おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
皆さんいつもブログを読んでくれてありがとうございます。
本日は「2次試験対策 事例Ⅱ H27年度 ストーリーをもったマーケティング戦略」です。
まずは対応する過去記事です。「2次試験対策 事例Ⅱ H27年度 商店街に何を提案するのか?」「2次試験対策 事例Ⅱ もと歓楽街の超広域型商店街」「2次試験対策 事例Ⅱ H27年度 高付加価値やコスパで勝負」は下記です。
引き続き第8段落から、最後まで見ていきます。この事例の与件は後半部分に、課題や代表理事の思いが多く記載されており、助言する施策に使いたいキーワードが盛り込まれております。
商店街と総合スーパーの違い
第8段落
⑧「現在」、<B商店街>の業種構成は店舗数ベースで<飲食業>約65%、<サービス業>約20%、<非食品小売業>約15%で、<食品小売業>はほぼない状況となっている。なお、店舗ごとの床面積は極端には変わらないので、延床面積もほぼ同様の比率である。一方、<総合スーパー>の売場構成は延床面積ベースで食品、非食品、飲食、サービスがそれぞれ約25%となっている。なお、<商店街の各店舗>の営業終了時間は、<総合スーパー>の対応する売場の営業終了時間に合わせている場合が多い。それは<総合スーパー>に対抗する意味合いもあるが、<B商店街>が元々歓楽街であったため、「当初」から営業終了時間が遅かったことの名残でもある。
→競合の総合スーパーと商店街の各店舗の業種構成。
商店街:<飲食業>約65%、<サービス業>約20%、<非食品小売業>約15%
総合スーパー:食品、非食品、飲食、サービスが各約25%
この比率って現実的にはあり得ないなぁと個人的には思いました。
商店街なら魚屋、肉屋、八百屋ぐらいあるのでは。
これはあくまで事例問題なので架空の設定として割り切り、この極端な数値の差がヒント。
商店街は飲食業が多いので、飲食業が食品を売ればよい。
食品を扱うお店がないので、出店すべき。ただ出店するだけでなく、高付加価値な方向性でプロモーション。
遅くまで営業しているのが強み。
遅い時間帯に買い物をするターゲットのニーズに合わせることが可能ですね。
見逃してしまいそうな、B商店街の強みをなお書きから推定する。
→対応付けた設問は第1問の設問2と3。
第1問(設問2)
設問1で解答した<ターゲット顧客層>向けに、新たにどのようなサービス業の業種を誘致すべきか。代表理事への助言内容を50字以内で述べよ。
→サービス業。夜遅くまで営業しているサービス業。
イベントで周辺住民を集客
第9段落
⑨<代表理事>は手始めに、「比較的短期間」で成果が出やすい取り組みとして、<周辺住民>に商店街との接点を持ってもらうイベントを開始した。月に1回、県内の農水産物および加工品を組合事務所周辺の街路で販売する「物産市」を実施している。<食品小売業>がほぼない商店街の弱みを補いつつ、低価格食品販売を主とする<総合スーパー>と差別化しながら<周辺住民>を商店街に呼び込むことを狙っている。<代表理事>は、<イベント業者>任せにせず、自らが県内を回って、<大手チェーン>にはない、こだわりの商品を販売する<小売店>に物産市への参加を説得して回った。結果、当該イベントは集客力を持つイベントに成長している。しかし、イベント当日は<飲食店>、<サービス業>の売り上げは大幅に増加するが、<非食品小売店の店主>からは「売上増加効果が現れていない」といった不満の声が挙がっている。
→周辺住民をB商店街に呼び込むためのイベントを実施。
高層マンション街や一般住宅街の顧客ではなく、周辺住民と広げていきたい。
新規顧客を呼び込む施策。物産市で、こだわりの商品を販売した小売店は成功。飲食店とサービス業は相乗効果があって集客出来ているが、非食品小売店とはコラボできておらず集客が図れていない。
新規顧客に対してリーチするような施策を検討する。
→対応付る設問は第2問と第3問の設問1と2。
第2問
物産市当日における<非食品小売店>の売上向上を実現するためには、<非食品小売店の店主達>へどのような助言をすべきか。<B 商店街>の<主な非食品小売店である家具店、食器店、スポーツ用品店>の中からひとつの業種店を対象に選択し、
(a) 欄の該当する業種店の番号に○印を付けるとともに、(b)欄に助言内容を100 字以内で述べよ。
→(a)欄には家具店、食器店、スポーツ用品店の3種類がある。
第10段落
⑩<代表理事>は「短期的」な課題としてイベントの改善を実現したいと考えている。また<総合スーパー>に対して劣勢にあるB商店街の立場を改善するため、<総合スーパー>とのすみ分けが重要であると考えている。そのために「中期的」には、環境の変化に対応した業種誘致が必要だと考えている。また「長期的」には、<顧客>と<店主>、<店員>が顔見知りとなり親しく会話を交わすような状態になることが理想であると考えている。これらの課題解決のため、<代表理事>は、<組合>および<商店街店主>への助言を求めて<中小企業診断士>に相談することにした。
