おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
皆さんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「2次試験対策 事例Ⅲ 数々の残念なやらかしを面白きものへ」です。
まずは対応する過去記事です。「2次試験対策 事例Ⅲ H27年度 6問640字の強敵」「2次試験対策 事例Ⅲ H27年度 鋳物製品の製造業の戦略」は下記です。
事例Ⅲの与件文はつまらないのか
事例Ⅲは製造業の事例です。どっちかというとあまりストーリーの浮き沈みがない、たんたんとした文章で、眠くなるようなつまらない展開です。
試験問題だから仕方ないですが。
私も始めは正直あまり好きじゃなかった事例Ⅲです。
内容がいまいち理解できないし面白くなかった。
生産現場、工場のことを知らないからよくわからない。
今回の生産概要は、1次試験の勉強で培ってきたツッコミ力を存分に生かします。
「面白くない文章を面白く」
「面白きなき世を面白く」
幕末の志士、長州藩の高杉晋作が亡くなるまえに詠んだ辞世の句を文字りました。
この歌には後半があります。
「面白きこともなき世を面白く 住みなすものは心なりけり」
「面白くない事例Ⅲも面白く 日々の心構えによって面白いものにしていく。」
面白くない文章の事例Ⅲも、日々の勉強によって面白く解けるようになります。
事例Ⅲをたとえにしましたが、勉強全般に言えることだと思います。
不得意な科目や面白くないと思う勉強も心構え、心づもりによって変わってきます。
余談ですが、私のシンの名前の由来は高杉晋作の晋からきてます。
高杉晋作は29歳で亡くなった短い人生でした。
生産工程
【C社の生産概要】
第6段落
⑥工程は図1に示すように<鋳造工程>、<後処理工程>、<機械加工工程>、<塗装工程>、<検査発送工程>の5工程である。
鋳造工程から始まり、後処理工程、機械加工工程、塗装工程とここが、「一貫生産体制」
そして、検査発送工程まで兼ね備えている状況。
見込生産と受注生産
第7段落
⑦主要製品のマンホール蓋は、<地方公共団体>や<通信会社>などの事業主体ごとに仕様が異なるため品種が多く、さらにこれら事業主体の予算確定後、C社に発注が行われるため受注量の季節変動が大きい。このため、<営業部>で得ている顧客情報の予想を基に需要の多い規格品などについてはあらかじめ見込生産し、受注が確定すると在庫品から納品する。/一方、農業機械部品や産業機械部品は<取引先>からの受注が確定した製品を生産している。
→①マンホール蓋、②農業機械部品や産業機械部品。①②の製造している製品の生産方法は相違していることが分かる段落。
マンホール蓋は主要製品で、①事業主体ごとに仕様が異なるため品種が多く、②受注量の季節変動が大きいのにも関わらずあらかじめ見込生産。
これでは、過剰在庫が発生してもおかしくない。
顧客ごとに仕様が異なり、季節変動が大きければ受注生産を普通はしますが見込生産で対応されてます。
顧客が地方公共団体や通信会社なので、買い手の交渉力が強く、下請けいじめにあって、短納期にしないと受注を切られてしまうリスクがあるって推測。
「一方」
与件文の接続詞はしっかり切って文章の違いを検討したい。
農業機械部品や産業機械部品は受注生産。こちらは受注生産。
→この段落はどの問題で使うのかは、迷うところです。
第1問(設問3)の自動車業界に要求されうる短納期に対応か、
第3問生産管理のIT化を計画。
広い意味として両方の段落に対応しそうな気がする。
1つの段落で複数の問題に対応する場合があります。
数々の残念なやらかし
第8段落
⑧生産計画は、<鋳造工程>の計画「のみ」が立案される。その立案方法は、まず<受注内容が確定した製品>について納期を基準に計画し、さらに余力部分にマンホール蓋などの見込生産品を加えて作成する。/鋳造工程以降の後処理工程、機械加工工程、塗装工程、検査発送工程は、前工程から運搬されてきた仕掛品の品種、数量を確認した上で、段取り回数が最小になるよう<それぞれの工程担当者>が加工順を決めている。/1日4回(ロット)の鋳造作業が行われているが、農業機械部品や産業機械部品の納期遅延が生じている。/その対策の1つとしてC社では、受注処理、生産計画、生産統制、在庫管理などを統合したIT 化の検討を進めている。
→「生産計画」の段落。この年の事例は生産計画を作ってます。
第1・2・3のやらかしにより、最悪の納期遅延が生じてます。
第1のやらかし
<鋳造工程>の計画「のみ」が立案。
「のみ」「のみ」「のみ」「のみ」「のみ」、「のみ」「のみ」「のみ」「のみ」「のみ」10回繰り返しました。
