おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は「2次試験対策 事例Ⅲ H28年度 ”最も”効果的に実施 クレームの内容はいくつか?」です。
まずは事例ⅢH28年度の過去記事です。「2次試験対策 事例Ⅲ H28年度 カット野菜はどう料理するか?」「2次試験対策 事例Ⅲ H28年度 問題点ばかりのC社を経営改善 」は下記です。
今回は与件文の後半を進めていきます。
小見出しは前半はC社の概要で、後半はC社の生産の概要です。
事例Ⅲは明確に小見出しが出ているので、全体の構成が明確で文章の整理がしやすいです。
今回の後半部分は、現場の管理レベルのことが記載されております。
生産高を日常の管理項目
【生産概要】
第9段落
⑨C社のカット野菜製造工程は、<顧客別>に編成・グループ化され、「現在」3つの製造グループで製造を行っている。<各製造グループ>では主に素材選別、皮むき、カット、洗浄、計量・パック・検査、出荷の各工程を持っている。各製造グループは、生産高を日常の管理項目として管理してきた。
→生産高を日常の管理項目としてきた。生産高しか考えてなかった。生産高が目標を上回っていればよかった。たくさん生産すればよかった。
この最終センテンスは書かれいることの深読みをして作問者が何を言いたいのか想定する必要があります。
設問では第2問の生産管理面の問題に対応。
生産管理面の課題
第10段落
⑩<顧客>からの注文は、<各製造グループ>に直接入り、<各製造グループ>で各々「生産計画」を立て、原材料調達から出荷まで行っている。<製造グループ>ごとの生産管理によって、①同種類の原材料調達における単価の差異、②加工ロスによる歩留りの低下、③出荷のための輸送費用のロス、④製造グループ間での作業員の移動の制限などがみられる。
→またまた露骨な問題点の記載です。4つ。
①同種類の原材料調達における単価の差異
②加工ロスによる歩留りの低下
③出荷のための輸送費用のロス
④製造グループ間での作業員の移動の制限
この4つを改善することが提案です。問題点の裏返しが改善提案。
「生産管理」のキーワードから第2問に対応付けます。
第2問
「現在」C社が抱えている最大の経営課題は、収益改善を早急に図ることである。生産管理面での対応策を160 字以内で述べよ。
各製造グループが各々生産計画をたてて。
各製造グループがばらばらの生産計画であること、情報共有がないことが想定されます。これは改善しないとまずい課題になります。
”最も”効果的に実施
第11段落
⑪製造部門の大きな問題は品質不良であり、前ページの表2に示すような製品クレー
ムが発生している。その原因を製造3グループ全員でブレーンストーミングし、作成
した特性要因図が図1である。
→表2と図1をこの後に確認しましょう。
表2
クレームが一番多いのは「カット形状不均一」で5割以上を占める。
「鮮度劣化」「異物混入」を含めた上位3つで、8割。
この段落は「クレーム」というキーワードから第3問に対応します。
第3問(配点20 点)
C社では、クレームを削減する改善活動を計画している。このクレーム改善活動を最も効果的に実施するために、着目するクレーム内容、それを解決するための具体的対応策を120 字以内で述べよ。
ここも解答に迷う、設問の書き方。
「最も効果的に実施」のニュアンスは。
文章どおりクレーム内容を1つに絞るべきかどうか悩ましい所です。
数値構成比が一番多い「カット形状不均一」についてだけ書くというのがセオリーどおりと思われます。
一方「鮮度劣化」もまずい、「異物混入」は特構成比率が10.6%だが、万が一起こってしまったら一発退場。「異物混入」を書きたいので上位3つを入れてまとめて書きあげられるのか。
特性要因図(フィッシュボーンチャート)
1次試験の知識出てくるQC7つ道具の内の1つで、「特性要因図」、別名「フィッシュボーンチャート」です。魚の骨のような図です。
結果にいきつく原因を細かくブレストした上でまとめています。
・QC7つ道具とは
①パレート図、②特性要因図、③グラフ(管理図を含む)、④チェックシート
⑤ヒストグラム、⑥散布図、⑦層別
今年は他のQC7つ道具が出題される可能性はあるので、しっかり1次知識を固めましょう。
図1
「加工不良」に関する特性要因図。
上位3つの要因として、「カット形状不均一」には①人によって作業方法が違う、②標準作業の不備、「鮮度の劣化」には仕掛品が多い、長時間の加工場内製品放置、「異物混入」には衛生管理ルールがないといった理由が記載されてます。
それぞれに図の中に印をつけていきます。
印を辿ると表2のクレームは作業方法に結び付いたクレームであることが分かります。
よくみると4M(Man人・Machine施設・機械・Material原材料・Method作業方法)の4つの観点から分類してまとめられてます。
全てにおいて上手くできていないことが記載されている。
図や表の考察にあまり時間を書けてしまうと、時間が無くなります。
与件文の内容と照らし合わせたり、全体像をとらえて判断するべきです。
ただ、初めてこの図を見たときの現場対応力がどれほどのものか、初めて解く時の判断力が重要だと思います。
図や表は時間をかけずに、作問者が伝えたいことを判断したい。
第12段落
⑫また<食品工場>としての施設・設備面などの衛生管理、作業方法などの衛生管理、どちらの管理レベルにも課題があり、<販売先>からの改善要求もある。
→こちらも第3問に対応する段落。「作業方法」は第3問。
問題点が山ほどあるので、早急に改善しないといけないレベルです。
たくさん問題がありすぎて、どのことを解決したよいか分からないレベルです。
解答は第2問160字だったり、第3問120字とありますので、出来るだけ多くの問題を改善するように提案したいです。
以上、今日は与件文の一読まででした。次回は解答に入ります。
問題に対応した書籍紹介
毎回の付録記事です。
平成28年度(2016年度)の解答解説が掲載されている書籍の紹介です。
過去問
診断協会のホームページからダウンロード
AASのホームページからダウンロード
試験問題だけではなく、解答用紙と出題の趣旨までまとまってます。
2次試験過去問ダウンロード│AAS中小企業診断士 2次試験対策専門校
TAC
定番の過去5年間の過去問の解答解説。
令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分。
ふぞろいシリーズ
ふぞろいな合格答案10年データブック
平成28年~平成19年の10年間分の事例問題の再現答案とベスト解答、採点基準が記載されているので直近の過去問をやりつくしてしまった方も活用して、平成19年以降の過去問を勉強することができます。
これさえあればとりあえずの解答は入手できます。
ふぞろいな答案分析4
2016年と2017年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。解答だけでなく分析コメントや特集記事など詳細まで知りたい方向けです。
2016年と2017年のふぞろいの後半部分をの80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。
事例問題攻略マスター
再現答案やプロセスではお薦めです。
第2版が2020年5月に新刊が発売されました。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
ある優秀な人の解答として参考にしました。
平成28年(2016年)~平成24年(2012年)までの過去5年分です。
本日のまとめ
- 問題点の裏返しが改善提案。
- QC7つ道具の1次知識は万が一出題された時のために固めておく。
- 図や表は時間をかけずに、作問者が伝えたいことを判断したい。
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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