おはようございます。
中小企業診断士のシンです。
本日は3日連続となりますが「中小企業経営・中小企業政策」についてです。
まずは2日間の記事「中小企業経営・中小企業政策 最もコスパの良い科目」「中小企業経営・中小企業政策 得点科目にする」は下記です。
令和元年度(2019年度)試験はテキストでどの程度網羅されているか
令和元年度(2019年度)の中小企業経営・中小企業政策は市販のテキストでどの程度網羅されているのか、1問1答で分析します。
テキストに書かれていることを覚えていれば点数がとれるとはいうのもの、果たしのどの程度的中しているのでしょうか。
今年の受験性は勉強する必要のない2018年度の中小企業白書・小規模企業白書の部分を分析して、今年度の学習の仕上げのレベル感をあぶりだします。
受験予備校ではテキスト以上の知識のインプットとして答練でテキスト外の分野も出題しますが、あくまでテキストと昨年度の問題を照合していきます。
使用するテキストは私が主に使用した「TACスピードテキスト」となります。
〇:的中、△:1部のみ掲載、×:未掲載
中小企業診断士 最速合格のための スピードテキスト (7) 中小企業経営・中小企業政策 2020年度
- 作者:TAC中小企業診断士講座
- 発売日: 2019/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
中小企業経営分野のテキストから出題分析
第1問(1) 経済センサス。企業規模別企業数の推移。〇:図・解説。
第1問(2) 業種別企業数の推移。〇:図・解説。
第2問(1) 小規模企業白書。企業規模別の労働生産性の推移。〇:図・解説。
第2問(2)(3) 小規模企業白書。企業規模別の資本装備率の推移。企業規模別の資本装備率の推移。〇:図・解説。
第3問(1)(2) 経済センサス。常用雇用者級別、設立年別企業数。×:未掲載。
第4問(1) 小規模企業白書。小規模事業者数。記載はあるが細かい知識の出題。〇:図。
第4問(2) 小規模企業白書。小規模事業者数。△:一部のみ。
第5問 付加価値比率。×:未掲載。
第6問 (1) 日本の将来推計人口。〇:文字。
第6問 (2) 従業員規模に見た、人材の未充足率。〇:図・解説。
第7問 (1) 実施したOFF-JTの内容。△:一部のみ。
第7問 (2) 人材育成・能力開発を行うに当たっての課題。未
第8問 買収・新設別に見た、子会社・関連会社が増加した企業数の推移。〇:図・解説。
第9問 (1) 投資目的別の設備投資のスタンス。〇:図・解説。
第9問 (2) 企業規模別設備年齢の推移。〇:図・解説。
第10問(1) 成長に向けた企業間連携等に関する調査・企業間連携の実施状況。×:未
第10問(2) 成長に向けた企業間連携等に関する調査・企業間連携の課題。×:未
第11問 金融機関別中小企業向け貸出残高の推移。×:未
第12問 外国人労働者数及び外国人雇用事業所数の推移。〇:図・解説。
TACテキスト:全21問中、8問は未掲載か一部のみで
約3分の1はテキストに未掲載の分野が出題されました。
3割の分野は類推して解答に導くアウトプット力の勝負となります。
掲載ページによる出題の分析
次に中小企業白書・小規模企業白書の掲載ページをまとめました。
第1問から第12問までの白書の掲載ページです。
中小p30・31→小p41・42・43→中小p39→小p29→中小p514→中小p121→中小p118→中小p194→中小p306→中小p272・273→中小p298・299→中小p301→中小p513→中小p145
中小、小、中小、小、中小と前半は中小企業白書と小規模企業白書の分野を交互にして、知識を混乱させるようにする意図を感じます。
中小企業白書から出題された問題はp30から始まり、p514金融機関別中小企業向け貸出残高の推移と最後の中小p145外国人労働者数及び外国人雇用事業所数の推移を除いては若い番号から順に問題を並べております。
第1問(1) 経済センサス。企業規模別企業数の推移。中小p30
第1問(2) 業種別企業数の推移。中小P31
第2問(1) 企業規模別の労働生産性の推移。小p41
第2問(2)(3) 企業規模別の資本装備率の推移。企業規模別の資本装備率の推移。小p42・43
第3問(1)(2)常用雇用者級別、設立年別企業数。中小p39
第4問(1) 小規模事業者数。小p29
第4問(2) 小規模事業者数。小p29
第5問 付加価値比率。中小p514
第6問 (1) 日本の将来推計人口。中小p121
第6問 (2) 従業員規模に見た、人材の未充足率。中小p118
第7問 (1) 実施したOFF-JTの内容。中小p194
第7問 (2) 人材育成・能力開発を行うに当たっての課題。中小p194
第8問 買収・新設別に見た、子会社・関連会社が増加した企業数の推移。中小p306
第9問 (1) 投資目的別の設備投資のスタンス。中小p272
第9問 (2) 企業規模別設備年齢の推移。中小p273
第10問(1) 成長に向けた企業間連携等に関する調査・企業間連携の実施状況。中小p298・299
