おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は昨日に引き続き「財務・会計」についてです。
まずは昨日の記事「財務・会計 解答する順番は、問題の難易度に従う。」は下記です。
今回は直前期に実践していた勉強法についてです。
直前期となると公式の暗記や問題を繰り返して問いて一通りやることはやっている状況だと思います。
ある程度の実力を維持しつつ、勉強時間が無い中で他科目の学習とのバランスを考えて計画的に実践していかないといけないです。
直前期は複数科目を同時に勉強する必要がありますので、効率よく各科目を回していきたいです。
財務・会計の回し方について実践した経験を元にお話しいたします。
模試・答練
毎年の積み重ねもあると思いますが、模試・答練ではある程度の点数が取れてました。
過去3年間の模試・答練の結果です。
2017年
TAC:養成答練54点、完成答練①72点、完成答練②76点、公開模試51点
2018年
TAC:養成答練88点、上級答練72点、完成答練①72点、完成答練②72点、公開模試68点
LEC:ステップアップ模試64点、ファイナル模試58点
本試験:52点
2019年
TAC:養成答練76点、上級答練88点、完成答練①72点、完成答練②84点、公開模試68点
LEC:ステップアップ模試48点、ファイナル模試48点
本試験:72点
こうやって見返すと3年間もよく同じことを愚直に繰り返したと涙ものです。3年間はやり過ぎた感も感じます。
2017年から苦手意識はなかったが、たまに60点を切る時がありました。1問4点の25問なので、48点12マーク~72点18マークの当たりの勝負。
失点する可能性がある13マーク~7マークが勝負の分かれ道。
基礎的な問題は確実に取り、合否が分かれる問題の正答率を上げていくことが重要。
TACをメインだったのである程度問題の出方や癖を覚えてしまった感が否めないです。反面まに受けたLECの模試は出題される論点が違うので失点してしまってます。
LECの模試は過去に出題されていない、今年出そうな論点を出題されており、なかなか難しかったです。
時短復習
みなさんまずは模試の問題を繰り返し解いていると思います。私が実践していた答練・模試の復習方法3ステップです。
- 間を空けてもう一度全て解く。
- 不正解だった問題と正解だったけどまぐれで正答できた問題や、知識が不十分な問題だけを解く。
- 間違えた問題だけを時短で解く。
始めは全ての問題を解くという方法です。
同じ60分間で繰り返し解くことで時間間隔を再現できますが、1度問いて答えを知っている問題を問くことになるので学習効果は限定されます。
私の場合は1回目に解いてから、約1カ月後に2回目を解くようにしてました。直前期は2週間ぐらいでもよいと思います。
次に、復習の際や〇、△、×と記載したらり、問題を解く時にA・B・cとランク付けをして、2回目時は〇と△やB・Cの問題に絞って解くことで時間短縮できます。
問題数を減らせば解く時間も短く設定できるので、時間を気にしながら復習したいです。
最後は、間違えた問題だけを繰り返し解きます。答えを覚える作業になっていまうのが欠点ですが、どうしても解けない問題は答えや論点を紙に書いて最後の締めとしました。最後までもやもやを残さない方が切り替えができてよいです。
100%全ての問題が解けるようになる必要はないと思いますが、1つの問題に拘ってもやもやして時間を浪費するには時間がもったいないので、ある程度割り切って紙に書いて区切りをつけた方がよいです。
直前1カ月は模試と復習の追い込み
公開模試が1カ月前。この時期は60分間で解くことでの現場対応力のの訓練を行います。
何度も解いていると時間間隔が出来てきますので、解くのが遅れている時に気づけたり、残り時間を気にして1問に書ける時間をコントロールして見直しの時間を削ったり調整出来るようになります。
過去問の活用
苦手分野の克服と知識の補充
苦手論点は同じ分野を反復学習して覚えてしまうのが効果的です。
計算問題以外の問題の方が初めて出てくる内容などもあり、過去問を分野ごとに見ていった方が、攻略の糸口がつかめます。
例えば繰り返し問われている頻出論点だと、CVP分析、設備投資の経済性計算・正味現在価値、加重平均資本コスト(WACC)、MM理論、CAPM、オプション、CF計算書、原価計算、税効果会計、ファイナンスリース、のれん・非支配株主持ち分、資本準備金分配可能額などなど。
全ての問題を解くのではなく、課題意識をもって苦手論点をどんどんつぶしていくのが良いです。加えて知識の補充という意味合いで解くこともよいです。
定番の過去問マスター 過去10年分で繰り返し問わせている問題を収録。
タイムトライアル
過去科目合格率の低かった年の過去問を50分間やそれ以上短い時間でで解きまわして、時間が無い中で力が出せるように本番対応していくこともお薦めです。
何度も解いた問題で即答も問題も出てきますが、制約された時間内で解くことで違った感覚を得られます。
平成22年~26年は科目合格率が低かった時期なので余裕があれば、時短で解いて実力をチャックすることもお薦めいたします。
電車の中や移動中で手を動かさずに解く
上級編ですが、移動中や隙間時間に頭の中で解く方法もあります。解法を確認して思い出して答えにたどり着く。
本日のまとめ
- 基礎的な問題は確実に取り、合否が分かれる問題の正答率を上げていくことが重要。
- ある程度割り切って紙に書いて区切りをつけた方がよい
- 全ての問題を解くのではなく、課題意識をもって苦手論点をどんどんつぶしていくのが良い
- 時間が無い中で力が出せるように本番対応していく
2019年度第8問税効果会計の問題の実況解説
〇最後に2019年度第8問税効果会計の問題を実況解説します。
第8問
決算に当たり、期首に取得した備品1,200 千円(耐用年数4 年、残存価額ゼロ)について定額法で減価償却を行った。しかし、この備品の税法上の耐用年数は6 年であった。このとき、計上される繰延税金資産または繰延税金負債の金額として、最も適切なものはどれか。なお、法人税等の実効税率は30 %とする。また、期首における一時差異はないものとする。
ア 繰延税金資産:30 千円
イ 繰延税金資産:70 千円
ウ 繰延税金負債:30 千円
エ 繰延税金負債:70 千円
→以下、実況解説。
決算に当たり、期首に取得した備品1,200 千円(耐用年数4 年、残存価額ゼロ)について定額法で減価償却を行った。しかし、この備品の税法上の耐用年数は「6 年」であった。このとき、計上される繰延税金資産または繰延税金負債の金額として、最も適切なものはどれか。なお、法人税等の実効税率は「30 %」とする。また、期首における一時差異はないものとする。
〇計算メモ
①DEP(減価償却費)=1,200/4=300
②DEP(減価償却費)=1,200/6=200
①300 - ②200 = 100
100 × 0.3(30%) = 30
繰延税金資産:30 千円
イ 繰延税金資産:70 千円
ウ 繰延税金負債:30 千円
エ 繰延税金負債:70 千円
→以上から「ア」が正解。
①会計上の減価償却費と②税法上の減価償却費の差額に税率をかけて、繰延税金資産として計上する。
理論さえしっていれば時間をかえずに解ける問題でした。
難易度評価はB。一応見直しするレベル。
※難易度評価。
あとで見返すときのためにABCでランク付けする。
A 確実に正解で見返す必要のない問題。正答率80~100%。難易度:低
B 正解だとは思うが、見返す必要のある問題。50~60%。難易度:中
C 難解な問題。正答率20~40%。難易度:高
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