おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は「2次試験対策 事例Ⅰ H29年度 設問解釈やってみた」です。
まずは昨日の記事「2次試験対策 事例Ⅰ まずは設問解釈」は下記です。
基本は事例Ⅰにある
2次試験の事例問題はⅠⅡⅢⅣとあり、事例Ⅰは組織・人事、事例Ⅱはマーケティング・流通、事例Ⅲが生産・技術、事例Ⅳが財務・会計となっており、大きく事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと事例Ⅳの2つのグループに分類されます。
その中でも事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲのグループではまずは事例問題の基本となる事例Ⅰに多くの勉強時間を費やすことになると思います。
学習の進め方も事例Ⅰが基本となりますので、まずは事例Ⅰの攻略に注力したいです。
私はこの事例Ⅰが最後まで苦手意識を完全には払拭出来ませんでしたが、勉強すればするほど奥深いのがこの事例Ⅰだと思います。
設問解釈が全て
昨日に引き続き平成29年度試験事例Ⅰを使用します。
この年の企業は「菓子製造業」で、設問は5題でした。
レッツシンキング。
第1問 配点20点
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品をA社が再び人気商品にさせた最大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ。
第2問 配点20点
A社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比して少人数である。少人数の正規社員での運営を可能にしているA社の経営体制には、どのような特徴があるのか。100 字以内で答えよ。
第3問 配点20点
A社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。100 字以内で答えよ。
第4問 配点20点
A社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。100 字以内で答えよ。
第5問 配点20点
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、A社の存続にとって懸念すべき組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150字以内で答えよ。
以下、設問を考察していきます。
全5台で例年通りの数、第5問だけ150字であとは100字の問題。
1問づつ設問解釈していきます。
※ チェック項目
△を問題の要求している個所。▲は問題要求に対する制約条件。
時制、レイヤ―、気になる用語
設問文にメモしていく。
※赤字は気になるフレーズ。
第1問 配点20点
景気低迷の中で、/一度市場から消えた主力商品を/A社が/再び人気商品にさせた/最大の要因は、/どのような点にあると考えられるか。/100 字以内で答えよ。
最大の要因は▲。
どのような点にあると考えられるか△。
時制は「過去」。経営戦略問題。情報の整理・分析。
考えられるかは類推問題。
第2問 配点20点
A社の/正規社員数は、/事業規模が同じ同業他社と比して/少人数である。/少人数の正規社員での/運営を可能にしている/A社の経営体制には、/どのような特徴があるのか。/100 字以内で答えよ。
少人数の正規社員での/運営を可能にしている/:▲
A社の経営体制には、/どのような特徴があるのか。:△
時制は「現在」。経営戦略問題。情報の整理・分析。
少人数の正規社員
逆に言えば、大人数の非正規社員。
非正規社員が多いことのメリットとデメリットは。
正規社員と非正規社員の役割分担。
経営体制は、組織体制とは違います。
第3問 配点20点
A社が/工業団地に移転し/操業したことによって、/どのような戦略的メリットを/生み出したと考えられるか。/100 字以内で答えよ。
どのような戦略的メリットを/生み出したと考えられるか。△
工業団地に移転し/操業したことによって、▲
時制は「過去」。経営戦略。情報の整理・分析。
戦略的メリットを書く。
第4問 配点20点
A社は、/全国市場に拡大することで/ビジョンの達成を模索しているが、/それを進めていく上で/障害となるリスクの可能性について、/中小企業診断士の立場で助言せよ。/100 字以内で答えよ。
障害となるリスクの可能性、助言せよ。△
全国市場に拡大、ビジョンの達成を模索▲
時制は「未来」経営戦略。この年は経営戦略の問題が4問と多いのが特徴。
助言せよは、助言問題。
助言問題は何でも助言できてしまうので注意。
助言問題はおのずと難易度が高くなります。
何がリスクか。全国市場、現在は地元市場。
経営資源の観点から推測する。
「中小企業診断士の立場で。」「中小企業診断士として、」このフレーズが
頻繁に出てきます。当然中小企業診断士の試験なので、中小企業診断士として考えるのがセオリー。
中小企業診断士としてとは、中小企業診断士1次試験で学習した内容を使って解答すればよいです。
第5問 配点20点
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、/A社の存続にとって/懸念すべき組織的課題を、/中小企業診断士として、/どのように分析するか。/150字以内で答えよ。
懸念すべき組織的課題を、どのように分析するか。△
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、▲
時制は「未来」。課題・対応策の提案問題。
第5問は組織的課題とはっきり「組織」というフレーズを入れてますので、
100%組織の問題です。
組織構造、組織文化、人的資源管理
間違っても戦略の問題として考えてはいけないです。
設問解釈まとめ
・時制は「過去」「現在」「未来」の3種類あります。
H29年度は第1・2・3が過去と現在、第4・5問は未来の問題でした。
・戦略か組織か
H29年度は第5問だけが組織の問題でした。
・1フレーズの意味を考える。設問分析!
おまけ H29年度の事例Ⅰの企業
この年の事例企業は大分県にある菓子製造業がモデルになっていると巷では言われてます。資本金1,000万円、2001年創業。従業員は、常勤役員2名、正社員8名、契約社員3名 パート75名。う~ん似てる。
平成29年度(2017年度)の解答解説が掲載されている書籍
TAC
定番の過去5年間の過去問の解答解説
ふぞろい
まず定番商品です。
2018年版 ふぞろいな合格答案エビソード11
前半に再現答案が事例Ⅰ~Ⅳと掲載されており、後半には合格者のインタビュー形式試験問題に対する80分間のドキュメントと再現答案が掲載されております。
今や13まで続いてます。
今年2020年4月には早々と編集した総集編が登場。
2018年と2019年のふぞろいの前半の合格答案部分をまとめた書籍です。
自分は掲載されている答案を1つの模範解答として活用しました。
2018年と2019年のふぞろいの後半の80分間のドキュメントと再現答案がまとめられた書籍です。
事例問題攻略マスター
再現答案やプロセスではお薦めです。
今年5月に新刊が発売されました。
各事例の解き方と令和1年(2019年)~平成27年(2015年)までの過去5年分の過去問の解説付き。書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
ある優秀な人の解答として参考にしました。
私はこちらの書籍を重宝し使用しました。
各事例の解き方と平成28年(2016年)~平成24年(2012年)までの過去5年分の過去問の解説付き。
必要な知識の一問一答は知識の整理に役立ちます。
書籍がA4版と小さ目で持ち運びに便利。
TBC速習2次過去問題集 平成28~30年度 ¥4,180
※各書籍ごとの特集記事も今後書いていこうと思います。
本日のまとめ
- 事例Ⅰが事例問題の基本となる。
- 設問解釈は時制、レイヤ―、気になる用語を検討する。
- 時制は「過去」「現在」「未来」の3種類。
- 戦略か組織か。
- 気になるフレーズを分析して、設問解釈。
※2次試験対策の記事は、複数年に渡り学習したきた自らの記録、各種学習参考書や過去問解説の情報、 勉強会や学習仲間とのやりとり、ブログなどさまざまな情報を元に、改めて2次試験の問題を振り返り受験生の勉強の参考になればと思い記事にさせて頂いております。
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