→ ①短期的な課題は「イベントの改善の実現」「総合スーパーとのすみ分け」、②中期的な課題は「環境の変化に対応した業種の誘致」③長期的な課題は、「<顧客>と<店主>、<店員>が顔見知りとなり親しく会話を交わすような状態になること」
明確な課題が記載されている最終段落。商店街の今後の方向性がしっかりと明記されております。
イベントを変えたい、時代の流れにあった業務を誘致したい、フェイストウフェイスの関係で顧客と店員の関係性の強化、商店街の活性化を図りたい。
短期・中期・長期の課題をそれぞれ切り分けて全ての助言を完了する。
全ての助言をすると ストーリーをもったマーケティング戦略となりますね。
→対応付ける設問は第3問の設問1と2。
第3問(配点40 点)
(設問1)
<代表理事>は、<B商店街>の魅力向上に向け、<食品小売店>の誘致が必要であると考えている。<B 商店街>はどのような<食品小売店>を誘致すべきか。当該<食品小売店>のマーケティング戦略と併せて、<代表理事>への助言内容を100 字以内で述べよ。
→どんな食品小売店を誘致するか。総合スーパーとのすみわけが可能な食品小売店。
ターゲットマーケティング:STP
「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」「P:ポジショニング」
セグメンテーションは、市場細分化。
デモグラフィック・ジオグラフィック・サイコグラフィックと行動変数基準
ターゲティングは、標的市場の選定。
コトラー教授の標的市場の設定。
無差別型、差別型、集中型。
エイベルの標的市場の設定。
単一セグメント集中型、製品専門型、市場専門型、選択的専門型、全市場浸透型。
ポジショニングは、市場ポジショニング。
ポジショニングマップを利用して、競合と比較して、勝てるポジショニングを目指す。ブルーオーシャン戦略。
1次試験知識だとこの様に学習すると思いますが、その知識を事例企業に応用して、解答する必要があります。
TACスピードテキスト企業経営理論より
(設問2)
<代表理事>は、設問1で解答した<食品小売店>が長期にわたり商店街に定着するための誘致と連動した新規イベントを実施したいと考えている。どのような新規イベントを実施すべきか。期待される効果と併せて、<代表理事>への助言内容を100 字以内で述べよ。
→長期的な課題を達成するための助言。
「<顧客>と<店主>、<店員>が顔見知りとなり親しく会話を交わすような状態になること」を達成です。
今日は、与件文を最後までみてきました。次回はいよいよ解答例を見ていきます。
問題に対応した書籍紹介
平成27年度(2015年度)の解答解説が掲載されている書籍の紹介です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
TAC
定番の過去5年間の過去問の解答解説。
令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分。
ふぞろいシリーズ
ふぞろいな合格答案10年データブック
平成28年~平成19年の10年間分の事例問題の再現答案とベスト解答、採点基準が記載されているので直近の過去問をやりつくしてしまった方も活用して、平成19年以降の過去問を勉強することができます。
これさえあればとりあえずの解答は入手できます。
ふぞろいな答案分析3
2014年と2015年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。解答だけでなく分析コメントや特集記事など詳細まで知りたい方向けです。
2014年と2015年のふぞろいの後半部分をの80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。
事例問題攻略マスター
再現答案やプロセスではお薦めです。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
平成28年(2016年)~平成24年(2012年)までの過去5年分です。
TBC受験研究会
平成25年~27年度の過去問解説です。
本日のまとめ
- 見逃してしまいそうな、B商店街の強みをなお書きから推定する。
- 新規顧客に対してリーチするような施策を検討する。
- 短期・中期・長期の課題をそれぞれ切り分けて全ての助言を完了する。
- 全ての助言をすると ストーリーをもったマーケティング戦略になる。
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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