第10問(2) 成長に向けた企業間連携等に関する調査・企業間連携の課題。中小p301
第11問 金融機関別中小企業向け貸出残高の推移。中小p513
第12問 外国人労働者数及び外国人雇用事業所数の推移。中小p145
学習方法
テキストの知識を完璧覚えれれば7割は得点することができます。ただ、勉強・暗記しても出題されない分野がかなり多いです。山を張るのはリスクが高いので、テキストで重要とされている分野から覚えて、ストーリーとし白書を抑えて記憶しておくことが重要です。
細かい数字、〇割の部分は問題を解く、間違えた数値を暗記する、直前で暗記するなど、直前期の模試を活用して繰り返しアウトプットすることで精度を高められると思います。
未掲載の3割の部分を約500ページの中小企業白書を細かく読む学習もございますが、中小企業白書を読む時間があるのであれば他科目に注力した方がよいです。
中小企業白書を読まなくても目標とする正答率50%は到達可能。
それでも気になる方のために中小企業白書へのリンクを掲載いたします。
参考となりますが、白書をまとめた書籍も出版されております。
1度学習後に全体を網羅的に読んでいけばよいかと思います。
本日のまとめ
- 約3分の1はテキストに未掲載の分野が出題。
- 3割の分野は類推して解答に導くアウトプット力の勝負。
- 中小企業白書を読まなくても目標とする正答率50%は到達可能。
2019年度第2問小規模企業白書からの問題の実況解説
〇最後に2019年度第2問小規模企業白書からの問題を実況解説します。
第2問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、1983 年度から2016 年度の期間につい
て、製造業の労働生産性(従業者一人当たりの付加価値額)を、企業規模別に見た場
合、①小規模企業の労働生産性は中規模企業と大企業を下回っている。
労働生産性は、資本装備率(従業者一人当たりの有形固定資産)と資本生産性(有
形固定資産当たりの付加価値額)に分解できるが、企業規模別に見た場合、小規模
企業の資本装備率は中規模企業と大企業より(A) 、小規模企業の資本生産性は中規模企業と大企業より(B) 。しかしながら、近年こうした②規模間格差に変化が見られるようになっている。
なお、ここでは中規模企業は小規模企業以外の中小企業とし、企業規模区分は中
小企業基本法に準ずるものとする。対象となる企業は全て法人であり、比較は中央
値で行うものとする。
→全文長いですね。
(設問1 )
文中の下線部①に関して、1983 年度と2016 年度について、小規模企業と大企
業、中規模企業との労働生産性の規模間格差を比較した場合の記述として、最も
適切なものはどれか。
ア 小規模企業と大企業、中規模企業との格差はともに拡大している。
イ 小規模企業と大企業、中規模企業との格差はともに縮小している。
ウ 小規模企業と大企業との格差は拡大、小規模企業と中規模企業との格差は縮
小している。
エ 小規模企業と大企業との格差は縮小、小規模企業と中規模企業との格差は拡
大している。
→ともに拡大。傾向を理解していれば即答。「ア」が正解。
(設問2 )
文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:高く B:高い
イ A:高く B:低い
ウ A:低く B:高い
エ A:低く B:低い
→高い、低いの問題。
小規模企業の資本装備率は低い、資本生産性は高い。この知識だけで解答できる問題で、「ウ」が正解。
(設問3 )
文中の下線部②に関して、財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、企業規模
別に資本装備率と資本生産性を、1983 年度と2016 年度について比較した場合の
記述として、最も適切なものはどれか。
ア 小規模企業の資本装備率は上昇し、中規模企業、大企業との規模間格差は縮
小している。
イ 小規模企業の資本装備率は低下し、中規模企業、大企業との規模間格差は拡
大している。
ウ 小規模企業の資本生産性は上昇し、中規模企業、大企業との規模間格差は縮
小している。
エ 小規模企業の資本生産性は低下し、中規模企業、大企業との規模間格差は拡
大している。
オ 小規模企業の資本生産性は低下し、中規模企業、大企業との規模間格差は縮
小している。
→設問2に続いての知識の深堀問題。小規模企業の資本生産性は以前は高かったが、低下しており、大規模・中小企業との規模間格差委が縮小している。この特徴を抑えていれば解ける問題。「オ」が正解。
難易度評価はBでした。
白書の特徴的な部分をテキスト通りにおさえていれば解答できる問題でした。
確実に得点したい問題です。
※難易度評価。
あとで見返すときのためにABCでランク付けする。
A 確実に正解で見返す必要のない問題。正答率80~100%。難易度:低
B 正解だとは思うが、見返す必要のある問題。50~60%。難易度:中
C 難解な問題。正答率20~40%。難易度:高
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