 -資本準備金1,000千円=3,500千円

?選択肢にないぞ。

どーするんだ、どーするんだ。

忘れていたのはここ。(準備金)→(資本準備金利益準備金

4,500千円 -(資本準備金1,000千円+利益準備金3,000千円)=500千円

 

第5問:減損損失→これは取れたでしょ!

減損損失の定義は何だっけ。またまた忘れている。

ステップ1:減損損失の認識 帳簿価格>割引前将来キャッシュフロー

ステップ2:正味売却価額と使用価値でどちらか高い方

このステップを覚えていたはずだが。

X2,800>2,400 Y3,100<3,300 Z4,500<3,900

どれがただしいんだ。もしかしてXだけ。おかしい。

「Z4,500<3,900」

まちがえたのはなんと、この符号のつけ方だった。

正:Z4,500 > 3,900 誤:Z4,500 < 3,900

ステップ1のみで解答出来る易しい問題だった。

 

第6問:のれんと資本金 ✖(計算問題) →これも何とか取れたでしょ!

最近は毎年のれんが出題されているイメージ

まず資本金の額をもとめる。200千株×1株400円=80,000千円

このうちの2分1が資本金40,000千円

2択に絞れる。

のれん。買収額80,000千円ー(資産合計105,000千円+商品の時価の増加分4,000千円=109,000千円 ー 負債35,000千円)=6,000千円

 

第7問:リース取引 〇

不適切なものはどれか。助かった。

オペレーティング・リースとファイナンス・リースの入れ替えなどで惑わす定番問題。

ファイナンス・リース取引にかかるリース債務は、支払い期限にもかかわらず、固定負債に属するものである。

違和感。

 

第8問:無形固定資産の会計 ✖ 難

簿記かあ、また。

特許は無形固定資産。間違えどころに気づけず。知識不足。

ソフトウェアの製作費は無形固定資産じゃない。

 

第9問:消費税率の仕訳 ✖ →これも何とか取れたでしょ!

知らん。

なお、消費税率は10%とし、仕訳は税抜方式によるものとする。

税抜き。

げ。

商品19,800円(税込) 

商品は税込だった。見落としていた。

(仮)仕入 18,000 仮払消費税 1,800/(貸)現金 19,800

 

 

第10問:直接労務費 ✖(計算問題)

なお、予定賃率を用いて賃金消費額を計算している。 

資料から予定労務費単価は1,200円 

直接作業時間1,100時間+間接作業時間100時間 + 手待時間 200時間

計1,400時間

1,400時間×1,200円=1,680,000円 ✖

 

直接作業時間1,100時間×1,200円=1,320,000円

 

第11問:財務比率 〇

これはサービス問題。

当座比率B/Sから、(現金預金25+売掛金22=47)/買掛金40=1.175

 

第12問:自己株式 ✖

自己株式を現金で取得する。

B/Sを書いて動きを考える問題。

自己株式がB/S上マイナスである。

自己資本がマイナス。自己資本利益率が向上。総資本は減少する。

総資本が不変となぜ思ってしまったんだろうか。

 

第13問:キャッシュフロー計算書 ✖

営業活動・財務活動の違い。

受取利息および受取配当金は営業活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローにも記載できる。

この論点を明確に覚えてませんでした。

 

現金及び現金同等物期末残高と、貸借対照表の現金及び預金の期末残高は一致するとは限らない。

たしかに間違っているとは言い切れない造りの選択肢。

この選択肢は選びづらい。

 

第14問:活動基準原価(ABC) ✖ 難 しらんがな

ABC分析、コストABC

あいまいで、それらしく、最も当たり障りのないかっこいい締め方。

コスト・ドライバー 知らない用語。

少品種大量生産型の製造業。これっぽいと飛びつく。✖

経営管理手法と活動基準経営管理(ABM)という。

知らんが、あとでみるとそれっぱかった。

 

第15問:オプション 〇

オプション・プレミアム。限定。このフレーズは何度も耳にした。

オプションと先物は別。

 

第16問:マイナス金利

金融機関に資金を預けた時に、利息を支払わなければならない場合、これをマイナス金利という。

なんとなく間違っていると思ってしまった。わざとらし感。

経済学の問題。

マイナス金利によりデフレ。因果関係がおかしい。

 

第17問:複利原価係数 〇(計算問題)

年金原価係数 期間2年:1.7833 - 年金原価係数 期間1年:0.9259

=0.85・・・ 暗算で途中までで選択肢選べる。

 

ファイナンス

ようやくここからファイナンス

 

第18問:株式の超過収益率(グラフ) 〇

t=0の状態を見る。業績がよくなる場合がt=0

上がっている、下がっている、急に上がって継続、急に下がって継続

一時だけ上がっているが正解。

 

第19問:投資比率 〇(計算問題)

ポートフォリオの期待収益率:16%

=E社株:10%×X+F社株:18(1-X)

16=10X+18-18X

8X=2

X=1/4 ・・・25%

この解法を使った問題は、過去にも類似問題が出ている。

H30年第18問

 

第20問:複利最終利回り ✖ (計算問題) →これも何とか取れたでしょ!