ここは突っ込むところです。なんで「のみ」。
何故かいつも「のみ」や「だけ」ってことになってます。
鋳造工程の計画のみじゃ、ダメでしょ。
全部計画してよ。ここは毎回突っ込むところです。
このツッコミ力。
1次試験の問題、企業経営理論で学んできた国語力、文章の細かい部分でのツッコミ力が生かされる場面です。
第2のやらかし
余力部分にマンホール蓋などの見込生産品を加えて作成する。
文章のつながりとしてかなり不自然。
受注生産の受注が確定した製品を納期を基準に生産計画を立てる中に、見込生産のマンホール蓋をブッコんでます。
明らかにやらかしてます。余力があるのでその間に見込生産で在庫が増えている。
第3のやらかし
段取り回数が最小になるよう<それぞれの工程担当者>が加工順を決めている。
言いかえると、みなばらばらでまとまりがない。 工程担当者がそれぞれ属人的で、工程担当者からの情報共有がないと解釈できます。
複数のやらかしにはツッコミ力で対応して解釈していきます。
対策はIT化
受注処理、生産計画、生産統制、在庫管理などを統合したIT 化。
この問題は第3問に対応づけられます。
第3問(配点20点)
C社は、納期遅延の解消を目的に生産管理のIT化を計画している。それには、どのように納期管理をし、その際、どのような情報を活用していくべきか、120 字以内で述べよ。
→そのまま与件分に書いてあるとおりに生産計画と生産統制の切り口で解答です。
調達は営業から
第9段落
⑨新規受注の問い合わせがあった場合は、<営業部>が<顧客>と技術的な打ち合わせを行い<顧客>の要望を把握し、その内容を<設計部>に伝え図面等仕様書を作成する。その仕様書が<顧客>と合意されると、<製造部>に引き渡して生産準備し、生産計画に織り込んで、資材調達の後製造される。
→新規受注の問い合わせから、技術的な営業の打ち合わせ、設計部、営業部、顧客からの合意、製造部と合意をとって生産計画、資材調達、製造。細かく技術されている分、工程が長いことがわかります。この状況に課題を提起して改善策を打診する。
営業、設置、製造と各部門の事例Ⅰ組織的にいうと、セクショナリズムが発生。
各部門が機能別に分かれていることで情報共有がされておらず、納期が遅延しているストーリーを推測します。
この段落は納期管理につながり第3問に対応づけられる内容です。
以上が【C社の生産概要】です。
この年のC社も問題点が山積みで、改善しないといけない点がたくさんある状況でした。各事例問題を見ていくと改善策のバリエーションが増えていきそうですね。
問題点の指摘を楽しみましょう。
数々の残念なやらかしを面白きものへ。
問題に対応した書籍紹介
平成27年度(2015年度)の解答解説が掲載されている書籍の紹介です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
TAC
定番の過去5年間の過去問の解答解説。
令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分。
ふぞろいシリーズ
ふぞろいな合格答案10年データブック
平成28年~平成19年の10年間分の事例問題の再現答案とベスト解答、採点基準が記載されているので直近の過去問をやりつくしてしまった方も活用して、平成19年以降の過去問を勉強することができます。
ふぞろいな答案分析3
2014年と2015年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。解答だけでなく分析コメントや特集記事など詳細まで知りたい方向けです。
2014年と2015年のふぞろいの後半部分をの80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。
事例問題攻略マスター
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
平成28年(2016年)~平成24年(2012年)までの過去5年分です。
TBC受験研究会
平成25年~27年度の過去問解説です。
本日のまとめ
-
面白くない文章の事例Ⅲも、日々の勉強によって面白く解けるようになる。
- 1つの段落で複数の問題に対応する場合がある。
- 複数のやらかしにはツッコミ力で対応して解釈していく。
- 問題点の指摘を楽しみましょう。
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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