100万円÷121万円=????違う

100万円がどうしたら121万円になるか。複利2年間ででかんがえる。

1.1%

計算する前に答えから逆算すべき問題。

計算しようとするマインドが強すぎた。

忘れてた、計算はなるべくしないようにする方がよいという鉄則。

 

第21問(設問1):損益分岐点売上高 〇

ここできたかCVP。サービス問題。

FC/1-α=SBEP(損益分岐点売上高)

αは変動比率

毎日使っていたこの公式。

あれ?これであってたっけ。まずい公式すら危うい。

当期損益分岐点売上

固定費:1,200/1-変動費:960/売上高:2,400

=1,200/1-2/5=1,200/3/5=1,200×5/3=2,000万円

 

第21問(設問2):損益分岐点比率 ✖ →これも取らなきゃマズかった。

損益分岐点比率

前期の損益分岐点売上

1,000/1/2=2,000

損益分岐点比率 2,000/2,500=20/25

 

当期の損益分岐点比率

(設問1)より損益分岐点売上高2,000/2,400=20/24

前期:20/25<当期:20/24 悪化

ここを大きくなったから改善と単純に思ってしまう思考停止。最悪です。

出直してきなさい。

悪化したのは売り上げの減少は〇。2,500→2,400たしかに減少〇。

変動比率の上昇。前期:1/2→今季960/2,400=12/40=3/10

改善、下落している。

 

第22問:資産評価モデル(CAPM) ✖

今年も出ました、資本市場線と証券市場線のひっかけ問題。

H30年23問、R1年15問

今年は効率的ポートフォリオと市場ポートフォリオの違いを選ぶ問題。

CAPMは証券市場線。

文章全体の繋がりからあてに行く問題。

 

第23問:税引後キャッシュフロー

公式に当てはめて解答する。サービス問題。

税引前CF:900×税率(1-0.3)+減価償却費:1,500/3=500×0.3

=630+150=780万円

 

第24問:MM理論 ✖ 難

PER(株価収益率)は、無借金の方が負債で資金調達するよいも小さくなる。

これは誤っている。何故かチェック。

もしかして、誤っているものをプロットして問題を解き終えてた。

ガーン。久々にといた2科目目で早くも思考停止。

ケアレスミスですよ。

最も適切なものはどれか。最も不適切なものはどれか。

この違いを間違わない。1晩初歩的なミス。7科目の中では1問ぐらい反対に勝手に解釈してしまうものが出てくる。

設問解釈。設問を丁寧に読み、要求通りに解答する力。

この力は実は1次でも2次でも共通して必要とされている能力であることに気づく。

 

最適な資本構成は存在しない。忘れてました。

 

切捨率 知らんかった。

企業が新規投資を行うとき,その投資があげなければならない最低限の利益率。 

コトバンクより引用

「切捨率」は、資金調達方法にかかわりなく、一意に決定される。

選びづらい選択肢。

 

正答:9問/25問中 

何とかとれた/まちがえ:6問/16問

9問+6問で60点。

 

何とかとれた問題のまとめ

アカウンティング

第4問:法定準備金(計算問題)
第5問:減損損失
第6問:のれんと資本金 (計算問題)
第9問:消費税率の仕訳

ファイナンス

第20問:複利最終利回り (計算問題)
第21問(設問2):損益分岐点比率

 

この6問はどうやればとれたか。

合格はこの6問が取れるかどうかにかかっていたことが確定。

やはり頭の回転が良いことがもとめられる試験。思考停止は許されない。 

基本的なことが出来ていないといつまでたっても合格ラインにはいかなかったことを

思い出した。

足切りであったわけは、基本的なことを忘れていたこと。

判断に迷いがあり正解まで辿り着かなかった。

1つの道だけでなく、2つ目の道を探す姿勢を忘れていた。

やっぱりコンサルの試験なのだろうか。

頭を使わせる問題が多い。

あとでみたら、こんな簡単な問題なのに、初見では出来ない。

1次試験で味わったこの反省点は、当然2次試験対策でも使える留意点です。

 

菅田将暉まちがいさがし

www.youtube.com

しんみりと、最後は1次試験を振り返りました。

財務・会計に図無しで文字だけで説明すのは読みづらかったかもしれないです。

事例Ⅳ対策では工夫します。

 

明日からはいよいよ令和1年度の2次試験ネタです。

 

本日のまとめ 

  • どうやって間違えたの視点で確認する。事例Ⅳ対策でも有効かつ効果的な方法。

  • なお書きチェックは、事例Ⅳでも使える最重要工程。

  • 忘れてた、計算はなるべくしないようにする方がよいという鉄則。

  • 設問解釈。設問を丁寧に読み、要求通りに解答する力。 1次・2次でも共通して必要とされている能力。

 

2次筆記試験まであと94日

 

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